王太子殿下の告白 8
コンコン。
ノックをしてハニエル様の研究室に入ると、連絡が入っていたのかグレン様がティーカップを人数分用意しておいてくれた。レインが手慣れた様にグレン様と交代している。
「エドワード殿下はまだ来ていません。そちらがブリジット・ルーバン子爵令嬢ですね。私はハニエル・ウェスティです」
「は‥‥初めまして、ブリジット・ルーバンと申します。ウェスティ公爵子息様」
「堅苦しいのは止めて、ハニエルと呼んで下さい。彼はグレンです」
自己紹介でガチガチになっているブリジットを微笑ましく見守りながら、前世で悪役令嬢物や乙女ゲームの最初の出会いはこんな風なのだろうと思っていたら‥‥グレン様が話しかけてきた。
「すみません。ハチ精霊様のご飯、持ってらっしゃいますか?」
「ええ、リリアンヌ様から預かってきました。ハチ精霊様は甘いものも食べられるんですよ」
「朝のプチケーキに乗っかって食べていたので、もしかしてとは思いましたが、矢張りそうでしたか!」
当初の顔色から随分と笑顔が出ていらっしゃると思いつつ、ご飯の入った巾着を渡そうとしたら横からアッシュの手が伸びてきた。
「動かれずともお申し付けください。リーナ嬢」
颯爽と巾着を手にしてグレン様に手渡している。
「リーナ様‥‥兄が」
レニが恥ずかしそうに小声で見る様に促したけど、お茶を淹れていたレインが何かジェスチャーをしている。手を指さして、相手に触れると指輪が出る‥‥と。
「そうだったわ!」
「どうかしましたか、リーナ嬢?」
ニッコリとハニエル様に微笑まれてしまった。指輪の件は言えない。話を変えなければ‥‥。
私はブリジットを見て、彼女が受けた雷魔法の件を話し始めた。
「まさか、そのような下劣な行いをする者がいるとは」
「これが押収されたペンです。触れない様にお願いします」
アッシュが保存箱に収納されているペンを箱ごと渡した。
ハニエル様は、それを見て眉を寄せた。グレン様が箱をコンコンと指で叩いてみると、何か中のペンがカタカタと動く気配を見せている。
二人で顔を見合わせて考えているようだったけど、再び触ろうとした時に声が上がった。
「それ以上、箱に触れてはいけない」
「エドワード殿下」
声のした方へ振り向くと、エドワード殿下が笑顔で『爆発が起きるよ』と言っている。
読んで下さって、ありがとうございます。
毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。
貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。
誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。




