DAY 1YR+150 ~ 1YR+180 2026/10上旬 R子とS子
アメリカへの報復が一段落に付き、p.adminはこれまで穴だらけの身辺安全対策に対して反省した
親友と親族さえもアメリカ政府に買収され、アメリカ低軌道衛星からのレーザー攻撃も事前に防げなかったからだ
人間不信となったp.adminは暫く執務室に籠り、自分が構築したローカルAIと異星タブレットAIと色々シミュレーションして防衛策を検討したが
それをを見たW子が「こんな仕事で夫は持たない」と考え、信頼できる親友を呼び寄せてp.adminの仕事に助ける事を考えていた
妻は独身の女性親友二人に声をかけた、R子とS子であった
R子、台湾人、台湾台北市在住、44歳、独身
R子は妻の中学生年代からの友達で夫婦と長く交流があり、頭はそこまで賢い訳ではないが道徳的完璧、大人しくしなやかな性格の持ち主で仕事にも生活にも真面目で取り組んでいた、現在は情報系の仕事を従事するがp.adminのような開発者ではない、2026年時点で44歳独身、見た目は少しだけぽっちゃり
特筆するとR子の顔立ちがとても日本人と似ていて、平安美人や大和撫子というイメージにピッタリのような顔で、現代の綺麗系の女子ではないが十分に容姿端麗の部類に入る
S子、台湾人、台湾台北市在住、44歳、独身
S子は妻の高校時代の友達、活発で社交的な性格の持ち主正義感が強く、ただ率直で思ったことをそのまま口に出すタイプなので時々言葉で人を傷つく
台湾の名門国立大学の経済学部卒で、卒後後台湾国営T銀行に入行、能力が強く達者で仕事は上手いが、行内政治に馴染まない為中々昇進しない
見た目が麗しくスタイルも良い為、30台前半まで異性にモテましたが彼氏歴は2名程、二人とも結局S子の性格が強くて性格の不一致が理由で分かれた、現在独身
R子もS子もこれまで台湾政府の監視対象になっていなかった
中国政府の民主化後、台湾政府もやや親p.admin的な態度を取り、彼女達の安全問題はないと妻のW子が考えていた
妻のW子がR子とS子に声をかけ新設した「政策グループ」に入ってもらい、
当面はホログラムで遠隔参加だが、週末は実際に楽園島で活動すると提案した
R子とS子は20年以上の知り合いですので、価値観と人なりは妻もp.adminも認め、信頼できる人と思った
p.adminは襲撃事件後酷い人間不信となり
若い男性は多少なりとも野心や出世意欲があり、同年代のp.adminの「異星の力」を見て、嫉妬や羨望で良からぬ事を企む可能性が高いと思った
実際に、同じく妻W子の親友のM子(既婚)も同窓のR子から噂を聞いて協力しようと申し出したが、夫が居ることでp.adminの人間不信に引っ掛かり、台湾政府との連絡役のみ任せた
M子の夫は自分の利益で動くリスクをp.adminが恐れているからだ
***
W子:
「あなた、こんなに仕事が多いのに一人では無理よ、R子とS子に声をかけたから近日中彼女達も島に来る、しかし彼女の本来の仕事もあるから平日は負担をかけないでね」
p.admin:
「そうか、R子は善良で大人しいから戦争や制裁関係は無理でしょう、暫くは楽園島内の内政運営に手伝って貰うかな…S子は、うん…銀行員だから経済に強い、色々相談したい所があるから会って話してみないと分からない」
週末になって
p.adminは異星ドローンのワープ転送で、子とS子を実際に楽園島まで招待した
p.admin:
「楽園島へようこそ、ほぼほぼ避難所みたいな所ですがくつろいでください」
R子:
「Azureさん、W子お久しぶりです…ワープで本当に一瞬で来ましたね、びっくりしました」
S子:
「ふん~これがワープか…確かに人類のテクノロジーじゃ無理だよね…W子お久しぶり、Azureもね」
W子を交えながらp.admin(Azure)が彼女達に楽園島の現状及び任せたい仕事の説明をしていた
p.admin:
「仕事してもらうなのでボランティアとは言えない、現時点で楽園島は裕福ではないけれど多少の資金がある、給料として月1万ドル、つまり30万台湾元で良い?」
週2日+α勤務で月1万ドル、30万台湾元、150万円、つまり年収1800万程度
一見とても美味しい仕事だけどp.adminもそれなりに考慮した上で金額を設定した、楽園島に滞在中アメリカの攻撃を受けたり、家族が拉致されたり、親友に裏切られりする可能性は確実にあるからだ
勿論p.adminも彼女が手伝ってもらう前提として、彼女達の親族を含め安全を徹底的保障するつもりでいた
楽園島の活動資金として、日本や協力者の水産卸会社に卸した水産品や、臨時収入の海底ダイヤモンド原石や砂金の買取金で、総計が約160億円(1億ドル+α)程度があった
楽園島内に商業もなく、避難民が欲しい生活用品や嗜好品は主にボランティア達が家族単位で聞き取り、日本やアメリカに在住した協力者が現地の口座で物資を仕入、そして異星ドローンのワープ転送で楽園島に搬送してもらった
ご想像の通り、160億円相当の資金はp.adminの個人口座ではなく、ボランティアの個人口座や協力会社の口座に分散されていた
いざ裏切られて持ち逃げられてもしょうがないみたいな状況ですが、ボランティアも協力者も厳しい「善人」基準をクリアした年配の方なので、少なくとも以前の政策提言コミュニティの奴らよりも余程信頼できる
R子:
「え?1万ドルって30万元?一ヶ月?一年の間違いではなく?多すぎますよそんなの貰えないよ、私も平日は仕事で週末か休みの日しか手伝えないよ」
S子:
「Azureさん太っ腹ね!実際に腹も太いけどね、R子、30万元はアルバイトとしては破格だけど肩書次第で妥当かもしれないよ、たとえば国の閣僚レベルだと毎日出勤しなくてもこれくらいは貰うよ、後はね…ここはアメリカに狙われるでしょう?そのリスク手当としてもね」
p.admin:
「流石にS子は私の意図を良く理解できる、そういう事だからR子も気にしないでくれ、給料を溜め込んで家を買う資金にする方も使い道の一つだよ」
R子:
「分かった、弟はいずれ結婚して奥さんと一緒に私が今住んでいる実家に来るので、私もいずれ独立して家を買うために前から貯金している、この給料はとても助かる」
W子:
「R子、S子、貴方たちの知った通り私は人の前に出るのが苦手、人に合わない仕事ならやるけど、表に出るような仕事は君達に任せるね」
R子:
「私もそんなに人と接するのが上手くないよ、しかも避難民やボランティア達は皆外国人でしょう、私も英語はそんなに得意じゃないよ」
S子:
「私はTOEICが900点取ったから英語に自信あるけどね、R子重要なのは英語が上手ではなく姿勢よ、英語が下手でも親切に説明して向こうの話を聞く方が大事、銀行の窓口もそうだよ」
p.admin:
「へ…TOEICは900点も取れるんだ、英語については心配しなくて良い、こちらの異星タブレットを全員分に配るので、Google翻訳よりもリアルタイムで正確な多言語通訳はしてくれますよ」
p.adminは言いながら、異星文明に要請した追加分の異星タブレットをR子、S子に一台ずつ手渡した
因みにp.adminは数年前TOEICを受験し、初めての受験で時間配分が下手で全問を解けなくて700点前半しか取れなかった
S子:
「このタブレットは画面がないね…あ、ホログラムになるんだ、操作は…?」
p.admin:
「操作はタッチと音声認識のどっちでも良いよ、音声認識はChatGPTの強化版と考えて良い、AIの口調は簡潔だけど」
「あとタブレットの裏には異星ドローンの状態に繋がっているから、今回の仕事で君たちにそれぞれ異星ドローン10台の非殺傷利用権限を譲るよ、例えば自分ワープで台湾⇔楽園島間で行ったり来たり、物を運んだり持ち上げたり、要救助者を見てシールドを展開して保護したり、医療ベイを設置したり、周囲を警戒させたり…一方的な会話だけではなく、条件を設けて自律動作させたり報告させたりする等、色々できますよ」
S子:
「待って、一気に話しても把握できないよ、異星タブレットと異星ドローンの機能や利用方法を文書化して頂戴ね、R子もこれが良いでしょう」
R子:
「はい、できればお願いします…」
p.admin:
「ご心配なく、操作方法のpdfファイルも異星文明謹製チュートリアル動画もその異星タブレットに入っているよ、音声で指示すれば表示してくれる…異星ドローンの操作方法の練習は楽園島にいる間で色々やってみてね、危険に繋がる操作はフィルターが掛かっているので、よほど危ない命令じゃなければ問題ないよ」
その後、p.adminはR子に内政関連の仕事に手伝ってもらい、現在楽園島の運営に関わっている数名のボランティア達との顔合わせも済ませた
S子は自分の志願で楽園島の経済、資源、水産物の取引中心に見て貰って、元々はp.admin協力者が立ち上がった会社としか取引しないが、
S子は「経済は他人に頼ってはいけない」と一点張りで、現状を変えなくても主導権を握る方が大事とp.adminを説得した
p.adminもS子の主張が間違っていない事を理解しており、日本やアメリカの協力者や協力会社との会談を組み込んだ
ちなみに、R子とS子の「給料」は100ドル札の現物で手渡し予定でしたが
台湾では海外収入の免税額が高い(3600万程度)とは言え協力会社から振り込むと情報機関も動く可能性があるので、
S子はこの辺の事情が詳しいらしく、さらに「金地金の現物」として貰えないかとp.adminに聞いてきた
結局、R子とS子に支払う給料は金地金を使っていた、毎月支払うのは面倒くさいので年間報酬の先払いで100g x 12本で一年分の給料を彼女達に渡した
後でS子から聞いた話だが、銀行側がそれなりに多額の100ドル札を買い取るとマネーロンダリングの調査が入るらしく、
札の番号で出所をアメリカと照らし合わせるので、場合によっては協力会社に迷惑をかけるらしい
p.adminはS子が来てくれてよかったと思った瞬間でした
著者視点:
ep.22でようやくヒロイン達が登場しましたね(*‘ω‘ *)
しかしハーレムになるのはもう少し時間がかかります
裏話を少しネタバレすると、p.adminはかなり前からR子の事を気になっていた
p.adminはW子と結婚20年だが、付き合い初めは2026年時点でもう25年も前
付き合い始めたW子が真っ先にAzure(p.admin)に紹介した親友はR子でした
AzureとW子、R子の3人で色んな所へ遊びに言ったり、家でまったりして話し合いしたりもして
いつの間にかAzureもR子の善良な性格に惹かれ、彼女の事を好きになっていた
もちろん当時W子と付き合いしていて、モラルを守り矩を踰えるような言動は一つもなかった
S子はW子が2番目にAzureに紹介した親友で、最初はAzureがS子に見下されてる「平凡な男」と言われてW子との付き合いはSがあまり賛成しなかった
そのせいもあって、Azureは当時のS子に少し対抗心を燃やして、意地でも良い会社に就職したり、良い大学院に進学したりしてS子に見返したかった




