ハチ精霊様と聖属性化した治癒魔法 8
「リーナ様、そのローブはどのような効果があるのでしょう?」
不意にハニエル様から質問されて、肩からかけてられたローブを見つめた。
「何も聞いてないです。聞く前に、帰られたので」
『リーナ、ちゃんと袖に手を通して祈ってみて?』
『精霊になれるよ!』
何処からともなく、マオリとカベルネが話しかけてきた。言われた通り袖に手を通してみると、ローブは見えなくなった。
「消えてしまいましたね。隠ぺい魔法がかかっているのでしょうか?」
ハニエル様とグレン様があれこれと推測している横で、リカとカオリが祈ってみてと飛び回っている。でも、何をどんなふうに祈れば良いか考えていると‥‥。
『それは精霊になれるローブだから、ハチ精霊になりたいって祈れば?』
静かな声でメルロに提案された。しかもちゃっかり効果まで教えてくれた。
「ありがとう、みんなの言う通りに祈ってみるね」
今までの事が無ければ荒唐無稽な話だろうけど、この世界は精霊の居る世界だから、無理そうな事でもできると思えてしまう。
まずは言われた通りに祈ってみよう。
体がだんだん温かくなって、軽くなっていくような感覚。眩しい光に包まれたかと思うと、視界に広がる世界の全てが大きくなって、感覚が微妙に変わった。
『リーナ、仲間だね~』
『大きさも同じだけど、可愛いフリルが付いているのね』
マオリとリカに言われて鏡を見ると、ハチ精霊様になっていた。
「リーナ嬢がハチ精霊様に?!」
驚く兄や殿下。そして、ハニエル様がジッと私を見ている。
「ハチ精霊様と混ざると分からない状況ですね。精霊王様からの贈り物なので、流石というかありえない事でも納得せざるを得ない」
「アルフレッド殿下、これは好都合なのでは?リーナ嬢は私と騎士団への説明に向かうのですから。姿が戻られた以上、無理かと思っていましたが精霊になれるローブを頂けるとは予想だにしていなかったので、これはこれで条件が整ったという事でしょう」
一部始終を見ていたグラン様が楽しそうに殿下に提案の続行を告げている。
確かに私の姿が戻った事で自然と、騎士団への試食会の対応はグラン様だけになると、皆は自然に思っていたみたい。
けど、精霊王様のちょっとした粋な計らいの贈り物で、私は再びハチ精霊になれたので、グラン様は提案の確認をしているみたいね!
このローブ、物凄く使える物凄い物なのでは?
『精霊王様に大感謝ね!』
『私たちも大感謝~!リーナと遊べるから~』
遊びたいのか‥‥いやでも、気持ちだけ受け取っておこう。
先ずは、残されたあのペンの魔力波形を測定して、過去の事件と関係が無いかちゃんと調べないと!
ああ!と残念がるハチ精霊様の声が聞こえたけど、取り敢えず、元の姿に戻った。いろいろ確認しておかないといけない事もあるのだから。
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