ハチ精霊様と聖属性化した治癒魔法 9
ハチ精霊から人間に戻ったけど、ローブは脱がないと見えないという事が分かった。
「アルフレッド殿下、装置は今夜設置する予定ですね?」
「そうだね、できるだけ早く結果をみたいからね」
「では、今からあの封印したペンの魔力波形も測定しておきませんか?私は今回と昔の事件が似ている気がするのです。特に残虐性や非道性が‥‥」
小さく頷き、殿下はグラン様とエマニュエル様に指示を出した。
「では、ペンは私とエマニュエルが持って装置を通ろう。その後、リーナ嬢に封印をしてもらうのが良かろうな」
「グラン元当主は雷属性の持ち主。エマニュエル当主は雷属性を持っていないからね、どちらも検証できるだろう?」
「グラン様の魔力量は大きいので、無効化はどうするのですか?」
自分がやると、アルフレッド殿下が笑顔で答えた。
リリアンヌ様があらかじめ結界を張って、私が封印を解くのと同時に殿下が結界内へと引っ張ってくれた。封印の箱から禍々しい悪意が広がり始める。
「父上、先に失礼します」
「エマニュエル様は大丈夫でしょうか、リーナ様」
「ブリジット嬢、当主方は心配いらない。ロードライ公爵の最も得意とするところが、結界と破魔なんだ。結界は分かるよね、破魔は魔を破る‥‥感化されない。悪意の類は、効き目が無いんだ」
代わりに答えてくれたのはリリアンヌ様だった。
精霊様との親和性が高い家だとは聞いていたけど、何となく納得がいった。
遠目から見ても暴走しそうなペンを、無表情で動かないように押さえつけている。ロードライ公爵の凄い魔力が感じられる。装置を通って、箱に仕舞うと手をハンカチで拭いている。
動いている装置が、徐々に魔力波形の形を象っていき、ハチ精霊様の羽にあった波形ととても似ているものを作り出した。
次にグラン様がペンを持って装置を通った。出た結果は、とんでもない三重構造の波形を生みだしていた。
「殿下もお気づきでしたか。雷属性を吸収した瞬間に作動する2つの土属性を」
「ハチ精霊様の犯人にもう一つの土属性の者がいる。おおよその検討はついているが」
「では、その者の波形も手に入れなければなりませんな」
殿下が、ペンが吸い取った雷属性を無効化して箱に入れた後、私に封印を促した。来たる時まで眠れと、強制的に封印して誰も開けられないようにした。
一つずつだけど、犯人の証拠は集まってきている。
もうこれ以上、犯人の好き勝手はさせないのだと、この場にいる誰もが心に思っていた。
ここまで読んで下さって、ありがとうございます。
貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。
読んで頂けることが、執筆活動の励みになります。
誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。




