もう一つの転写方法 6
「ああ!」
頭で理解しても実践は、練習有るのみね。
暴発した光の玉が訓練的に当たり、攻撃魔法が繰り出された。
「失礼しました」
私の方へ飛んできた火球を剣で吸収?してしまったアッシュが、ふわりと振り返ってブリジットの元に戻っていく。
「すみません、リーナ様。アッシュ、ありがとう」
「リア、大丈夫だ。レニ、防御結界をすまない」
今の一瞬で、レニが私とブリジットに防御結界を張り、リアが自分に剣の魔力吸収魔法を張ったのだとアッシュが説明してくれた。
もしかしなくても、皆さん凄腕の護衛の方々‥‥ですよね。アッシュの足音が全然しなかったのも気になったけど、今はガタガタ震えて涙目になっているブリジットね。
「ブリジット、大丈夫よ。今の見た?!アッシュのあの身のこなし!」
「ふぇ‥‥でも、リーナ様に‥‥」
「離れていても、3人の護衛が私と貴女をしっかり守ってくれているわ!どんどんやってみましょう!ここは安全なのだから」
「でも、リーナ様にもし‥‥」
「それにね、今は能力解放しているから、結構、私も強いわよ?」
そう言いながら、訓練的に光の矢を放った。ボン!と音がして、宙に浮いていた訓練的が煙をあげながら落ちてしまった。
やってしまった!どうしたら良いのかしら‥‥チラリと動かなくなった訓練的を見るとピクリとも動かない。
「‥‥無機物に治癒魔法って効くのかしら‥‥?」
「これは‥‥凄いですね、流石に廃棄でしょうな」
ああ、アッシュの言葉が、堪えるわね‥‥リアが唖然としているのも、申し訳ない気分になる。
「ふ‥‥ふふ、リーナ様‥‥そうでしたわ、リーナ様は凄い方なのですもの!」
ブリジットが吹っ切れたように笑い始め、皆が笑い始める。
「これ、グレン様、許してくれるかしら?」
「リーナ様、大丈夫ですよ。替えを用意致しますね、魔法士団には沢山ありますから」
壊れた訓練的を持って、グレン様に謝りに行こう。レニがポーチから新しい訓練的を出している。訓練的が常備品扱いなのも驚くけど‥‥。
「ブリジット、アッシュとリアが貴女を守ってくれるから、安心して練習してね。私、グレン様にお話ししてきますから」
頷くブリジットからは、先ほどの怯えは無くなっていた。結果オーライということにしておこう。
「訓練的を壊した?どんな強力な攻撃魔法を使われたのでしょうか、そちらの方が知りたいですが」
「グレン、それは後にしましょう。リーナ様、出来上がりました。もう一度ハチ精霊様をスキャンさせて頂いても?」
「ええ」
バレッタからマオリ・リカ・カオリ・カベルネ・メルロに出てきてもらい、順に羽をスキャンしてもらった。
結果を見ていたハニエル様とグレン様が喜びあっているのを見て、もう一つの隠れた魔力波動の抽出が出来たのだと確信できた。
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