親友と悪意と聖属性の水魔法 7
「ブリジット様は今、動かせない。悪意という名の呪いを退け、負荷のかからない状態で治癒したい」
誰に言うでもなく、自分への語り掛け。
光の中に魔法式が、いくつも浮かび上がって漂う。その魔法式が徐々に繋がり、綺麗な輪になった魔法陣へと変化した。
「出てきて魔法陣‥‥」
室内が光に満たされて、誰かの驚く声が発せられた。
私の中にある聖属性の魔法式をそのままブリジット様の真上に顕現させた。
「ブリジット様の身体が浮いているわ!こんな魔法‥‥見た事もない!」
「リア、静かに。集中されているのだ」
光の中で宙に浮いたブリジット様の身体をスキャンするように、魔法陣から1つの魔法式の輪が生み出されて、浮き上がった彼女の身体を通していく。
その過程で、彼女の体内にある陰湿な悪意を除去していくのが分かった。これは聖属性の呪詛を無効化する魔法式が組み込まれているのね。
しかも、魔法陣から出た帯状の魔法式の輪が、肉体の細部まで治癒魔法をかけて治療している。
はて、この魔法陣は何なのだろうかと考え込んだ。
過去を振り返ってみれば、隠ぺいを考えた時に出てきた無属性の魔法陣を発動させて、隠ぺい魔法を行使した覚えがあった。
そう思い出して、この聖属性であり水属性の治癒魔法でもある魔法陣は、聖属性水魔法と言える気がした。
今の状況を見れば、他の属性も聖属性化した魔法になっているのだから、それぞれに魔法陣があるのだと推測がつく。
「ああ!ブリジット様!」
リア様の安堵の声で現実に引き戻されると、全回復したブリジット様がソファーから起き上がろうとしていた。
「成功、したのね」
ホッとしたのも束の間、レインに寄りかかって支えてもらっていた事を思い出して、慌てて離れてから彼の方に振り向いた。
「リーナ様、大丈夫ですか?何処か辛いところはありませんか?」
矢継ぎ早に問いかけてくるレイン、心配そうに覗き込む顔は真っ青だった。
「大丈夫よ。少し意識を集中し過ぎたから、身体的に疲れているだけ。魔力も平気」
そう言ってニッコリと微笑んだら、安堵の溜息を吐いている。
まるで母親の様に心配してくる所は、前世でいうオカン的な感じがしてしまう。成人男性には、申し訳ないけどね。
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