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DAY 1YR+286 クリスマス・イブ 永夜の島 (アメリカ本会議まで2日)

楽園島に戻ったp.adminはまずCICメンバーとH先生を招集して今までの情報を確認した


KATOさん(CICメンバー):

「大型タンカー船三隻また接近中現在距離は約300km、なお、詳細はわからないかどうやら水面下にも動きがあるようで潜水艦かもしれない、場所と距離はバラバラですが1000km圏内は16隻ある」


INOさん(CICメンバー):

「Azureさん、潜水艦のサイスと速度がバラバラで不気味だ、私達はこれ以上の偵察はできないので貴方が詳しく見てほしい」


ドローンは地球型ホログラムで船を映像付きで表示されるか、水面下の目標は赤い点だけ表示され映像はない、潜水艦にはこのやり方は分かりに欠点がある

もちろん、ドローンへ命令の仕方次第、CICメンバーも一定範囲内の指示を出すことでで詳しい偵察ができると思われる


p.admin:

「分かった!直ぐ調査します!眠りもまともにできなくて働いてくれた事は本当に感謝しきれない!」

「あとドローンに詳しい偵察活動の活動権限をCICの皆に付与します!引き続きよろしくお願い致します」


IWAさん(CICメンバー):

「ありがとうございます!これで我々はもっと正しい情報をAzure君に提供できると思います」


CICメンバーの話を聞いたまとめですが、前回よりも16隻のアメリカ潜水艦らしき物が発見された事が大きい

その次、無任所大使のH先生の話を聞くことに


H先生:

「防衛作戦では敵軍に死傷者が出る可能性をEUの方々に説明しました、EU側の連絡官はいいとも悪いとも言わない態度で、交渉は応じない通達だけと伝えると、EU議会の方に連絡すると伝えられた」


H先生:

「台湾の方にも第七艦隊空母二隻接近中の情報を外交部に伝えたが、国防部に伝えると言い返事は来てない」


p.admin:

「これでよかった、アメリカは良からぬことを企んでいるにる

「のは間違いないが、EUも台湾も現時点で出来る事はないですね、H先生お疲れ様でした」


H先生:

「あとですね、ウクライナ政府はEU経由で『チェルノブイリ原子力発電所事故の場所にも除去を協力して欲しい』との連絡があった」


p.admin:

「アメリカとの決着がついたらそっちもやるよ、福島より範囲が広く影響も長いから事前調査も必要だから…今すぐは無理ですね」


H先生:

「了解しました、ウクライナ側に後日協力すると伝えます!」


CICとH先生と打ち合わせしている途中、楽園島から1000km圏内の米軍潜水艦情報をドローンの報告で分かった


ドローンの分析結果:

・原潜x4

・通常動力型潜水艦x6

・鉛の塊とデコイの組み合わせで潜水艦の形をする物x6


ドローンは重力波レーダーで水面下の物を特定するが実際に潜ったわけではないので映像はない、

異星文明の観測データと照合して判定するようだが艦船の固有名称も分からない

作戦時にドローンが水中に潜り、カメラや近接重力波センサーで正確な潜水艦の形を補足したり、潜水艦を破壊することもできる


なお、EU/日本に提供した対ステルスレーダーは一部重力波センシング技術を利用、

ただセンサーとアンプ部はブラックボックス化されていて、内部ではドローンが量子通信でモニタリングしており、改造や分解される事を防ぐ


p.admin(ドローンの情報をCICメンバーに共有しながら):

「デコイまで持ち出して、わざわざ鉛の塊もあるのは重力波レーダー対策では?どうやら米軍は本気で攻めてくると思う」


p.admin:

「では本会議まで引き続き監視をお願いします!私は楽園島の避難状況とエネルギー反射パネルの設置に行かないと」


CICメンバー3人:

「任されてください!」


p.adminはCICルームから出てR子と合流し、避難状況の確認を行う


R子:

「住民の5000人が帰国希望でドローンによるワープ転送で送還した、残りの避難民約8000人は地下避難スペースまでの避難は完了しました」


p.admin:

「避難スペースは大雑把で作ったが、トイレと住居空間などはどうしてるですか?」


R子:

「今は壁際にトイレスペースとシャワースペースを作っています」

「上下水処理はOZAさん(元土木研究所技師)の協力の元でドローンに細かい追加指示したお陰で何とかなった」

「OZAさんが居ないと人力で陸上の処理施設まで運ぶ羽目になっちゃいますね」


p.admin:

「OZAさんがいい仕事をしてくれたね、後で礼を言うね」


R子:

「住居空間はテントと仮設コンテナハウスで凌いています、食料は多めに見積もって3ヶ月分用意してあります」


食材、生活用品、緊急用の酸素ボンベや人力発電設備などについては日本政府から支給された1000億円で幅広く仕入れた

R子を始めとする幹部らは、異星ドローン10機の非殺傷権限(ワープ運搬、シールド展開権限と人命救助要請権限)を与えている


p.admin:

「R子、本当にありがどう!あと数日間の辛抱だ、各家庭に生活用水のタンクと簡易トイレセットを用意しましょう」


R子:

「何よ今更、私はAzureの帰る場所を『守る』ことを約束したじゃない?あなたは、あなたしか戦えない場所があるでしょう?」


p.admin:

「そうか…それでもありがとう、避難中の住民管理は任せたよ!」


R子:「Azureさん、まかせてください!それに、W子にも会いに行ってください」


***


p.adminは、妻のW子が待っていた楽園島の居室に入った

妻のW子がp.adminと会えたらR子と一緒に地下避難スペースに移動するらしい


W子:

「お帰りなさい」


p.admin:

「ただいま、ごめんねなかなか会ってあげられなくて」


W子:

「ううん、大丈夫よ!多くの人は苦しんでいるのでこのくらいで私は平気です」


p.admin:

「日本の家にも台湾の家にも連れ帰ってあげなくてごめんね…」

「あともう少しでアメリカと決着つける事ができてから、私たちの日常も取り戻さないといけないね」


p.admin:

「アメリカは厄介だけど私たちは絶対に負けない」


W子:

「本当に気を付けてね、R子とS子も心配です」


P:

「では仕事に行ってきます!」


W子:

「いってらっしゃい…」


10分後、楽園島の周辺の海上プラットフォームにて


p.admin(ホログラム経由):

「R子、これから防衛用のパネルを展開します、住民に驚かないように知らせてください」


R子:

「分かりました」


p.admin:

「システム命令、海上プラットフォームを外周にして楽園島のシールド内側にエネルギー吸収(反射)パネルを展開」

「なお、展開範囲は海底プレイトの海面下10メートルまで含む!」


p.adminが命令した直後に、パネルを収納したコンテナが開いて、

折り畳み状態のパネルは次々とコンテナから浮かび上がり始めた


パネルが一定高度に到達した後に自律で空中で移動し、シールドの内側を到達した時点で、折り畳んだパネルが9倍の面積まで展開された

30分もしない内に、10万枚のパネルはシールド内部を埋め尽くした

p.adminは「パネルは四角型で隙間はどうしてるか」を考えていると、パネルの両側は自動変形して隙間を完全に塞がった


海面下でも、パネルで構成された海底城壁のようなものが出来上がりまるで古代文明の遺跡みたいな風景となる


※楽園島の固定式シールド発生装置は直径3KMの半球型シールドを展開、その表面積は9π㎢まで達する


パネル設置完了後、パネルは全てを塞がり一切の光を通さなくなった

真昼なのに、楽園島は真っ黒な世界になった

楽園島は、道路と一部の建物と安全用の照明が点灯され、まるで月も星も見えない夜のようでした


p.adminはこの様子を見て

「星も月も見えなくて太陽も登らない純粋な暗闇、まさに永夜だ!」と感慨深く思った


楽園島の住民避難が終わり、シールドとエネルギー吸収(反射)パネルの設置が終わった後

夕方となり、楽園島の出入口代わりの一枚のエネルギー吸収パネルが開き、p.adminは海上プラットホームから月面基地までワープした


#### 技術者たちの感動


エネルギー反射パネルの展開が完了し、楽園島が漆黒の闇に包まれた瞬間、CICルームにいたKATOさん、IWAさん、INOさんは息をのんだ。目の前のホログラム画面は輝いているが、窓の外は一切の光を失っていた


KATOさん:

「おい…まさか、本当にすべての光を遮断するとは…。これでは、外部から何も見えないし、我々からも外部が見えない。しかし…完璧だ」


IWAさん:

「パネルの両側が自動で変形して、隙間を完全に塞いだ。あんな変形パターン、見たことがない…まるで生きているようだ」


INOさん:

「まさか、海面下の部分までパネルで覆うとはな。海底の地形に合わせて、ああも正確に展開するとは…とんでもない技術だ」


彼らは、技術者としての好奇心と、この未曽有の技術に対する畏怖の念を抱きながら、ホログラム画面を見つめていた。その時、CICルームにホログラム通信が入ってきた。相手は、地下避難所の建設に携わっていたOZAさんだった


OZAさん:

「(ホログラム通信越しに)皆さん、大丈夫ですか?こちらは完全に真っ暗になった。窓の外にいるはずの月も、星も、何も見えません」


KATOさん:

「OZAさん、こちらは大丈夫です!パネルが完璧に機能しているようだ。君の地下避難所もこれでもう安心だ」


OZAさん:

「ええ。それにしても…この技術は、私のこれまでの人生をすべて否定するような代物だ。我々が何十年もかけて築いてきた土木技術が、たった数時間で…いや、数分でこれほど強固なものを造り上げられるとはな…」


OZAさんの声には、落胆ではなく、純粋な驚きと感動が混じっていた


INOさん:

「そうだよな、OZAさん。俺たちがこれまでやってきたことなんて、この技術から見れば、遊びみたいなものだ。でも…その『遊び』を真剣にやってきたからこそ、俺たちは今、ここにいられるのかもしれない。この、とんでもない技術の力になれる」


彼らは、自らの専門知識が通用しない世界にいることを認めながらも、それを悲観することなく、新たな技術の可能性に胸を膨らませていた


#### 永夜のクリスマス・イブ


実はこの日、クリスマスイブなのにp.adminは気付かなかった

R子は気付いても、避難民への指示で何かをする余裕もなかった

W子は夫であるp.adminの仕事に邪魔したくないので、敢えて何も言わなかった


楽園島の地下に設けられた避難所は、昼夜を問わず、淡い照明に照らされていた

住民たちは配られた仮設コンテナハウスやテントの中で、不安を抱えながらも静かに過ごしている


R子は、避難民の様子を見て回り、W子のコンテナハウスに立ち寄った。W子は、小さなテーブルで一人、静かに紅茶を飲んでいた


R子:

「W子さん、ごめんなさいね。こんなクリスマス・イブになってしまって」


W子:

「あら、R子。気にしないで。私も、この状況でクリスマスどころじゃないわ。でも…」


W子は、壁に貼られた小さな手描きのクリスマスの絵を指差した。避難所の子供たちが描いたものだ


W子:

「子供たちが、これでもクリスマスの飾りをつけようと頑張ってくれたの。私、こんな風にクリスマスを過ごしたのは初めてだわ。太陽も星もない、まっ暗なクリスマスイブなんて。」


R子:

「本当にね。私は避難民の指示で一日中走り回って、すっかりクリスマスなんて忘れてましたよ。でも…こんな状況でこそ、こういうささやかな幸せが、心に沁みるのかもしれないわね。」


二人は静かに微笑み合った。その時、R子のタブレットが光り、ホログラム通信の着信を告げた。p.adminからだった。


W子:

「あなたからよ!…どうぞ、R子、先に見てあげて」


R子:

「大丈夫ですよ、W子さん。これは、きっとW子さんへのメッセージです。先にどうぞ」


R子は優しい声でW子を促した。W子は、R子からタブレットを受け取り、通信を承諾した。p.adminのホログラムが、部屋の中に現れた。


* p.adminからのメッセージ


p.adminは、月面基地の管制室からホログラムメッセージを送っていた。彼の背後には、青く輝く地球が見える。彼は、少し照れくさそうに、そして申し訳なさそうに話し始めた


p.admin:

「W子、R子、今、ホログラムの通信状況を確認したら、二人とも地下にいることが分かったんだ。…ごめん、すっかり忘れていた。今日は…クリスマス・イブなんだね」


W子とR子は顔を見合わせ、安堵と寂しさの入り混じった表情を浮かべた。彼がこの日を忘れてしまうほど、どれだけ仕事に没頭しているのかが伝わってきたからだ


p.admin:

「クリスマスプレゼントも、クリスマスディナーも用意してあげられなくて、本当に申し訳ない」


p.adminは、言葉を選びながら、真摯に語りかけた。


p.admin:

「君たちがいてくれるから、僕はここにいられる。君たちがいてくれるから、僕は戦える。君たちの頑張りが、僕にとって何よりのクリスマスプレゼントだ」

「だから、もう少しだけ待っていてほしい。この永夜の向こうに、必ず新しい夜明けを連れて帰るから…」


通信が切れると、W子は静かに涙を流した。R子は、その肩にそっと手を置いた。


W子:

「…彼は、以前から変わりました、まるで映画のヒーローを演じるようだが紛れもない現実の彼でした…こんな日にも、クリスマスのことを考えてくれていたなんて」


R子:

「そうですね。きっと、彼も私たちと同じくらい、この日を忘れていたことを寂しく思っているはずです。だから、彼のためにも、私たちがこの永夜の島を守らなくては」

出来ればアメリカとの対決を週末中に投稿したい

それが実現できれば連続投稿祭りになるが、私がリアルで死ぬかもしれない(笑)


S子:

「R子に送ったのに、私へのメッセージはないの?」


p.admin:

「特にないです」

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