複合魔法と魔力映写魔法 2
「確かにそうですが、盲点でした。何故、誰も気が付かなかったのか‥‥」
「最初から粉にしていれば、不気味だ、ゲテモノだと非難を浴びなかったのかもしれない」
後悔をするハニエル様と、ショックを受けたようなグレン様。一生懸命、取り組んだ結果が、非難を浴びては心が挫けそうになるのかもしれない。
「反省会は後だよ。で、成分はどうなったの?」
うっ、殿下‥‥容赦ないですね。
「葉酸・鉄・銅・亜鉛・タンパク質などがありますね」
あれ?葉酸?タンパク質?この世界は、前世と同じ栄養素の言葉を使うの?
「ハニエル様、もしかして‥‥ビタミンという名の栄養素はありますか?」
何を言っているのかと、変人扱いされるかもしれないけれど、魔法が優位に立つこの世界で栄養学的な知識の段階を知りたいと思った。
「ありますよ。こちらに一覧にした表が」
「表があるのですか?」
驚いた。グレン様が隣で栄養成分の一覧表を出してくれた。
「これが今わかっている栄養成分です。魔法抽出が出来ている部分ですが」
渡された表には、私にとって馴染み深い栄養素が羅列していた。良く見れば、ミネラルはナトリウム・カリウム・カルシウム・鉄・亜鉛・銅・ニッケル・クロム・・・と前世と同じ種類ある。ビタミンに関しては、脂溶性と水溶性など機能までは判明されていないが、前世と同じ種類があった。
効能は大体前世と同じような書き方がされている。
ただ、相乗効果のあるような食べ方などは、研究されていないようだ。
「例えば、ビタミンですが、成分が水に溶ける水溶性のものと、油に溶ける脂溶性のものとかの分類はしないのですか?」
「ビタミンが、水に溶けるものと、油に溶けるものがあるって?」
「水に溶けだすビタミンであれば、スープとして摂取しやすいですし、摂取したものは血液に溶け込んで体内に摂取されやすくなりますし、余分なものは尿として出されると仮定して測定してみては?」
首を傾げて、グレン様が右に身体を傾けて考え込んでいる。
「脂溶性だと、どうなる?」
質問しては、右に向いて考える仕草は癖なのだろうか。
「油で炒めて吸収力を良くしてから食べるとか。今回の鉄分はビタミンCと一緒に摂ると吸収力を上げてくれるので、組み合わせもとても大切です」
グレン様の質問に瞬発的に答えていくと、ハニエル様が私の返答を分析していた。それに気が付いた時には、とんでもない質問が彼から出ていた。
「リーナ嬢のその知識は何処で手に入れたものですか?」
時間が止まったように、部屋が静まり返った。
読んで下さって、ありがとうございます。
毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。
貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。
誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。




