ハチ精霊とひみつの塔と女王 3
先ほどの、ロナルドお兄様が言っていた“出席したくなる様な名目”が気になったけど、エマニュエル様が手招きをしている。
「エマニュエル様、何か?」
「リーナ嬢、ブリジット嬢、我が屋敷に遊びに来ませんか?今なら丁度、スライムゼリーをご賞味いただけますよ?」
いきなりのお誘いにアルフレッド殿下と兄が物凄い反応をしている。
「殿下もお兄様も、そんなにスライムゼリーが食べたかったのですか?」
「リーナ嬢、殿下たちは明日までのセッティングで忙しいでしょうから、護衛と共に我が家へお越し下さい。そこならば、安全でもあり、ハチ精霊様の大好物も出せます」
あら、そんな魅力的なお誘い、飛びつくのは仕方が無いですよね?そんな視線で兄と殿下を見たら、米神に指を当てている。これは歓迎していない態度ね。
でも、護衛も同行して良いらしいし、病み上がりのブリジットにはちゃんとしたベットで寝て欲しいし、ハチ精霊様に変身するならもっとハチ精霊様の事を知りたいという気持ちもあるの。
「グラン様、エマニュエル様、よろしくお願いします。ブリジットは病み上がりですので、助かります」
「では、アルフレッド殿下よ、グレンたちと装置の設置をお願いしますぞ。私たちは、明日殿下の元に向かいますので」
私の手をグラン様が、ブリジットの手をエマニュエル様が引いて、緑のゲートを開けてロードライ公爵邸へと繋がる道を歩いて行く。
その後を護衛のレニとレイン、アッシュとリアが続いた。途中、レインが走ってアルフレッド殿下に耳打ちすると、急いで戻って来た。
「殿下、ハニエル殿、皆様の夕食は練習部屋に用意してあります、ちゃんと食べてくださいね!」
流石レイン、出来る男は違うとばかりに、細かい気遣いを見せるところが抜け目ない。
緑の蔦のトンネルを抜けると、美しい緑の光が差し込む庭園が広がって、その奥にお城が聳え立っている。石造りの城には所々に植物が咲き乱れて、花の城のような感じだ。
「綺麗なお城。まるで物語に出て来るお城みたい‥‥」
「ブリジット、身体は平気?食べている量がまだ戻っていないでしょう?」
夢見がちな彼女が、幻想的なお城の景色に走り出しそうになるのを、質問で押し留めてアッシュとリアに合図を送る。
そこまでしなくても、エマニュエル様がしっかり手を握っているので無茶は出来ないのだけど。夢見る乙女となったブリジットは、少しフワフワな感じで何をするか予測不可能なところがある。
これはお泊り会と称して、一番初めに泊まった時の彼女の話を聞いていて、少し危なっかしい一面を持っていると感じたからだ。
まぁ、今は百戦錬磨の六公爵の1人、エマニュエル様がエスコートしてくださっているので、怪我など起こるはずもないのだけど。
現に、先ほどからブリジットがふらりと行きそうになるのを、踊るような仕草でターンをさせて気付くと元の場所に居るようにしてくれている。流石だ。
読んで下さって、ありがとうございます。
毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。
貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。
誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。




