表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔力被弾で覚醒した令嬢は精霊様と悪意を摘み取る  作者: 真白 歩宙
ハチ精霊編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

182/232

消えた犯人とその後 1

新しく「一角獣編」が始まりました。

この章では、少しずついろいろな人間関係が変化していきます。


 ハチ精霊のナイトたちが赤茶の不気味な甲冑(かっちゅう)(まと)い、赤黒い槍を手にして空間走り抜け、空を飛ぶ姿は多くの目撃者を恐怖のどん底に落とした。

 中でも彼らと視線が合ったと思い込んだ者は、数週間、挙動不審(きょどうふしん)な行動をとっていた。

 それもこれも、ナイトたちが被っていた、肉食バチの(かぶと)のせいなのだけど。

 聞けば、ナイトたちにとっては、アレが戦闘時の正式武装だそうで、(たたか)()れしている六公爵でさえも、引き()った顔で彼らが出陣するのを見送っていた。


「彼らがあの武装状態でケリー・サンディスタを猛毒の槍で突き刺し、瀕死(ひんし)状態の彼を城門に吊るし上げたお陰で、聖女リーナが嫌がる事は口にしないと、皆が心に決めたから聖女認定が先送りにされたのだからな」


 アルフレッド殿下に誘われて、学院執務室でブリジットと一緒にお茶を頂いていたけど、報告された内容にお茶を吹き出しそうになってしまった。

 私が嫌がったら、武装したナイトが文句を言いに来るとでも思っているのだろうか。ちょっと侵害だけど、殿下の言う様に認定が先送りされたのは嬉しい。


黙認(もくにん)はされていますけどね。認定を先延ばしに出来たので、あの事件に関与(かんよ)した者だけのv周知しゅうちとなって授業も普通に受けられますよ」


 そう!聖女認定を受けてしまうと、授業が個別化されてしまう。

 テスト免除という特典があるらしいけど、皆で学院生活を送る事の方が大切だと思う。


「そう言えば、宰相様も動かれているのですよね?」

「あの腹黒宰相は、リーナの後ろ盾になると王に宣言していた。事件の時は只々私を翻弄(ほんろう)してくれたが、忌々(いまいま)しくも、あの腹黒が宣言したお陰で六公爵を後ろ盾に持ったリーナに大臣たちが敵う筈もない」


 大臣たちは、私の聖女認定をさっさと終わらして、ダンジョン討伐(とうばつ)に同行させたり政治的な婚姻(こんいん)を考えているらしく、エリク王に進言していたらしい。


 ただ、その提案や進言もカミーユ宰相やライリール公爵のパトリック様、ロードライ公爵のエマニュエル様とグラン様と、錚々(そうそう)たる公爵家現当主の方々が私の後ろ盾になったので、大臣と言えども公爵家より序列の低い侯爵では太刀打ちできない状態になった。

 そして、カミーユ宰相とアルフレッド殿下が今進めてくれている計画が、聖女の授業の個別化の廃止(はいし)で、私が孤立(こりつ)しない様に配慮してくれている。


「まぁ、腹黒でも仕事は早い男だ、気にせずリーナはブリジット嬢と授業に復帰すると良い」

「最近の王太子殿下の口調が、少しワイルドで直接的な表現になられて、女生徒の間で(うわさ)になっておりましたわ」

「あはは、ブリジット嬢は表現が(やわ)らかいですね、“毒舌(どくぜつ)”って言ってあげないと殿下は気付かないですよ」

「ほう、レインは“そのままの豆料理”がそんなに食べたいか」


 目を細めてチクリと反撃する殿下は、少し張り詰めた緊張感が消えた気がする。引き攣るレインの顔を見て、紅茶を啜りながら笑いを堪えている。

 こんな長閑(のどか)な一時が過ごせるのも、サンディスタ公爵家の一件が落ち着いたからかもしれない。


ここまで読んで下さって、ありがとうございます。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

読んで頂けることが、執筆活動の励みになります。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ