DAY 1YR+284 2026/12下旬 蒼龍として生きる男 (アメリカ本会議まで4日)
日本政府との交渉より、福島第一原発の作業は翌日の昼で行われる事になった
p.adminは準備資材は何にもいらないと伝えた所、
向こうは半信半疑しながら具体的な作業内容の開示を求めてきたがp.adminは拒否した
P.adminは「安全配慮義務だけは徹底し二次被害のないように配慮いたしますので、此方の秘密保持都合上、手段は不問してほしい」と伝えた
東電や原子力規制委員会がそれを知りやや反発したが、経産省の偉い人が交渉してくれてようやく認めるようになった
そして米軍が楽園島や台湾に接近中した事実により
新メンバーのKATOさん、IWAさん、OZAさん、NEXCO INOさん及び彼らの家族、T先生とそのT先生奥さん、S子さんと両親。T先生の教え子の秘書2人と通訳1人
総勢約20人を楽園島に避難させた
p.adminはT先生の子供と孫たちにも避難させようと提案したが、
T先生からは「彼らの人生だ!そこまで面倒はみれない」と言って遠慮した
ただ、幹部らの知り合いと親戚などの駐留家族のために幹部に一人に異星ドローン10機の非殺傷命令権を与え、さらに関東広域でドローン約100機を滞在させた
楽園島臨時CICは早速稼働を始まった
KATOさん、IWAさん、INOさんが地球型のホログラムが表示されたCICルームに待機させ、
地図上は随時アメリカ所属艦船やの飛行機などの動向をリアルタイムで表示されている
そのために、異星ドローン約1万機を偵察衛星代わりに低軌道に滞在させた
とは言え大部分は以前構築したリレーネットワークや楽園島イントラネットの為に既に滞在させた異星ドローンなので、
複数のタスクを同時処理する感じになってる
ちなみに映像分析や重力波レーダーや物質センサーの同時稼働はどれくらい計算コストがかかるだろうとp.adminがエンジニアとして一瞬考えたが
重要なのは目の前の喫緊な課題を解決するから、些細なことに考える余裕も無かった
p.adminの命令とR子の監督や元土木研究所技官のOZAのアドバイスの元に
楽園島の地下に、500Mx500Mx10Mの避難スペースが急遽完成された
楽園島は元々柱の上に建てた人口島なので、海底プレートをドローンの重力操作で掘り出し、
さらに階段やエレベーターで楽園島の中央部に繋がるような作りになった
万が一電力を失う事を考慮して、エレベーターは人力で動かす稼働も可能となっていた
電力供給は3種類(地下室に反水素リアクター、島の電力ネットワーク、そして自転車式発電機)
酸素発生器も3種類設置している他、日本から大量購入した酸素ボンベも一定間隔で置いてある
楽園島の避難民は現在、住居区画の各自の部屋に住んでいるが、p.adminやR子の指示で随時地下室への避難を準備してある
新メンバーとT先生、S子が楽園島に行ったから
日本に滞在する楽園島の人間はp.admin一人となった
p.admin:
「日本のSPも不審と思い始めた時には既に遅い(ははは…)」
P.adminは新しい情報が来るまでやることも無くなり、
米軍の海軍、空軍についてサーベイしたい為、秋葉原のミリタリー専門の書店へ専門のミリタリー関連本を買いに行った
補足すると2026/12現在は、
Googleの検索エンジンはアメリカ以外の国からのアクセスを制限し、
またAWS/Azureなどのクラウドもアメリカ外では利用できない
アメリカへアクセスVPNプロトコルは完全にブロックされた上に、
意図的にアメリカ外に国内の情報を提供する団体や個人は厳しく処罰されるようになった
多くの日本サイトが利用しているクラウドサービスやクラウドデータベースが利用不可となり、日本国内サイトであっても内容が見れない状況は多く発生していた
中国のGFW(Greate Fire Wall)が無くなった代わりにアメリカが世界中一番強固なファイアウォールを築く事は物凄く皮肉と感じた
当初、日本国内の検索エンジン(ヤフー等)で米軍の資料を調べようと思ったか、古くて浅いデータしか出てこないため断念した
p.adminは飛行機好きで米軍の戦闘機爆撃機はある程度把握しており、
秋葉原のミリタリー専門の書店では優先的に米海軍の資料を漁っている最中に
背後から声をかけられた!
p.adminが後ろに振り向くと、いつもいる日本側のSPも警察官も居なくて
一気に警戒モードに入った
(海尉:p.adminに声をかけた人、後に潜水艦「そうりゅう」搭乗員の2等海尉と判明)
p.admin:
「何か御用でしょうか?」
海尉:
「もしかしたら米軍の潜水艦についてご興味があるでしょうか?」
p.admin:
「ええ、ちょっと野暮用で」
海尉:
「自分は潜水艦に詳しいと自負しているよ、教えましょうか?」
p.adminは「こいつちょっと怪しいな、ちょっと試そうか」と思い、目の前の男を試す事になった
p.admin:
「ちなみに誰の命令を受けた?」
海尉:
「いえいえ、ただオタク同士で仲良くしようと」
p.adminは即座にドローンを召喚し、非接触ポリグラフテストを目の前の人に行った、
結果は「嘘なし」の判定
p.admin:
(よく訓練を受けたエージェント?もしくは「オタク同士で仲良くしよう」の部分だけは嘘なし…それにしても偶然すぎる)
p.admin:
「では場所を変えようか、一旦外に出ても良い?」
海尉:
「良いですよ!」
p.adminが彼が秋葉原の大通りに出たら、巻き込み事故を避けるため人がいない公園まで歩いた
p.admin:
「ここからちょっと移動しますけど、驚かないでくださいね」
次の瞬間、異星ドローンのワープ転送でp.adminとオタクの男(例の2等海尉)が月面基地の玄関口である負圧ベイに出現した
負圧ベイ空気があるため危険はないが、
ドローンのワープと同期する為、負圧ベイを守るシールドは一瞬解除する必要があり、気圧は最大50hPa程変動する場合がある
普通は最低限の気圧対策をした上に移動するが、二人はそうしなかった(ゴーグルと耳栓装着等)
海尉:
「ここは!?風強ょ!耳痛い!」
二人が到着後、負圧ベイが直ぐ様にシールドが展開し、内部の気圧が安定した
ようやく周りを見る余裕ができたオタクの男は、窓から青い地球が写っている景色を見て驚愕した
p.admin:
「楽園島の月面基地へようこそ、私は実行官のp.adminと申します」
海尉:
「そうか!そうきたか!キタコレ!自分は潜水艦『そうりゅう』搭乗員の2等海尉です、p.admin殿と知らず大変失礼した」
p.admin:
「本当に日本政府からの接触任務などは受けてないかな?」
海尉:
「いえいえ本当にないです!自分はオタクですから非当の休暇中は週末は秋葉原のミリタリーショップに回るのが趣味で、
お宅を背後から見て雰囲気がこの道の仲間っぽいと思ったから、勇気を出して声をかけてみただけです」
(ドローンよる非接触ポリグラフテスト:嘘なし判定)
p.admin:
「本当にこんな偶然もあるのか…世界が狭いというか、奇跡というか…」
p.admin:
「正直で言いましょう我が楽園島は数日内で米海軍空軍と大規模武装衝突になる可能性が高い」
「もし海尉殿に何かしらの知見があればぜひ教えてもらいたい、もちろん貴官の職務規程を尊重すべく、機密情報は求めない」
海尉:
「一般公開資料の範疇で良いなら…」
そして、2等海尉を月面基地内で案内しながら、米軍空母の弱点と原子力潜水艦の弱点を色々教えられた(彼の独自の推論の物も含む)
#### 月面基地の蒼龍
2等海尉は、p.adminに案内されながら、月面基地の広大な空間を驚きの目で見つめていた。窓の外には青く輝く地球が見え、
彼らが今いる場所が紛れもない月の上であることを証明していた
p.admin:
「…で、これが月面基地の医療ベイです。ここで、地上の病に苦しむ人々を治療しています」
海尉:
「これは…すごいな。こんな技術があるとは…」
なお楽園島は現在、医療ベイ500台が設置され、病気の善人達の継続的な治療を行っていている
そのためにボランティア約50人が滞在させている
以前リストアップした3万人の善人救助は終わったが、それでも重篤な病気に苦しまれる善人が大勢居て、
ボランティア達の共同判断で彼らを月面基地に呼び寄せて治療を受けさせている
定期治療だけで足りる人は月面基地で暫く生活する事となった
海尉:
「話は戻りますが、p.admin殿の主な敵は米海軍と空軍とのこと。特に空母を攻略したいのなら、まずは彼らの『目と耳』を潰す必要があります。」
2等海尉は真剣な表情で語り始めた。彼は、自分の知識が誰かの命を救うかもしれないと理解していた
海尉:
「空母打撃群は、艦隊の周囲をイージス艦や駆逐艦が守っています。レーダーやソナーで広範囲を警戒しているため、簡単には近づけません。しかし、艦隊全体を常時監視しているのは、早期警戒機E-2Dホークアイです。これを無力化できれば、艦隊の視界を奪うことができます」
p.admin:
「早期警戒機…なるほど。でも、彼らは常に空母の近くを飛んでいるので、接近は困難でしょうね。」
海尉:
「そこがミソです。ホークアイは、無人機と違って搭乗員がいます。彼らを危険に晒すような戦術は、通常はとりません
「それに、彼らの通信は暗号化されていますが、p.admin殿の技術なら、通信プロトコルの解析は可能でしょう。彼らの指揮系統を混乱させるだけでも、かなりの効果があるはずです」
2等海尉は、さらに話を続けた。
海尉:
「それから、もう一つの弱点は原子力潜水艦です。米海軍の攻撃型原子力潜水艦は、深海でステルス性を活かした攻撃を得意とします。彼らを探知するには、日本のそうりゅう型のような高性能ソナーが必要です。しかし、深海では音波が複雑に屈折するため、完全に探知することは困難です。ただし…」
p.admin:
「ただし?」
海尉:
「p.admin殿は地球上のすべての核兵器は無力化されたと聞いています。潜水艦搭載の核兵器まで完璧に探知できる技術をお持ちであれば、彼らの『切り札』である原子力潜水艦を、最も安全に無力化できるはずです」
2等海尉の言葉は、p.adminの頭の中で点と点をつないでいった
彼は、これまで軍事的な知識が不足していることに焦りを感じていたが、目の前の男は、その穴を見事に埋めてくれた
***
会話を終え、2等海尉を秋葉原のビルの屋上に送還する時が来た。彼は名残惜しそうに、月面基地の景色を眺めていた。
海尉:
「本当にありがとうございました。こんな体験、一生忘れません」
p.admin:
「こちらこそ。海尉殿の知識は、とても役に立ちました。…これを、お土産です」
p.adminは、彼にヘルメットと低圧活動スーツを手渡した
p.admin:
「次に来る時は、耳が痛くならなくて済みますから」
海尉:
「はは、ありがとうございます!次があるなら、今度はもう少し、役に立てるように勉強しておきますよ」
海尉は苦笑いしながら、ヘルメットを抱きしめた。その姿は、単なるミリタリーオタクではなく、自身の知識と技術に誇りを持ち、それを大義のために使いたいと願う、一人の「蒼龍」そのものだった。
彼がワープで消えた後、p.adminは静かに一人、月面基地の窓から地球を眺めていた
日本政府との駆け引き、米軍の軍事的な脅威、そして予期せぬ場所で出会った一人の男
彼の孤独な戦いは、新しいメンバーもT先生H先生も居て、妻W子が居て、R子とS子もいて、そして目の前の男も助けてくれて
もう、孤独ではなかった
今回は秋葉原回?なのかな(笑)
ちなみにつくばからTX乗って秋葉原まで45分直結です




