もう一つの転写方法 5
「ブリジット、途中から聖属性が顕現した者はね、まだ魔力を上手に体内で練る事ができないの。多くなったり少なかったり。そんな魔力だまりが、ちょっとした感情の流れで暴発する事を魔力暴発と言って、それが人に当ってしまうと魔力被弾という結果になるのよ」
「おお~!」
おお~じゃないでしょう、レイン‥‥完全に茶化してしるわね。
「でもね、1回でも聖属性魔法が出来るようになると、魔力の使い方を身体が覚えるから暴発をすることは無いらしいわ」
「本当ですか!私、頑張ります!」
「どうして学長や教師陣は、聖属性に目覚めた生徒をこの結界部屋で、先生とマンツーマンの時間を作らないのかしら?」
「え?リーナ様?」
そう、今までの事例を調べて分かったのは、新しい属性を顕現した場合、魔力の小さな子供なら暴発には至らず、ある程度魔力値が大きくなった者が顕現するから、聖属性の魔法を覚えるまで不安定になると説明して根拠を話した。
「暴走するのは当たり前という前提で考えれば、結界部屋で聖属性に目覚めた方を数人の教師が見守りながら教え導く考えに至らない?」
普通、経営者なら“事故無く”そう考えるのは普通じゃない?と、付け加えて話した。
「リーナ様のような方が、もっと早く学院に居て下さったら、泣く者は減ったのに‥‥」
「リア、この件がちゃんと結論できてハチ精霊様が元気になったら、トーチネス先生の所にいきましょう」
「うっ‥‥すみません‥‥っ‥‥」
「リーナ様、少し出ますね。夕食の準備をしたいので‥‥」
アッシュがブリジットに1つ1つの属性魔力を確認させている傍で、泣き崩れるリアをレニが抱きしめている。レインがそっと耳打ちして結界部屋から出て行く。
これは一回、しっかり泣いてしまった方が良さそうね。レニにリアを頼みつつ、私はブリジットの傍でアッシュの教えている内容を聞くことにした。
「ブリジット様、今、聖属性以外の属性を確認されました。では、確認していない属性が体内にあるのは確認できますか?」
「あ、はい‥‥何か、清々しい光のようなものが‥‥」
「それが、聖属性の魔力と呼ばれているものです」
魔力は発動させなくても感じ取る事ができる。アッシュは先に、認識させるところから始めたのね。ゆっくりと理解させながら歩んでいく2人が微笑ましく思える。
アッシュはとても紳士的にブリジットに接している。厳しさも優しさもどちらも必要な要素を、惜しみなく与えて育てている感じに見えた。
読んで下さって、ありがとうございます。
毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。
貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。
誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。




