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D-DAY+163 2027年6月上旬 黄金の誓約と金色のパスポート

昨夜はp.adminとS子は早めに就寝し、イギリス朝6時に起きていた頃には、既にN君からの返信が来ていました

ベッドのサイドテーブルに置いて異星タブレット端末には、ホログラム表示による着信情報が点滅されていました


N君(ホログラム通信ビデオメッセージ):

「朱雀陛下、イギリスとの国交締結の件、主要幹部のスケジュール調整が完了しました。イギリス側の提案通り、一週間後(本日より6日後)の日程で問題ありません。これに先立ち、私も本日のUTC AM 9:00にバッキンガム宮殿を訪問し、実務的な調整に入ります。詳細は後ほど」


メッセージを見終えたp.adminは、窓の外を眺めながら小さく息をつきました


p.admin(朱雀 椿):

「そうか……一週間後か。社交ダンスの特訓に条約の最終調整、それに当日『イギリスへどうやって来るか』という移動手段の演出も考えないといけないな」


S子さや:

「それより貴方のダンスよ! まだ一回しか練習してないのよ? それに私とW子、R子のドレスの新調も急がないと。いつも同じ服を着ていたら『朱雀王家は金欠なのか?』なんて噂を立てられちゃうわ」


p.admin:

「……まさか、一度着たドレスは二度と着ない、みたいな縛りがあるのか?」


S子:

「そんな極端な話じゃないけど、国交締結式典は国のプライドが掛かっているのよ。ウクライナで披露したドレスを、イギリスの正式な晩餐会でまた着るのは、外交的には『二番煎じのお古』と思われかねないわ。少なくともフォーマルの場では、大幅なアレンジか新調が必要よ」


p.admin:

「君たちの意思は尊重するが、私はその話には乗らないよ。スーツも嫌いだし何着も持っても意味ないし、ましてや燕尾服なんて絶対にNGだ。デブがあんな服を着ても滑稽なだけだからね」


p.adminにとって、仰々しい礼服や、由来も分からない勲章、肩から下がる飾緒(縄)などは、違和感の塊でしかありません

「その勲章、誰から何の功績で貰ったの? 自称?」と突っ込みたくなるのが彼のエンジニア気質でした


S子は苦笑いして反応した


S子:

「まあ……貴方はいいわよ。あえて慣習に従わないのが貴方のスタイルだし、それが逆に神秘性を高めている面もあるから。その代わり、私たちがしっかり体面を保ってあげるわ!」


* AM 7:00 朝食会


朝7時、二人は使用人の案内で朝食会へと向かいました

出席者はカミラ皇后陛下、キャサリン王太子妃、英外務大臣、そして大典侍の4名。チャールズ国王陛下は早朝からの公務で席を外していました


和やかな食事の最中、カミラ皇后陛下がp.adminへ優しく語りかけました


カミラ皇后陛下:

「朱雀陛下。外務大臣から、例の『報酬』……の話を聞きました。貴方が何よりも家族を守ろうとしているそのお気持ちに、深く感服いたしましたわ」


カミラ皇后陛下:

「貴方方は、私たちにとってもはや家族同然です。もし万が一、何かあった時には迷わず頼ってください。イギリスは、そしてウィンザー家は、貴方方の味方となることを約束します」


p.admin:

「皇后陛下、寛大なご回答に心から感謝申し上げます。これで、私の肩の荷が一つ降りました」


続いてS子が外務大臣へ正式な回答を伝えました


S子さや:

「大臣。楽園島の外交担当と調整し、国交締結式典は提案通り、今日から6日後に実施することで合意しました」


英外務大臣は喜色満面で回答しました


英外務大臣:

「それは素晴らしい! すぐに準備に取り掛かります。今朝、貴国のT大使からも、貴国の外交事務方トップであるN外交官が9時に到着されると伺っております。実務的なスケジュールは彼と詰めさせていただきます」


AM 7:30、朝食会が開きとなる際、カミラ皇后陛下がp.adminに告げました


カミラ皇后陛下:

「チャールズは、朝8時に執務室で朱雀陛下とさや妃殿下をお待ちしております。昨日の報酬の話も含め、彼から直接お伝えしたい大事な話……いわば、私たちの『誠意の形』があるようですわ」


p.adminは背筋を伸ばし、「ありがとうございます、伺わせていただきます」と答えました


#### 黄金の誓約と金色のパスポート


朝8時前


p.adminは珍しく窮屈なスーツに身を包み、S子と共に大典侍の案内でチャールズ国王陛下の執務室へと足を踏み入れました

そこは、重厚なマホガニーのデスクと数世紀にわたる歴史が刻まれた肖像画に囲まれつつも、現代の政治を動かす事務方たちの熱気が混ざり合う、独特な空間でした

デスクの後ろにはチャールズ国王陛下が座り、その隣には次代を担う王太子殿下が毅然とした態度で立っています


左側のテーブルには、外務大臣、外交官、そして普段の宮廷では見かけない内務省や法務関係と思われる専門職の職員たちが、静かに控えていました

p.adminとS子の入室を見て、チャールズ国王陛下は穏やかだが、確固たる声で話しかけた


チャールズ国王陛下:

「朱雀殿、さや妃。外務大臣から貴殿の願いを聞きました。私と妻のカミラ、そして政府は、貴殿の要望に全力で応じることを決定しました。J首相も、この『保険』の構築に全面的な協力を約束してくれました」


* 五つの守護:Letters Patentの全容


国王陛下は、卓上に置かれた羊皮紙の文書を指し示しました

そこには、イギリスが提供できる最高度の保証が記されていました


【イギリス王室による特別保護プロトコル】

1.名誉国民パスポートの発行: Letters Patent(国王の特許状)に基づき、所持者が英領土に足を踏み入れた瞬間、自動的に王室の直轄保護下に置かれる

2.永久領地の付与: 王室が選定した別荘地を買い取り、朱雀一家の永久所有地として譲渡する

3.Extended Royal Family(王室準構成員): 王室メンバーに準ずる外交・政治的保護プロトコルを適用する

4.次代への継承: この保証はウィリアム王太子が即位した後も、永続的に遂行される

5.楽園島幹部への庇護: 主要幹部にも特別永住権を即時発行し、有事の際には政治的庇護を提供する


国王陛下と王太子殿下が、まずその重厚な文書に万年筆を走らせました

続いてp.adminとS子が「Party: Isle of Paradise」の欄にサインを記します

最後に外務大臣が証人(Witness)として署名し、二通の原本が完成しました


一通はp.adminへ、もう一通はバッキンガム宮殿の公文書館に永久保存されます

p.adminは国王と固く握手を交わし感謝の意を述べた


p.admin:

「私と家族だけでなく、共に歩んできた幹部たちにまで配慮していただき……国王陛下の計らいに、心から感謝いたします」


チャールズ国王陛下:

「朱雀殿。貴殿の人なりを見て、政治抜きにしても力になりたいと常に考えていました。今までは助けられる一方でしたが、ようやく私の『誠意』を形にでき、光栄に思います」


* 金色のパスポート:Extended Royal Familyの証


調印後、傍に待機している外交官が口を開いた


英外交官:

「今から、朱雀陛下及びにさや妃殿下のパスポートを発行致します、かおり皇后陛下とリコ妃殿下のパスポートは国交締結式典前にお渡しします、これでよろしいでしょうか?」


p.adminが同意したら、二人は執務室横の待機室へ案内されました

そこには既にプロ仕様の一眼レフカメラと照明がセットされており、パスポート用の写真撮影が手際よく行われました


約10分後。政府職員が恭しく二つの小さなケースを運んできました


p.admin:

「……これが、パスポート?」


手渡されたそれは、一見して通常のパスポートとは異質でした

表紙・裏表紙ともに、紙ではなく金色の金属板で作られている


表面: 中央にイギリス王室の紋章が精緻な浮き彫りで施されている

裏面: 浮き彫りの文字で以下の文面が刻まれている

「このパスポートの所持者はイギリスの名誉国民であり、あらゆる行政手続きにおいて優先的・礼遇的待遇を受けることを、連合王国国王が命ずる」

内部: 写真の下の氏名欄に誇らしげに記された特記事項

Name: Tsubaki Suzaku / Notes: Extended Royal Family

Name: Saya Suzaku / Notes: Extended Royal Family


S子はパスポートを指先でなぞりながら感想を漏らした


S子:

「Extended Royal Family……本当に、私たちの『保険』が完成したのね」


UTC AM 9:00前


バッキンガム宮殿の中庭のワープゲートが開き、楽園島外交事務担当のN君が宮殿の中庭に到着する時刻となった

p.adminとS子は、チャールズ国王陛下と王太子殿下に深く一礼し、執務室を後にしました

二人は足早に、新たな応接室へと向かいました。そこでは、実務面での「国交締結」という次なる戦いが待っています


※元の応接室は難病児の治療が続いている為、イギリス側とN君との打ち合わせは別部屋に行われる事になった


***


イギリスの朝9時。バッキンガム宮殿の中庭に、眩い光と共にワープゲートが出現しました。そこから現れたのは、楽園島の外交を支える二人の重要人物、T先生とN君でした


本来、イギリスとの国交締結の準備は日本大使であるT先生の管轄外だが、T先生は楽園島最古参の幹部、S子を除いて実質楽園の外交トップであり、てN君の直属の上司でもあるのでN君と同伴でやってきた

二人は応接室に案内されて、そこにはp.adminとS子の他に、英外務大臣、先ほどの英外交官、J首相の秘書官、そして大典侍が待機していました


※N君の役割:楽園島の外務1等参事官(外交実務担当)、時々p.adminの秘書役もやりますが、p.adminの秘書役はS子が積極的に行う現在、N君は楽園島の全体的な外交調整を従事している


T先生は落ち着いた口調で挨拶した


T先生:

「外務大臣殿、大典侍殿。本日は急な訪問を許していただき、誠にありがとうございます」


N君:

「外務大臣殿、朱雀陛下、さや妃殿下。6日後の国交締結式典に向け、細部を詰めさせていただきたく存じます。私は式典までこちらに滞在し、実務を完遂させる所存です」


N君は楽園島に移籍する前には、日系アメリカ人としてアメリカの外務省参議官として経験を積んでいたため、楽園島幹部の中にある意味外交の実務に一番詳しい人間とも言える

国交締結式典までは滞在するつもりで大きなスーツケースも引いて来た。T先生はブリーフケースだけ持ってきたので、恐らく本日中はp.adminとS子と一緒に戻る予定となっている


* SADA大使の不在と「優先順位」の波紋


応接室に移動し、議論が始まろうとした矢先、p.adminはあることに気づきました


p.admin(朱雀 椿):

「……ところで、SADA大使はどちらに? 本来、彼女がこの場にいるべきだと思うのですが」


英外交官は、少し言い難そうに視線を泳がせました


英外交官:

「……SADA大使は昨日、ご子息であるJay君の言語学校や高校の見学に時間を割かれ、本日は公邸での生活基盤を整えておられます。大使館の引き渡しも完了しておらず、本日の参加は難しいとの連絡が入っております」


S子はこの話を聞いて、氷のような冷たい声で反応した


S子さや:

「生活基盤……外交官としての職務よりも、私的な引っ越しを優先したということかしら?」


p.adminは深く嘆息しました。Jay君の学校見学はイギリス側が持ち出した「厚意」でもあり、SADA先生がそれに飛びつくのも理解はできます。しかし、一国の国交締結という大舞台で、大使本人が不在という現状は、S子の怒りに油を注ぐ結果となりました


SADA先生はこのポジションの適任性についてますます不安を感じたが、今から更迭するよりも、Lee先生の勧告で多少改善される事を期待するしかない。ただ、一日だけで二人の生活基盤や仕事を全て掌握するのはそもそも無理な話で、どちらを優先すると、どちらが疎らになるのは目に見えている…Jay君の学校の話は元々イギリス側が持ち出した話なので、この見方からするとSADA先生も明確な間違いはしていない


* 会場決定:バッキンガム宮殿の「ボールルーム」


気を取り直し、実務的なディスカッションが始まりました。N君のリードにより、式典と晩餐会の会場が決定されます


英外務大臣:

「式典はここ、バッキンガム宮殿で行い、その後の晩餐会は『ボールルーム(大舞踏会会場)』を使用する。これでよろしいでしょうか、朱雀陛下?」


p.admin:

「ええ。ここはイギリスで一番親しい場所ですし、馴染みのある場所でやる方が、緊張しなくて済むかもしれません(笑)」


* 国交締結条約:楽園島の「テンプレ」とイギリスの「特別条項」


議論の核心は、国交締結条約の細則へと移りました。p.adminは、T先生とN君に作成させていた「楽園島標準条項」をベースに交渉を進めます


【楽園島・標準条項(抜粋)】


1.ワープゲートを締結国で設置し、楽園島居民はビザ免除で入国でき、締結国に住居を持たない前提で一般活動できる

2.締結国大使とその外交官はワープゲートを通して楽園島へ訪問できるが、外交特権は持たず制限エリアへの進入はできない

3.締結国にて楽園島大使館の敷地または建物を提供することが望ましい、特別の場合を除き園島大使は締結国居民に対して楽園島ビザを発行しない

4.楽園島の裁量で異星文明由来技術を締結国に提供し、締結国有事や大規模自然災害が発生した際、楽園島は人命救助の観点から介入する

5.締結国と楽園島の協議の上で、楽園島幹部らの活動や、楽園島の航空機や軍用機の活動や移動は、既存のあらゆる国内法と国際条約を凌駕する

6.締結国が他の国、地域、種族、特定立場の人に対して侵略、迫害や抑圧した(言論統制やナショナリズム的な作為を含む)と楽園島が認定した場合、楽園島が締結国との国交を断絶する


簡単に言えば、楽園島の住民が自由にイギリスで活動できる代わりに、楽園島はイギリスに安全保障を提供するという、イギリスに有利なベースになっている

これまでの国々と同様でしたが、イギリスはさらに踏み込んだ「追加条項」を求めてきました


英外務大臣:

「加えて、以下の二点を追加したい。

第7条: バッキンガム宮殿に設置された医療ベイの恒久的設置。

第8条: 英連邦(Commonwealth)諸国への、最大3箇所のワープゲート開設権。運賃収入は折半。ただし、イギリス発着(例:日本直行便)のワープゲート運輸権は楽園島が独占し、収入も100%楽園島に帰属する」


S子は一瞬、計算するように眉をひそめた


S子:

「ワープゲートを3箇所も……管理コストとセキュリティのリスクを考えると、かなりの負担だわ」


p.adminは考え込みました。イギリスを将来的にアメリカに代わる世界の主導国として育てるには、英連邦というネットワークをワープゲートで再強化させるのは理にかなっています


p.admin:

「……認めましょう。イギリスが持つ国際的な影響力を、我々の技術で支えることは悪い話ではない。第8条も含め、合意します」


2時間半に及ぶ緊迫した交渉の末、ついに条約の骨子が固まりました


* AM 12:00:昼食会への案内


議論が一段落したところで、使用人が入室してきました。


使用人:

「皆様、昼食会の準備が整いました。大きなダイニングルームへご案内いたします」


p.adminとS子、そして戦いを終えたばかりのT先生、N君、そしてイギリス政府の面々は、ようやく肩の力を抜き、食事の席へと向かいました



#### サイドストーリー:SADA大使の「母としての24時間」


* D-DAY+162 AM 10:00:言語学校での熱弁

時間が少し遡って、p.adminとS子がイギリスに到着して暫く、SADA先生と息子のJay君が英外交官の案内でバッキンガム宮殿から離れ

バッキンガム宮殿でp.adminとS子は国王陛下の治療に立ち向かっていたその頃、SADA先生は息子のJay君を連れ、ロンドン市内の言語学校を訪れていました

案内役の英外交官は、スケジュールが気になり時計をチラチラと見ていますが、SADA先生の目は担当のA先生に釘付けです


SADA先生:

「A先生、Jayの英語はまだ台湾訛りが強いんです。華僑2世の貴方なら、彼の発音の癖を矯正しつつ、学術的な語彙を増やすカリキュラムを組めますよね?」


A先生:

「もちろんです、大使。まずは基礎を固め、イギリス式のスペリングと表現に慣れてもらいましょう」


Jay君は現時点で編入できないが、言語学校での模擬試験でieltsスコアが6.0程度になると、高校2年から編入されると言われた

その後、SADA先生は教材の一ページ一ページを細かく確認し、気づけば昼食の時間になっていました

SADA先生はJayに向かって話した


SADA先生:

「本当は、陛下たちと一緒に宮殿でランチを食べる予定だったんだけど……でも、貴方の勉強の方が大事だものね。今日はここでパパっと済ませましょう」


二人は、英外交官が予約したカジュアル風のレストランで昼食を済ませた


* PM 15:00:名門高校での「懇願」


午後は王室ゆかりの名門高校へ。将来的にJay君が編入する予定のクラスの担任と面談が始まりました


担任先生はJayに向かって声を掛けた


担任先生:

「Hello Jay, can you tell me about your favorite subject?」


Jay君:

「あ... I like... computer game... and... some sports...」


Jay君の英語は、アメリカ風のカジュアルな語彙が混ざり、文法ミスも目立つ、お世辞にも「名門校レベル」とは言えないものでした

担任は内心で頭を抱えますが、政府からの「楽園島関係者には最優先で対応せよ」という厳命を思い出します


SADA先生:

「先生、Jayは今はまだ実力が足りないのは分かっています。でも、9月の新学期まで待てません。せめて明日からでも、『聴講生』としてクラスの隅に座らせていただけませんか?」


担任先生は困惑したような顔で返事した


担任先生:

「し、しかし……まだ入学手続きも、正式な試験も……」


SADA先生:

「お願いします! この子の未来がかかっているんです!」


結局、SADA先生の熱量に押され、学校側は渋々聴講を認めました。その後も校長への挨拶、他の先生との面談と続き、学校を出たのは夕方5時

付き添いの外交官は、まだ大使館の鍵すら渡せていない現状に焦りを募らせていました


* PM 20:00:ロンドンの日常の始まり


Jay君の要望で日本料理店での夕食を終え、ようやくロンドン一等地にある大使公邸に到着しました


英外交官:

「……では、大使。明日の朝、またお迎えに上がります。公務の引き継ぎが山積みですので……」


SADA先生:

「ええ、お疲れ様……Jay、スーパーが閉まる前に洗剤と飲み物を買いに行きましょう!」


公邸の豪華な内装に目もくれず、SADA先生は「主婦」としてロンドンの街に繰り出していきました

彼女にとってこの日は、外交官としての初日ではなく、「ロンドン在住の教育ママ」としての初日だったのです


* D-DAY+163 AM 8:00:致命的な選択


翌朝。公邸を訪れた英外交官は、楽園島の関係者がイギリスに来る事をSADA先生に伝えます


英外交官:

「SADA大使、おはようございます。今朝9時、楽園島からT大使とN参事官がバッキンガム宮殿に到着される予定となります。この後、貴国の朱雀陛下や我が国の外務大臣を交え、国交締結の最終実務会談が行われます……当然、大使も出席されますね?」


SADA先生は昨夜、スーパーで買った朝食を準備しながら


SADA先生:

「……困ったわね。Jayを一人で置いていけないわ。もし彼も一緒に宮殿へ行けるのなら、行きますけど?」


その返答を聞いた英外交官は絶句した


英外交官:

「ご子息を公式の実務会談に……? いえ、それは現時点では不可能です。例え別室で待機させても警備上の問題もありますし……」


SADA先生:

「そう。じゃあ、私は欠席します。代わりに、Jayを連れて大使館の見学に行きたいわ。自分の職場くらい、この子に見せておきたいもの」


外交官としての義務よりも、息子の「社会科見学」を選んだ瞬間でした

英外交官は「SADA大使一家のお世話」という任務を受け、冷や汗を流しながらも、SADA大使をフォローするしかなかった


英外交官:

「……あ、承知いたしました。本省にはその旨、報告しておきます……(この人、自分が何を断ったか分かっているのか……?)」


こうして、楽園島の「イギリス外交の主役」であるはずのSADA大使は、歴史的な国交締結の交渉の場から自ら姿を消したのでした

お待たせしました

年末年始中は、投稿頻度を少し高めるように頑張ります


著者視点:SADA先生の「優先順位」がもたらす亀裂


SADA先生の行動は、悪意がないだけに周囲を絶望させます。彼女にとって「公務」は「生活を支える手段」に過ぎず、「息子の成功」こそが「人生の目的」なのです


外交官としての致命的ミス: 本来、N君やT先生を現地で出迎え、共に交渉のテーブルに着くことで「大使」としての地位を確立すべきでした

それを欠席し、子供の見学を優先したことは、S子からの不信感を決定的なものにするでしょう


イギリス側の困惑: イギリス政府は「楽園島」を尊重していますが、SADA大使個人の能力には早くも疑問符を打ち始めています

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