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複合魔法と魔力映写魔法 15


「この本の端に描いた絵を見ていて下さい。パラパラと(めく)っていくと‥‥」

「絵が動いている!レニ殿、面白いですね!」

「まるで生きているみたいですね。これがパラパラまんがという物ですか?」


 パラパラ漫画を公に披露する日が来るとは。あれは隠れて授業中に描くから面白いのに。なんて思いながら、しみじみと前世の記憶が多くなったのを実感する。


「映画のフィルムとは、絵の縦横ズレないで表示させると1枚1枚の絵が少しずつ動いていく様になっていて、連続して見た時に動いているように見える物です。どっちも似たような原理です」


 細かい原理は分からないけれど、アニメのセル画を使ったやり方がそうだった気がする。どちらにしても、私が深堀するまでも無く、1を教えたら10や20の答えが返ってきそうな彼らが興奮気味に謎解きをしてくれている。


「成程。そうなると、最初の波形を転写していく時の縦横の目安線が必要ですね」

「なら、縦軸と横軸の位置関係が分かる網目を作って紙に落とすか」


 最早、切掛けを作るだけで、大発明が成されるのでは?と思うくらい、ハニエル様とグレン様の頭の回転は物凄い勢いだった。

 話した当日なのに、魔力を映写や転写する方法を思いつき始めている。前世の話をしなくても良かったのではないかと思われるくらいに。


「さて、時間短縮の為にも今ある魔法を改良した方が良さそうですね。先ずは、目的の魔力波形を壊さずに抽出する魔法」


 魔法は目に見えない現象にも作用する。この世界の理は前世と違い過ぎる。それでも、似たような物が存在しているのは、人が作り出すモノだからなのかもしれない。

 遠目で彼らの話し合いを見て、今作っているモノが王家や平民を守るものであって欲しいと思った。


「悪意を抽出って中々難しくないですか?」

「確かにリューの言う通りなのよね。どの属性に悪意が反応するかが問題じゃない?」

「ずっと考えていたのだが、結界魔法で掬い取るのは?」


 センチな気分になっていたら、考えを纏めたいハニエル様が皆に案を求めたみたいね。


「フェン、良いアイディアですね!でも、どの結界魔法を使うのかしら」

「我々が魔獣討伐する時に使う、捕獲用の結界魔法がいけるんじゃないか」

「レイン、凄いな。そうか、我々近衛騎士はレベル上げも兼ねて、捕獲してから下位の騎士にトドメを刺させることもしていたな。」

「あれなら属性関係ないと思ってね」


 いつの間にか白熱した話し合いになって、お互いを呼び捨てにしている。

 ソファーに座って目を瞑って聞いていたハニエル様が、立ち上がって何かブツブツ言っている。


「こうなったハニエルは、誰の問いかけにも反応しなくなるから、今日はお開きだな」


 グレン様の提案で、ハニエル様が話しを聞ける状態になってから集まる事になった。



読んで下さって、ありがとうございます。

毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。



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