王太子殿下の告白 1
朝一番でアルフレッド王太子殿下に謁見を申し出たら、生徒が学院へ行った後に呼び出された。せっかく正装までしてくれたのに、レイン達にはドアの前で待ってもらっている。
王太子殿下の執務室で私は全ての属性に目覚めていたことと、その全属性に聖属性が関与してしまった事を告白した。
そして、無理は承知の上で聖女候補への認定を先延ばしにして欲しい事をお願いした。
「何かあったとは思っていたけれど、君はその上を来るね。今度はちゃんと測定してくれるね?」
「リーナが全属性顕現?!しかも、聖属性‥‥」
魔力測定装置に手を翳すように言われ、今度は全ての属性解放をして魔力を通した。解放した瞬間に、学院のブローチが光っていたけれど、もう気にしてもしょうがない。
「リーナ様、全ての石が光っていますわ!」
「そうね。聖属性の水魔法で、ブリジット、貴女の怪我を治したの。こうやって‥‥」
殿下の目の前でブリジットに聖属性の水魔法で治癒魔法をかける。彼女の足元に現れた美しい魔法陣から、魔法式の輪が足元から頭までをクルクルと回って治癒魔法をかけていく。
「凄いな‥‥まるで、古の聖女の御業を見ているようだ。しかも、魔力量の数値は減らず、測定不可になっている」
「まさか?!妹の魔力量が王に追いつくと?」
アルフレッド王太子殿下は静かに首を横に振った。王に追いついたのではなく、超えたのだと。
古の聖女には魔力量の限界があった。その数値は700,000という凄まじい数値だった筈だ。その魔力量でさえ、測定装置には表示されていた。
「最早、無限の魔力と言っても過言ではなさそうだね」
「‥‥殿下、多分ですけど、魔力被弾中の夢で文明の違う国を見て来たことは第四王子殿下からお聞きには?」
「聞いているよ」
私は紙を細長く切った物の中心に線を描き、くるりと1回ねじってテープで止めた物を殿下と兄に渡した。
「メビウスの輪と呼ばれているものです。書いた線をなぞって頂ければ意味合いは分かります」
「‥‥‥‥?!」
線を辿っていた兄が、驚いた表情で魔力量の数値に出ている記号と私の顔を見比べている。その横で王太子殿下が、小さく息を吐いて机の中から綺麗な箱を取り出した。
「本当に無限だったとはね。認定するなと言う方が不可能な状況だよ、リーナ。それでも、君は犯人を捕まえたいから待ってくれと?」
「聖女候補になると、犯人を捜す時間が無くなってしまいます」
アルフレッド王太子殿下は、その正義感は聖女特有のものだと教えてくれた。だから、止める事は出来ないのだとも。
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