王太子殿下の告白 2
「リーナ、君が自由に動ける方法がある。本当はこんな進め方は、私の本意では無いが」
「本当ですか、自由に動ける方法があるなんて、一体どんな‥‥」
言ってから、私は直ぐに手で口を塞ごうとしたけど、その手は王太子殿下に掴まってしまった。
そしてそっと、私の手を取ってそのまま足元に跪かれた。見上げる金の瞳に射貫かれて、私は一歩も動くことが出来なくなってしまった。
「私と婚約をして欲しい」
「‥‥!」
「義務とか、提案とかでは無いよ。この話は君の心が育ってから伝えたかった。ずっと、君にその許可印を渡してから、君であったらと思っていたのも偽りのない気持ちだ」
この流れでの告白だったから、きっと私を助ける為の提案だと思っていたら、王太子殿下は猶予を与えてくれなかった。本気の告白なのだと、顔が熱くなっていくのが分かった。
しかも、あの12歳の時に出会った時から望まれていたのだと知って、恥ずかしさと、どうしたら良いのかという気持ちでいっぱいになった。
「リーナ、君はまだ恋を知らない。だから、これから私と育んでいって欲しいと思うが、今は婚約という形を取るよ。私に君を守らせて欲しい」
声を出せず身体も動けずに、立ち尽くす私の指にはめられた王太子印の入った指輪。白金の輝きがスゥッと肌に浸透して消えた。
「良かった。指輪が消えたって事は君の気持が受け入れてくれた証だからね、ホッとしたよ」
「アルフレッド殿下、おめでとうございます。大切な妹をどうぞよろしくお願いします」
「私‥‥返事は‥‥」
あまりの急な展開に、気持ちがついてゆけないでいると、兄ロナルドが指輪を指して教えてくれた。
「王族の婚約は指輪を贈った相手が、OKだった場合に身体に消えるから返事を貰う必要は無いと、座学の教師に教わらなかった‥‥殿下、まだ授業でやっていない時期ですね」
「そうだったね。戸惑うかもしれないが、リーナの心の奥底で受け入れてくれたから指輪は消えた」
とは言っても、受け入れた実感が全く無いので、私はパニックになりかけていた。人生の一大事を指輪が消えたかどうかで決めるなんて、納得がいかない。
まぁ、王太子殿下はとても‥‥好ましくはあるけれど‥‥。
「心はゆっくり、私と恋愛をして育てよう」
笑顔でとんでもない事を言ってくる王太子殿下。私達の横で、ブリジットが声を我慢して『キャ~!』とジタバタしている。
「君はブリジット・ルーバン子爵令嬢だったね。リーナの友として私達の行く末を見守って欲しい」
「はい!」
兄もブリジットも味方にした王太子殿下は、パステル家の父と母が大恋愛の結婚だと知っているのか、自分達もそうありたいと言ってきた。
愛や恋を語れるほど、自分が熟練した者では無いので、この件は心の中で一時保留にしようと考えた。そして、この婚約がどれほどの余波を与えるのか、私は全く以って予測することなど出来なかった。
読んで下さって、ありがとうございます。
毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。
貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。
誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。




