もう一つの転写方法 4
「それだったら、私の研究室をお使いになりますか?ここには幸い護衛が4人おられますから、良い先生になって貰えますよ」
グレン様が提案してきたのは、大きな影響を及ぼす魔道具を試す時に、結界部屋という魔力暴発を抑える部屋で試すそうで、その結界部屋がグレン様の部屋にあるのだという。
「入り口をハニエルの部屋に合わせておけば、此処から入れるようになります」
「では、ハニエル様とグレン様が開発している間、ノートの写しと魔力操作の特訓ができるのですね!」
「時間の有効利用という事で、この部屋に出入り口を設けましょう」
あっさりと出入り口を作ってしまう2人は、やはり天才なのだと感心してしまった。
2人は結界部屋の向きを変えただけと言うけど、座標軸がどうのこうのと説明されても、それは中々に理解し難いものだった。
「ここが結界部屋の中?攻撃魔法を打っても?」
「上位魔法でもヒビは入らなかったから、安心して良いと思います。でも、的が無いと集中し辛いかもしれない。魔法士団の新人が使う訓練的を使って‥‥使い方は2人が分かるよね、私は改良しているから」
いそいそと戻ってしまうグレン様。
レニとリアが怪訝な顔をしている。
それもその筈。訓練的は魔法士団に入団した生徒が、新人として初めて動く的に本気の攻撃と守備をしながら連携をとるものだとロナルドお兄様が教えてくれた。
学院内での決闘も武術大会も保護魔法がかかっていて、生徒は守られる立場。
「先ずは、あの的に攻撃を当ててみましょうかブリジット。訓練的の攻撃は私と護衛4人が全て防ぎます」
「は?リーナ様、それは無茶でしょ?」
「何を言っているの、レイン。結界魔法を剣に施して切れば、魔力をはじき返すわよ?」
「リーナ様、もしかして、何方かそのような荒技を?」
次兄レイモンドがやっていたと伝えたら、アッシュとレインが魔力の無駄使いだと教えてくれた。
「そうだったのね。では、皆さんはどのように攻撃が当たらないようになさっているの?」
「基本的に騎士は避ける。もしくは、攻撃耐性をつけるのだと。魔法士は、結界を張って防ぐのだという」
「だから騎士と魔法士の対になっているのですね。勉強になりますわ!でも、ここでは魔力被弾とは言わないのですね」
思わぬブリジットの問いに、その場の全員が固まった。その件は暗黙の了解の範疇だから。
「ブリジット様、魔力被弾という表現は、聖女候補となった者が魔力安定するまでに引き起こす事故のようなものなのです」
「そうね、リアの言ったことに付け足すと、魔力が安定している者は想定の範囲で魔力を調整できるし、練って強力にすることもでき、そうなると、攻撃の魔法になります」
「うーん‥‥似ていますね、リアさん、レニさんありがとうございます」
ブリジットは一生懸命、理解しようとしている。でも、ちゃんと分かってからお礼は言わないと、理解したと勘違いされてしまう。
読んで下さって、ありがとうございます。
毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。
貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。
誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。




