表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
118/121

D-DAY+158-159 2027年6月初 R子の心配とsada先生のイギリス大使就任

PM 15:00、仙洞御所からつくばに戻れたp.adminとS子は大使館近く洋食ファミリーレストランで遅れた昼食を取った

p.adminはハンバーグステーキを注文し、S子はスパゲッティを注文した


S子:

「まさかH親王は直接結婚の話を切り出した…あなたの答えは悪くないけれど、あの言い方はまるで私たち妻との約束はないとK子の嫁入りを歓迎するような良い草、正直私から聞いてもモヤモヤが残るよ」


p.admin:

「それは…ごめんなさい、咄嗟にもっと穏便な言い方が思いつかなくて、まさか『姫様はタイプじゃない』なんて言えないですよね」


S子:

「私はいいけど、あの言い方を聞いたらR子は絶対に泣くよ。今回は結婚の話はだましてあげるけど自分からボロ出さないでね」


p.admin:

「分かった…助かる」


S子:

「しかし、侍医たちもポルポカラマリのカリキュラムに参加するとは言え、K子様とM子様が参加する事でR子はある程度反応するかも、そこは覚悟しなさい」


二人は早めに昼ごはんを済ませて、つくば大使館のワープゲート経由で楽園島に戻って来ました


S子:

「R子に説得するのは骨が折ると思うけど、今夜は私の番である事を忘れないでね」


それを言い残して、S子は自分のマンションに戻って行きました


#### 楽園島の夜とR子の手料理


* 楽園島 PM 20:00 日本 PM 16:00


つくばのファミレスで昼食を済ませた後、p.adminとS子は楽園島へ帰還しました

S子は「今夜は私の番」と言い残して自宅へ戻り、p.adminはW子とR子の待つ自宅へと帰りました


時刻は楽園島時間の午後8時

夕食の時間は過ぎていましたが、R子はp.adminのために、温かい手料理とお酒に合うおつまみを用意して待っていました


R子はほっとした表情でp.adminを出迎えた


R子リコ:

「おかえりなさい、旦那様。日本の方々の対応、お疲れ様でした」


R子の報告によると、イギリスからの応援チーム(医師、連絡係、CAたち)のおかげで、患者の世話は完全に軌道に乗り、楽園島職員の負担は激減したとのことでした


p.adminは、R子が作ってくれた料理(彼好みの味付けの煮物や和え物)を口に運びながら、恐る恐る今日の出来事、特にK子様たちの件を伝え始めました

もちろん、H親王から直接結婚を打診された件は、S子との打ち合わせ通り、墓場まで持っていく覚悟で伏せました


* R子の懸念:既成事実化する未来


K子様とM子様(姉)が、週5日で楽園島に通い、ポルポ・カラマリの医療技術を本格的に学ぶことになったと聞いたR子は、箸を止めて曇った表情を見せました

R子は視線を落としたまま、口を開いた


R子リコ:

「……そうですか。K子様だけでなく、お姉さまのM子様まで……」


p.admin:

「ああ。彼女たちの熱意は本物だ。それに、今後の日英関係を考えても、皇室の方々が技術を理解してくれるのは悪い話ではない」


R子は小さく溜息をつき、不安を吐露しました


R子リコ:

「K子様は優しくて、善良な方です……この数日間の緊急対応で、それは私も身をもって感じました。とても尊敬できる方です」


R子:

「しかし……彼女は少しずつ楽園島と近づいて、既成事実的に幹部のような立ち位置になって……当時のS子みたいに……にはならないとは思うけど……」


R子の脳裏には、かつて「有能な事務方」として入り込み、やがて不可欠な存在となって妻の座を射止めたS子のパターンがよぎっていました

彼女は不安げにp.adminを見つめて


R子リコ:

「結局、周りの状況や政治的な理由で、旦那様は……彼女を妻として受け入れなくてはならない状況になるのを……心配です。相手は皇室の方です。断り切れない圧力がかかるのではないですか?」


* p.adminの線引きと宥め


p.adminはR子の隣に座り直し、彼女の手を優しく握りました。H親王からの圧力は実際に今日あったばかりですが、それを撥ね退けた自信と、R子への愛を込めて語りかけました


p.admin(朱雀 椿):

「R子、その心配はさせない。約束するよ」


R子:「でも……」


p.admin:

「まず、K子様たちが受けるのは『ネイビーゲーザー』の医療スタッフによる専門カリキュラムだ。場所は医療室や艦内になる。私がいる行政ビルやこの住居区画とは、物理的にも役割的にも明確に線引きをする」


p.admin:

「S子の時は、私の秘書や交渉役として常に隣にいたからああなった。でも、K子様はあくまで『留学生』だ。彼女がどれほど楽園島に入り込んでも、私は彼女を幹部や側近として扱うつもりはない」


R子:「本当に……?」


p.admin:

「ああ。それに何より、私は君たち三人の妻との生活を守ると決めている。たとえ相手がどこの王族だろうと、政治的な圧力がかかろうと、私の家庭に介入させるつもりはない」


p.adminはR子の手を強く握り


p.admin:

「私が『王』と呼ばれていようと、ここは私の国だ。誰を愛し、誰を妻にするかは、私自身が決める。これ以上、妻を増やすつもりはないよ。R子を泣かせるようなことはしない」


p.adminの言葉に、R子は少しだけ安堵したように微笑みました


R子リコ:

「……信じます。旦那様がそう言ってくれるなら。……でも、K子様は本当に魅力的な方だから、旦那様も鼻の下を伸ばさないように気を付けてくださいね」


p.adminは苦笑いながら


p.admin:

「肝に銘じておくよ」


こうしてR子を宥めたp.adminでしたが、内心では今日のH親王とのやり取りを思い出し、冷や汗をかいていました

そして、今夜は「S子の番」であるため、R子との団欒もそこそこに、S子の待つマンションへと向かう準備を始めました


#### S子との夜


R子を宥め、寝かしつけた後、p.adminは夜風に当たりながらS子の住む単身用マンションの前へとやってきました


建物の前に立ち、p.adminはふと気づきました


p.admin:

「そういえば、ここに来るのは初めてじゃないか?」


同じ楽園島内、しかも妻の家であるにも関わらず、別居形態をとっているため、まるで不倫相手の家を訪ねるような、奇妙な背徳感とドキドキが胸をよぎりました

カメラ付きドアベルを鳴らすと、すぐにロックが解除され、ドアが開きました


p.adminは恐る恐る中に入りながら


p.admin:

「ただいま……? それとも、お邪魔します……かな?」


S子は待ち構えていたように口を開いた


S子さや:

「どっちでも良いよ。早く入って頂戴」


S子に腕を引かれ、中に入ると、そこは45㎡ほどの1LDK。楽園島の標準的な単身世帯用マンションですが、

内装はS子の趣味に合わせて簡素でスタイリッシュ、無駄のない現代風のデザインで統一されていました


* 衝撃のコスチュームと「姫様」


リビングに入ったp.adminは、そこで待っていたS子の姿を見て、目を丸くしました


S子は、いつもの黒い業務用ドレスやパンツスーツではなく、淡いパステルカラーの単色の洋服に、同色の小さな帽子を被っていました

そのシルエットと雰囲気は、まさに今日会ってきたK子様やM子様が公務で着用する日本の女性皇族の正装そのものでした


p.admin:

「え? その服……どうしたの?」


S子は優雅に扇子のようなものを持ち、ツンとした表情でp.adminを見下ろしました

彼女は演技がかった高貴な口調でp.adminに命令した


S子さや:

「『え?』じゃないわよ。今夜は『姫様』とお呼びなさい」


p.adminは一瞬呆気にとられましたが、すぐにS子の意図――昼間のH親王の件や、K子様への対抗心、そして彼女なりのブラックジョークを察しました

彼はニヤリしながら言いました


p.admin:

「へえ……そういうプレイなんだ……。」


p.adminが面白がって近づこうとすると、S子は妖艶に微笑んで扇子でp.adminの胸を軽く制しました


S子さや:

「ルールを守ってくれないと、『ご褒美』はあげないよ……ご・主・人・様♡」


高貴な「姫」の態度と、従順な「妻」の呼び名のギャップ

それはS子なりの、皇室という権威への皮肉と、夫への独占欲が入り混じった、濃厚な夜の始まりの合図でした


* 事後の種明かし


(情熱的な「お姫様プレイ」のあと)


ベッドでくつろぎながら、p.adminは椅子に掛けられた例の服を指さしました


p.admin:

「しかし、よくあんな服持ってたね。コスプレ用にしちゃ、生地が本格的すぎないか?」


S子は満足げに話した


S子さや:

「ああ、あれ? 実はね、以前デザイナーさんに発注した、私の日常公務用の公式ウェアの試作品なの」


p.admin:

「ああ、なるほど……。」


S子:

「デザイン自体は上品で良かったんだけど、試着してみたらあまりにも日本の女性皇族の服と雰囲気的に似すぎちゃって。外交の場であれを着ると、日本の皇室を真似しているとか、変な誤解を招きそうだから蔵入りになっていたのよ」


p.admin:

「賢明な判断だ。今日の昼間のことがあった後だと、余計に洒落にならない」


S子は悪戯っぽく笑って


S子さや:

「でも、『家庭内』で使う分には、最高の再利用でしょう? K子様には悪いけど、旦那様をドキドキさせる役目は、私が一番じゃなきゃ気が済まないの」


p.adminは苦笑いしながら、S子を抱き寄せました

外交の重圧と複雑な人間関係を、彼女なりのユーモアと色気で吹き飛ばしてくれたS子に、改めて感謝と愛おしさを感じた夜でした


### D-DAY+159 2027年6月上旬 イギリス国交締結への道


* D-DAY+159 AM 9:00


楽園島の朝9時。イギリスの航空会社から提供された温かい朝食(ソーセージ、ビーンズ、卵料理の機内食パック)を食べ終えた数十名の患者たちが、イギリス側から派遣された看護師の案内で、医療ベイが並ぶ医療棟1Fの大ホールに集合しました


W子、R子、S子の三人の妻たちは、手分けをして患者の対応にあたりました

S子は流暢な英語で、テキパキと説明した


S子さや:

「おはようございます、皆さん。今日は二回目の治療セッションです。固形腫瘍がある方は、ナノマシンによる物理除去を行います。およそ3時間かかります」

(Good morning, everyone. Today is your second treatment session. For those with solid tumors, we will use nanomachines for physical removal. It will take about 3 hours.)


R子は優しく不安な患者に寄り添いながら補足した


R子リコ:

「心配しないでくださいね。機械が全てやってくれます。皆さんは眠るだけで大丈夫です。もし不快感があれば、システムがすぐに検知しますから」

(Please don't worry. The machine handles everything. You just need to sleep. If you feel any discomfort, the system will detect it immediately.)


W子は控えめだが、懸命にデータをチェックしながら


W子かおり:

「スミスさん……はい、免疫ターゲティング治療ですね。これは……軽い治療です。もっと早く終わります」

(Mr. Smith... yes, immune targeting therapy. This... is a lighter treatment. It will be over sooner.)


W子も不慣れな英語とホログラムパネル操作に苦戦しながらも、R子のサポートを受けて懸命に役割を果たしていました


この日はガン治療の患者が多く、ナノマシンによる腫瘍の物理除去が必要なケースが大半でした

一方で、一部の患者はNK細胞の量産や免疫ターゲティングのみで完治が見込めるため、S子たちは彼らを早期に帰国させ、社会復帰を促すと共に楽園島の負担を減らす計画でした


* 王室医療チームからの懇願


患者たちが医療ベイに入り、静かな稼働音がホールを満たし始めた頃、イギリス王室医療チームの医師二人(Dr. AとDr. B)がS子の元を訪れました


王室医師A:

「さや妃殿下。この機械の働きは……奇跡的です。お願いがあります。我々がこの医療ベイの操作方法を完全に学ぶことは可能でしょうか?」

(Princess Saya. Watching these machines work is... miraculous. We have a request. Would it be possible for us to fully learn how to operate these medical bays?)


王室医師B:

「さらに、このユニットを一定数、イギリス国内の適切な医療施設に常設していただきたいと強く要望します。この技術は共有されるべきです」

(Furthermore, we strongly request that a certain number of these units be permanently installed in appropriate medical facilities within the UK. This technology must be shared.)


S子は、その申し出を予想していたかのように、冷静に、しかし毅然と返答しました。


S子さや:

「お気持ちは理解します、ドクター。しかし、医療ベイの数は厳格に制限されています。さらに、我々の『異星テクノロジー管理ポリシー』により、現時点で特定の国に常設することは困難です」

(I understand your feelings, doctors. However, the number of medical bays is strictly limited. Furthermore, due to our 'Exotic Technology Management Policy', it is difficult to permanently install them in specific countries at this time.)


S子:

「現在バッキンガム宮殿に設置している医療ベイでさえ、王室の方々の治療完了後には回収する予定です。」

(Even the medical bay currently installed at Buckingham Palace is scheduled to be retrieved after the Royal Family's treatment is complete.)


これを聞いた医師たちは焦りの色を見せました


王室医師A:

「さや妃殿下!お願いします!ロイヤルファミリーの長期的な健康保障のため、バッキンガム宮殿の医療ベイはどうにかそのままにしてほしい!」

(Princess Saya! Please! For the long-term health security of the Royal Family, we beg you to find a way to keep the unit at Buckingham Palace!)


S子は困ったように返答した


S子さや:

「最終決定権は私ではなく、夫(p.admin)にあります。ご要望はお伝えしますが、お約束はできません。」

(The final decision rests not with me, but with my husband (p.admin). I will convey your request, but I cannot promise anything.)


S子は一旦その場を保留にしましたが、技術の独占と共有のバランスという難しい外交課題を改めて突きつけられました


* 治療終了と患者の戸惑い (PM 12:00)


正午になり、3時間の治療が終了しました。医療ベイのカバーが開き、患者たちが目を覚ましました


S子さや:

「治療は終了しました。腫瘍の物理的な完全除去を行いました。体力回復に努めてください。来週の全身検査の後、もう家に帰れます」

(The treatment is finished. We aimed for full physical removal of the tumors. Focus on recovering your strength. After a full body scan next week, you will be able to go home.)


患者たちは、あまりに呆気ない結末に戸惑いを隠せませんでした


患者C:

「本当か? 本当に治ったのか? こんなに簡単に?」

(Really? Am I really cured? Just like that?)


患者D:

「ガンは再発しないのか? 話がうますぎるような……」

(Won't the cancer come back? It feels too good to be true...)


不安がる患者たちの前に、王室医療チームの医師たちが進み出ました


王室医師A:

「皆さん、聞いてください。我々はさや妃殿下と共にデータを監視していました。腫瘍は消えました。スキャン結果は明白です。この治療を、そしてそれを推奨した王室を信じてください」

(Listen to me, everyone. We have monitored the data alongside Princess Saya. The tumors are gone. The scan results are undeniable. Trust in this treatment, and trust in the Royal Family who endorsed it.)


自国の権威ある医師たちからの「お墨付き」を得て、患者たちはようやく安堵し、涙ながらに互いの無事を喜び合いました。S子はその様子を見て、安堵の息をつきました


#### 懐かしい恩師との再会


* 楽園島 PM 14:00 日本時間 AM 10:00


楽園島の午後2時

sada先生は高校一年生の息子のJay君を連れて、台北松山空港から朝一番の羽田行き便を乗って朝9時で東京に到着しました

T先生の計らいで、到着ロビーで待機している日本外務省の職員にがsada先生を出迎え、sada先生と息子Jay君が公用車に乗りつくば楽園島大使館に到着した

つくばに到着したsada先生は初めて会ったT先生に挨拶し、その後T先生にリードされながら大使館屋上のワープゲートを通して、楽園島にやって来た


ゲート前では、元同僚であるH先生とLee先生が笑顔で待ち構えていました


H先生:

「Sadaさん!ようこそ楽園島へ。長旅ご苦労様」


Sada先生は元気よく返答した


Sada先生:

「H先生、Leeさん!久しぶりね。ワープって本当に一瞬なのね、まだ心の準備が追いつかないわ」


会議室に移動し、p.admin、S子、T先生、そしてホログラムでOka先生とMei子(フランス大使実習中)も加わり、顔合わせが行われました


p.admin(朱雀 椿):

「Sada先生、お久しぶりです。Azureです……いや、今はp.adminで朱雀椿と公的名前を使っています」


Sada先生:

「Azure君!元気そうで何よりよ。まさかあなたが世界の中心にいるなんて、当時の教員達でも誰も予想していなかったわ」


Sada先生は息子を促して


Sada先生:

「ほら、Jay。ご挨拶して」


Sadaの息子Jay君は大人しそうな雰囲気で、中国語で挨拶した


Jay:

「こんにちは。Jayです。よろしくお願いします」


一通りの挨拶が済んだ後、話題は自然とかつての職場である高専の話になりました


p.admin:

「学校の仕事はどうですか?後輩たちはちゃんとやってますか?」


Sada先生は少し寂しげに肩をすくめ、口を開いた


Sada先生:

「それがねえ……少子化が進んで、学校の存続自体も危ない状況よ。学生を選べない分、年々学生の質が落ちてしまって……Azure君たちが在籍した30年前とは、学習意欲も基礎学力も全然比べられないわ」


Lee先生も頷きながら


Lee先生:

「私たちもニュースでは見ていたけれど、やはり現場は厳しいのね……」


* イギリス行きへの決意と「夫」への質問


今後の身分についての話し合いに移りました


T先生(日本大使):

「Sada先生。まずは日本滞在のビザを取得されてはいかがでしょう?つくばを拠点に準備を進めるのも手堅いかと」


Sada先生:

「T先生、お気遣いありがとうございます。ですが、日本は帰省時の中継利用だけですので。住居実態がないのにビザを取得するのは遠慮しておきます。私と息子はイギリスへ直接行きます」


その決断の速さに、同席していたS子が感心しながら、イギリスの現状を説明しました


S子さや: 「わかりました。現在、イギリス政府とJ首相は、一日も早い国交締結を望んでいます。住居や大使館の確保、王室との関係構築など、やることは山積みですが、バックアップは惜しみません」


ここで、p.adminはふと疑問に思ったことを口にしました


p.admin:

「そういえば、Sada先生とJay君の話しか出てきませんが……Sada先生のご主人も一緒にイギリスに行かないのですか?」


その瞬間、隣にいたLee先生が鋭い視線でp.adminを睨みました

一方、Sada先生は表情を変えずに、あっけらかんと回答した


Sada先生:

「ああ、そのことね。Jayのお父さんに当たる人はいるけれど、その人は夫ではないの。だから、イギリスへは私たち親子だけで行きます」


p.adminは少し困惑しながら返答した


p.admin(朱雀 椿):

「あれ? ……あ、そうなんですね……。」


p.adminは自分の質問がデリカシーに欠けていたことを悟り、それ以上深く聞くのをやめました


* 即断即決と独自の道


その後、T先生が駐日イギリス大使に連絡を取り、イギリス側は「J首相に至急連絡し、1週間以内に大使公邸や大使館の建物を確保する」と即答しました


Sada先生:

「1週間ね。わかったわ。それまでに高専の退職手続きと、Jayの転校手続き、引っ越しの準備を全部終わらせるわ」


ウクライナ大使のOka先生はホログラム越しに提案した


Oka先生(ウクライナ大使):

「Sadaさん、もしよければ、イギリス大使就任前に、東ヨーロッパのウクライナで大使館の仕事を実習しませんか?Mei子大使のように」


Sada先生:

「Oka先生、お誘いありがとうございます。でも、私はイギリス側と直接交渉しながら、大使の仕事を模索してみます。現場で覚えるのが一番早いですから」


打ち合わせが終わると、Sada先生は楽園島に滞在することなく、Jay君と共にすぐにつくばへ戻り、その日の午後から駐日イギリス大使と移住の詳細を詰めるために去っていきました


* Sada先生の「先進的価値観」


Sada先生たちが去った後の会議室


p.admin:

「Sada先生は、S子みたいな行動力がありすぎる人とは思わなかったね。張り切ってると思うけど、もうちょっと慎重に進むべきかな……というのが感想です」


Sada先生を推薦したLee先生は苦笑しながら


Lee先生:

「Sadaさんは、息子に世界を見せるために必死なのよ……さっきのご主人の話だけど、Azure君。Sada先生は結婚したことはないからね」


p.admin: 「え?」


Lee先生:

「Jay君は、sadaさんの知人男性の協力で、その……子供ができて生まれてきたの。だから『お父さんはいるけど夫ではない』のよ」


p.adminは驚きを隠せずに口を開いた


p.admin:

「だから、お父さんになる人がいるけど夫ではない……と言ったのか。なるほど、選択的シングルマザーということか」


p.adminは、30年前の恩師が持つ、現代的で自立した先進的な価値観と、そのバイタリティに改めて驚かされるのでした

お待たせしました…イギリス国交への話は進みますが、著者としては物語のマンネリ化を心配していて

そろそろいい刺激が必要かもしれませんね

指摘によりイギリス「王室」に修正されます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
話の中で「皇室」という単語が出てきますが、イギリスの場合は「王室」が正しいと思います。日本の「皇室」とは別物ですし、混同の原因になります。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ