DAY 130 2025/7下旬 異星人との会話
情勢が日々変わる中で、p.adminは異星文明と会談する事を決めた
異星文明とのホログラム会談で、初めて姿をみせた「ポルポ・カラマリ人」は進化した二足歩行のタコの姿で、表情が穏やかで穏健派の見た目でした
p.admin:
「今までの行動を採点してほしい、評価指標は把握したい」
異星人:
「ロシア軍押し出し90点、中東アジア女性の避難ボタン85点、医療支援65点、核兵器没収85点」
「ロシア軍押し出しは限られた時間の中で人知としてはほぼ完璧な解で我々が高く評価する、避難ボタンも場当たり的解決ではなく根本な改善を目指す所に高評価」
「医療支援は協力体制を作り出すことが必要を我々は理解するが社会を分断させたがで懸念点、ただ実質損害を与えないことと、救えた善良な人が多数も評価点」
「核兵器の没収は本来我々がやるべき仕事であり、君の決定で犠牲者がなく全ての核兵器を地球から一時無くすことができて感謝する」
p.admin:
「ここまでしたら君たちは惑星サイズの宇宙船を月軌道に表し直接介入を選んだ方が良いではないか?」
異星人:
「我々からの直接介入は存続危機的な状況のみ限定される、君による変革は「人類自らの選択」で意味合いが違う」
p.admin:
「私の理解では、人間社会の混乱は歴史文化的な過程もあるが根本的な原因は闘争心のあるDNAと理性は生物本能を抑えきれない、なぜその根源を断つことはだめなのか?」
異星人:
「我々が人類DNAを改造して「解」を導くと、実質人類を滅亡させたと同義」
p.admin:
「つまり君たちが保護したいのは進化の過程であり進化の結果ではないでしょうか?」
異星人:
「条件付きで同意」
p.admin:
「私をアシストするボランティア達は教育と異星技術の開示の重要性を提案してきた、私も教育が重要だと思うが
西側諸国を始めとする民主な国の教育体制は近年は既に大幅に自由民主と科学教養を取り入れたが、
それでも個人の勉強、受け入れの差が出て効果が出るのは何十年も要する
君たちが私に与えた権限の規模からすると、より短期的な解決策を試験的に引き起こすと予想する
でないと40代の私の健康寿命は残り約40年で、教育等の緩やかな手段を選ぶと短期(20年単位)効果は出にくい」
異星人:
「我々の医療支援はアンチエイジングも含まれる、やり方次第だが人類の平均健康寿命を200年程度に引き延ばすことも可能、なお、現時点の人類文明では、彼らに反重力技術を開示すべきではないと我々が判断、アメリカのエリア51は1970年代からすでに他の異星文明の飛行器残骸を用いて反重力の研究が始まった」
p.admin:
「私に一生をかけて君ら異星文明の任務に勤めろってこと?流石に私も休息と安穩なリタイア生活がほしい
さらに、アメリカの学者達も彼らに任せろと声明を出して、専門領域的には私のような情報研究者よりも彼らが適任するではないか?
アメリカ自身が反重力の研究は成功しても、核兵器没収のように抑制すべきでしょうか?」
異星人:
「アメリカ学者達の声明は我々も認識したが、彼らは最初から選定基準から外れていた、なお、君の今までの行動の迅速性と有効性は彼らより優れると我々が判断した。アメリカは既に初歩的反重力技術を所有を認識しており、ただ他の異星文明の残骸を再利用するのみで自らはまだ製造できていない、彼らが反重力の技術を暴走させようとした時に、我々は即時介入する」
異星人:
「君個人の幸福と生活保障は、我々が何らかの形で保障と支援を約束する」
p.admin:
「であれば、私の提案は人類現有の技術範疇で、10年かけて人類の平均IQを20程度高めることを提案する
人類の賢くなると、本能はどうであれ理性と論理的思考が勝ち、より持続可能な長期利益を求めると予想
例えば北の将軍である金正恩は絶対たる王様だけど、自国の自由文化が皆無で繫華街もなく寂れた国しか有しない
こんな王様はもう少し賢くなると、つまりより遠く見えると、自分は王でありながら開明な政策を行い社会全体を豊かにするだろう」
異星人:
「DNA改造なしの平均IQの向上は我々の進化史の中にも自然に起きた、
しかし人為的引き起こすとその影響を慎重に見極めるが必要、君が実行中の『善人選択』の範疇で、弱き善良の人達に力を付ける事は妥当であろう」
p.admin:
「弱き善人を対象ね…君らポルポ・カラマリの歴史や他文明との関わりでは、利己的な本能を持つ種族が高い知能を獲得するとあえて害を為す例はありますか?」
異星人:
「詳細は現段階で開示できないが、利己的な種族が高知能を獲得すると自滅まだは他の惑星へ侵略する傾向はあります」
p.admin:
「そうですが残念です…しかし高知能だと高い理性でもっと長い期間の最大利益を追及し、これが広義的善に近いと私が予測しますが」
異星人:
「局所最適解的な最大利益と見て、他のローテクノロジー文明を侵略しリソースを食い尽くし、何万年後また別の惑星を侵略する種族も存在する」
やはり、高知能=理性=広義的善はあくまでp.admin(Azure)の希望的観測でしかなかった
p.admin:
「楽園島の現段階には食料自給率の問題がある、今までは協力者の支援や寄付でなんとかなったが、自給自足の観点からアドバイスはありますか?」
異星人:
「我々ポルポ・カラマリは遠い昔海洋生物から進化してきたので、母になる海から恵みを取れば良いでしょう」
p.admin:
「ドローンに命令して水産物を捕るという意味合いでしょうか?」
異星人:
「運用方法は君に任せるが、ドローンに命じてれば正しく実行されるでしょう、水草類は月面基地と同様に栄養スムージーを作るには適している」
p.admin:
「確かにこの観点から自給自足できるが、人類は陸の生物なので麦と米、麺とパンを食べないとQoLが著しく低下してますね、捕った水産物で取引でもしますか…」
重要なトピックはもう残ってなかったので、p.adminとポルポ・カラマリ人の会話は終了した
ポルポ・カラマリとの協議で、これからの方針は以下二点
1.善人に向けてIQを高める方法を検討 → 医療ベイにて脳神経接続を活性化し、平均的にIQ10~20程度を高める、DNA改造なし、遺伝もされない
2.楽園島周辺の水産物リソースを利用 → 経済的自給自足観点なら、他国と取引が必要だが、シェルター保護者への提供も出来て今まで支援者の負担を減らせる
いままで「重症な病気を持つ善人」だけを選別して医療ベイを用いて救助できたが、それが約3万人
しかし「全ての善人にIQを高める」になると、全人類の20%が広義的善と定義すれば軽く10億人を超えて、ローテーションで医療ベイを利用させても一握りの人しか受けられない
とても現実な話ではないので、やはり今まで救助、治療できた人々を対象に試験的にIQ高める医療を提供し、効果を見て徐々に拡大するしかない
IQ高める医療は、異星タブレットの説明によると週一回のペースで医療ベイで約20分間の治療を受け、一年目途でIQ10~20程度を高めると見込められる
であると医療ベイ1台では24時間のローテーションを入れても48人しか治療できない、
一週間だと336人…一つのシェルターに医療ベイを一台設置しても全員まではカバーしきれない、勿論医療ベイの最大数である5000台をフル稼働したらそれなりの人に提供できるが、現状医療ベイの利用方法を慣れるボランティア達も1000人しかいないから到底無理
結局IQを高める対象を「善人の誰をにすべき」はp.adminを悩ませた
IQが低い順から治療すると、それは正真正銘の「治療」で、IQ90の人がもしIQ110に向上できれば生活はかなり改善されるだろう
元々IQが高い善人を治療すると、例えばIQ130以上の高知能組を例えIQが10しか高めなくてもその差は十分に世界に変革をもたらす
「弱き者」を救えるか、「善」に力を付けるか、功利主義的には後者がベスト、ポルポ・カラマリへの提案もこれを反映してる
なお、IQ向上案は妻のW子にも話して、彼女からは反対された
W子:
「あなたが出来る事は局所的介入、最悪の事態を防ぐくらい…自惚れすぎないで!」
p.admin:
「そうだよね、間違えても野心のある人に力を与えると大問題になるので、賢い人であれば客観のデータで善人になりすまし事も可能でしょう…そうなると治療を求める富裕層みたいに『知能』が欲しくて金に物を言わせて『公開データ上の善人』になる事も難しくもない、審査しても100%見通せるかもしれないがそこまで選別にコストも時間もかけられない」
「どっちにしろ慎重に考えないと社会の分断を引き起こす事になりかねないので、一旦保留だな」
p.adminのIQは144あるが、IQの有用性は自分から一番理解しているのでまずp.admin自身が被検体として楽園島の医療ベイでIQ向上の治療を受ける事となった
他の人向けは緊急性も低いので、当面はIQ向上案は手持ちの札一つとして秘めておこうと決めた




