王太子殿下の告白 3
「アルフレッド王太子殿下は何と?」
「能力はしばらく秘匿することになったわ」
分かったことを聞くレインって、たまに試しているのかと思ってしまう。
だけどそれは、彼なりの心配をして、私に今の立ち位置とか意味合いを確認させようとしているのではないかと思った。
今朝もブリジットに体調確認しながら、日程を伝えつつ王太子殿下への謁見を促して、これからの事をそれとなく認識させていた。
「身体は大丈夫、ブリジット。長く付き合わせてしまってごめんなさい」
頷きながら、記憶を辿っているブリジットの顔色が、昨日よりも良くなっている。
「大丈夫よ、リーナ。貴女が回復魔法をかけてくれて身体に負担がこないもの。嬉しい事もあったし」
コホンと咳払いすると、小さく舌を出してニッコリするブリジット。
あの後、アルフレッド王太子殿下は、能力と婚約の秘匿すること。そして、研究所への立ち入りをブリジットとアッシュ様、リア様に許可を出す約束をしてくれた。
「怒られないで何よりです」
魔道馬車に乗るため、エスコートしようとしたレインが固まっている。
「リーナ様‥‥」
先に乗っていたブリジットの横で、私に手を差し出したアッシュ様までもが固まっている。
1人だけニマニマと‥‥いや、嬉しそうにしているブリジットが、かなり浮いた状態に見えるのは気のせいかもしれないけれど、レニやリア様までもが口に手を当てて驚いている。
「乗っても?」
そう言うのが精一杯だった。
現れた指輪は細いけれど、しっかり王太子印の入った白金の指輪。
「殿下‥‥牽制しすぎでしょう‥‥」
頭を抱えるレインは、きっといろいろな意味でこの余波を考えているのだと思った。アッシュ様も何か深刻な顔をされている。
「少しお待ちください。予定を変更して立ち寄った場所で昼食を済ませましょう」
お昼の時間が迫っていたので、途中の湖畔にあるガゼボで食べる提案がされた。レイン達は王太子印のついた指輪の意味を知っているのだと思った。
車内の微妙な空気感が居た堪れない。ゆっくり移動する馬車に、早く目的地に着いてくれないかと切に思った。




