複合魔法と魔力映写魔法 11
「よって、スティーブン・ライリール、エルヴィス・サンディスタ、その従弟のケリー・サンディスタの中に犯人がいると推測されます。
しかも犯人は雷属性と風属性の複合魔法を持ち合わせているため、要注意危険人物です」
一息に説明してから、リュー様とグレン様に視線を向け、確認するように一同を見渡してハニエル様は続けた。
「貴族の反発を抑える為に、捕まえるのは王太子殿下が動かれるのでしょう。
ここで重要なのは、この件は2~3年の時間が経過して現行犯での立件が出来ないのです。その為、我々は、その証拠である犯人の魔力波動を、人の目に見える形で提示する必要があります」
「あら?変よ!今思い出したけど、精霊様に危害を加えると神獣や精霊王の怒りに触れて傷を背負う“禁忌”なはずでしょ。何で犯人は無傷なの?」
これだけの大罪を犯して無傷はありえないとリュー様がハニエル様に抗議した。
「そうですね。確かに、傷を受けた筈ですね」
「すみません。おそらく、その傷を癒してしまったのは、私だと思います」
正直に話すと、成程と頷かれてしまった。
「“騎士団の訓練”もあの時期でしたね。犯人は上手くその状況を利用したのでしょう」
かなりな知能犯だと、周囲を利用して罪さえも消し去った手口を嫌悪するハニエル様。
「そんなにずる賢い犯人なら、こうやってエドワード殿下とリーナ嬢がここに来ているのは大丈夫なのかしら?」
「確かに、当時の参加者のグレン、傷を治したリーナ嬢、王族が集まっていれば要らぬ腹も探られかねないですね。それよりも、グレンの髪が元に戻っている時点で“何かあった”と気付かれるでしょうが」
あっ!
きっとそんな感嘆詞が似合いそうな、やってしまった感のある空気が漂った。
「こればっかりは仕方がないですよ。リーナ様は優しさと正義感に溢れた方ですから!」
「ううっ、やっぱり、私の責任かしらレイン」
「殿下、何か良い方法はありませんか、幸いまだリーナ様が治癒した事はこの場にいる者しか知りません」
変な空気感を払う様にレインが茶化すように私に振ってきた。
何か意図があるのかと、慣れてしまったこのノリに付き合ってみたら、優しいハニエル様がエドワード殿下に相談してくれている。
読んで下さって、ありがとうございます。
毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。
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誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。




