もう一つの転写方法 22
自分が思った事を、ちゃんと聞いてもらいたかったので、語尾や話し方がハチ精霊様化しないように頑張って話してみた。
『グレンの耳に残った悪意と、重症のブリジットから感じた悪意と、ペンの攻撃を受けたレインの身体から感じた悪意が、別々なのに同じ様な嫌悪感がするし、魔力が同質な感じがするの』
「ペンは学院に売っているペンか?」
『そう、かも?えっと、えっと‥‥ブリジット!』
「リーナ嬢、小難しく考えず、ゆっくり返してみると良い。友達も交えるなら、彼女にはこちらに座ってもらおうか。私達はアレが出来るまで此処に居るのだから、話す時間は沢山あるだろう」
呼ばれたブリジットは、自分が使っていたペンは学院で購入したもので、多くの生徒が持っている物だと話してくれた。
「こちらと同じペンです、ロードライ公爵様」
ブリジットが筆箱から取り出して、2人に見せている。それで合点がいったのか、エマニュエル様が難しい顔つきになった。
「このペンの軸になっている木は、ロードライ公爵家が王家に献上している物だ。今後は改良出来ないようにして献上しなくてはならないだろうな」
「この木の質感が素晴らしくて、皆さん使われているんです。でも、今回の事件で自分の手から離れた日用品をどう扱うか、怖がっている方も多いと思います」
そう言って、エマニュエル様からペンを受け取ろうとしている、ブリジットの手が震えているのをグラン様もエマニュエル様も見逃さなかった。
「ブリジット嬢、良ければ貴女にペンを贈りたいのだが、親和性を見たいので少し使ってもらえるか?」
グラン様が懐から出したのは、それは綺麗な透明のペンだった。
質感はガラスのように儚い輝きを持っているのに、硬度はとても強そうな感じがするペン。
何よりもそのペンの美しさは、日本のガラス工芸の切子と同じような切り込み細工がされていて、中に入っているインクで透かされると、綺麗な模様が浮き彫りになる仕様だった。
「綺麗‥‥」
ペンを手渡し、紙に書いてみろと促すエマニュエル様。
スルスルと滑るように文字を綴っていくブリジットの頬が少し紅潮している。
「確か、学院のペンの色は紺と黒が主流だったか。リーナ嬢とお揃いで使えるように贈ろう」
『これ、インクはどうやっていれるの~?』
「これには魔法が付与されているからインクが減る事は無い。2、3世代までは買い替えも必要ない」
驚いていると、ペンの素材を教えてくれた。
読んで下さって、ありがとうございます。
毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。
貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。
誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。




