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魔力被弾で覚醒した令嬢は精霊様と悪意を摘み取る  作者: 真白 歩宙
ハチ精霊編

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もう一つの転写方法 15

ブーン!ブーン!(大丈夫?)


 そっと、レインの手に止まって治癒魔法をかけると、少しずつだけど治っていった。


「‥‥っ‥‥守ると‥‥誓ったのに‥‥」


 治している手に大粒の涙が落ちてきて、レインを傷つけてしまったことに後悔した。

 ありがとうと言われて、レインには私がハチ精霊として見えていることが分かった。


「殿下、不味(まず)い事になった‥‥ハチ精霊様の騒ぎがロードライ公爵にまで伝わっている!来るかもしれない!」

「‥‥当主がくれば確実に大事(おおごと)になります!」


 周囲が慌てふためく中、レニが慌てたように叫んだ。


「傷ついたハチ精霊様が弱っています!」

「ハチ精霊様、頼む!どうかリーナ嬢と傷ついたハチ精霊様との(きずな)()たないでくれ!お願いだ!」


 リリアンヌ様が涙ながらにお願いしても、結界の(まゆ)は何の反応もしなかった。慌てる彼女は自分の命を削って与えてくれと懇願している。


「オースティンとレイモンドを呼ぶように」


 アルフレッド王太子殿下が即座に号令をかけると、数人の気配が消えた。



「兄上、お呼びと聞き参上しました」

「レイモンド・パステル参上しました」

「良く来たね、では早速リーナの代わりにハチ精霊様に魔力供給してもらおうか、邪魔にならない端の方で」


 呼ばれた理由を聞いて青ざめる2人。

 それでも、レニに促されるまま傷ついたハチ精霊様に魔力供給をし始めるのは、心から謝罪している証なのだけれど。

 ロナルド兄様は彼らの目の前に魔力回復薬を置き始めた。

 競技場で行われた悪夢を思いだしたのか、2人は口元を抑えて深い溜息を吐いている。


「これからロードライ公爵一行がきますから、一言もしゃべらずに与えられた任務をこなして下さいね」


 可哀想に特殊な公爵家と名高いその存在は、追い打ちのようにオースティン殿下を緊張させている。

 2人から、美しい魔力波形が傷ついたハチ精霊様に届いている。これなら、魔力切れを起こすのは半日後くらいだろうか。

 剣技を磨いている事が知れ渡っているけど、2人はとても真面目で魔術の基礎鍛錬もしっかりとこなしているとロナルドお兄様が褒めていたのを思い出した。

 通常なら、この魔力供給は細く長くすることが出来ない。普通で3時間持てば良い方だと授業で教えてもらった。

 それだけ、魔力を放出する感覚を細く糸の様にして渡していかないと、自分が持たなくなってしまう。

 精巧(せいこう)()つ、持続性のある供給。こんな状態の自分では何もできないと、頭の下がる思いだ。

ここまで読んで下さって、ありがとうございます。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

読んで頂けることが、執筆活動の励みになります。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。

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