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003:渓谷でのゴブリン退治

とりあえず、ゴブリンは退治しますよ。


ちなみに、川魚です。

ぬめりを取らずに、鱗を足らずに焼けば食べれたものじゃ無いですよ。

内蔵も出していないですから、寄生虫の問題もありますね。

新鮮だしじっくり焼いていたら問題ないですけどね。

たき火などで焼くときは離れたところからじっくり時間をかけてが基本

当然、塩も持っていませんし、化粧塩なんて知識もありません。

たぶん、この世界の塩は内陸だと高級品でしょうね。


あと、生木は燃えません。煙が出るだけだね。

薪とかにするなら、最低半年から1年は乾かさないと無理

落ち葉とか枯れ木とかその辺を探して燃やさないとね。

建材も同じようなもの、きったばかりの木だと乾いたときに歪みますので、乾かしてからじゃ無いと家作りとかに使えません。


割とリアル面倒くさいよね。

***【佐藤 啓太】***

ここかなぁ、川沿いに歩いて行くとなんか谷?徐々に切り立った崖が左右に繰り出してきていて、谷底に川が流れている場所に出た。

結構な勢いで走ってきたから、多分ここのことだと思う。


つうか、腹が減った.....

失敗したなぁ、さっきの街でなんか食べておけば良かった。

とはいえ、財布の中には日本円しか入ってないから、使えないんだろうなぁこれ....

物価の知識は言語と一緒にもらっているのでなんとなく分かる。

だいたい、1ギルダン=1円で問題ない?かなぁ?

宿が5000ギルダン~、剣とかは10万ギルダン以上するし、洋服も大体1万ギルダン以上で、着古した服なら1000ギルダンくらいからあるみたい。

一般的な街人の月収が10万ギルダンくらいで、食事は大体朝晩の2食、食費は100ギルダン~500ギルダンくらい。

ビールやワインは100ギルダンくらいであるけど、水は200ギルダン位するみたいだね。水 高!!


とりあえず、なんか食べないと動きたくないなぁ。

川には魚が泳いでいるの見えるけど、食べられるのかな?

なんかの映画で見たな、魚の口から枝をさしてたき火で焼くやつ。

よし、それで食べてみよう。


今の身体能力なら、魚を捕まえるくらい楽勝でしょう(笑)


何でだ....

全く捕まらない.....手を伸ばそうとした瞬間に魚が逃げていく....

こいつらニュータイプかよ....

後ろにも目が付いているってか...

どうしよう、なんか泣けてきた......


そもそも、素手で魚を捕ろうとしたことが間違いなんだよ。

現代人なんだから、道具を駆使しないとな。

という事で用意いたしました、エクスカリバー(笑)

この剣速なら魚なんか一刀両断ですよ(笑)


ズシャ


目の前に見えた魚めがけてエクスカリバーを振るう俺様。

当然のように目の前の魚は一刀両断にされた....川もろとも.....



10m位地面に亀裂が入って、川の水が流れ込んでいるけど、小さい小さい(笑)

とりあえず、その衝撃で打ち上げられた魚が数匹確保できたので、これを食べることにする。

串にする枝は、同じくエクスカリバーで削れば良いし、たき火用の木もその辺に一杯生えている。


さあ手と次はたき火の準備だな。

その辺から切り出した枝を適当に並べて、ファイヤーの呪文で着火すれば完璧.......

なんか、悪い予感がするので、10mくらい離れてっと。


「ファイヤー!!」


チュッドーン


なんか、1m位のクレーター出来たんですけど.....

え、なんで?

枝に火を当てたら焚火になるんじゃ無いの?

クレーターって.....


再び用意いたしました、その辺から切り取ってきた枝です。

ファイヤーとか攻撃呪文は駄目ですね。ダメダメです。

ここは防御呪文一宅でしょう、そう、『ファイヤーウォール』です。

先ほど同様に枝を適当に並べてと。


「ファイヤーウォール!!」


よし、良い感じに枝の上にファイヤーウォールが出てきたぞ。

後は、枝に着火するのを待てば.....

なんか、煙ばっかり出てなかなか火が付かないなぁ....

お、着いた。って、ファイヤーウォールってどうやって消すんだ?

えっと確か、ファイヤーウォールは、術者の望む任意の場所に込めた魔力分の時間継続する。だったかな?

魔力は適当に込めたんだけど、何時消えるんだろう....

と言っているまに、枝は燃え尽きたな.....


えー、さすが俺様です。転んでもただでは起きない(笑)

焚火が駄目ならファイヤーウォールで焼けば良いじゃ無い(笑)

ですので、ようやく焼け上がりました、3匹目の魚です。

一匹目はファイヤーウォールの中に入れて、燃え尽き。

二匹目はすぐ側で焼いたんだけど、焦げ付きました....

そして、少し離したところに置いた三匹目の魚。

ほどよく焼けています。

では、実食。


うん、口に入れた瞬間に広がる何というか、苦み。

続いて、噛み砕くと共に口の中に張り付く鱗。

続いて魚の骨が襲って参りますよ。

うん、まずい(笑)

塩気もなにもないし、苦いだけで味がしない上に鱗とか小骨とかどうなってんの。

シェフを呼べい!!って叫びたいけど、シェフは俺だ.....

もともと、あまり魚とか好きじゃ無かったけど、いよいよ嫌いになりそうだ....


たぶん、丸ごとかぶり付いたのがいけないんだね。

さっきの串の要領で、作りましたよ箸2本。

日本人で良かった、これがナイフとフォークなら、作ることは出来なかったね(笑)

んで、その辺にあった葉っぱに4匹目の魚を乗せて、箸でほじりながら食べますよ魚。


ふう、なんとか食べ終わった。

鱗があるので、皮の部分は食べられないし、内臓の部分も気持ちが悪い上に小骨があるので、背中部分から尻尾にかけてをほじりながら食べましたよ。

なんとか、満腹とはいえないけど、まあ、空腹は紛れたかな。


「料理スキル.....取っておけば良かったかなぁ」



***【ゴブリン】***

「ギィ、ギギギ(おい、なんか音がしなかったか?)」


「ギギ、ギギギギギ(ああ、あれは魔法の音だな)」


「ギュイ、ギュギュギュ(また、冒険者か何かが来たってことか)

 ギギ、ギギィギ(面倒くさいな、魔法使か)」


「ギ、ギィギィギ(そうだな、魔法を打たれるとやっかいだ)」


「ギィギギギギュイギ(とりあえず、所定の位置に着くとするか)」


***【佐藤 啓太】***

「さてっと、そんじゃ、ゴブリン退治と行きますかね。」


そう言って、渓谷に踏み入っていく啓太。

両側の崖は高さで約100m、川幅は10~20m、川辺は両方5~10m位あり流木、流石、草木も生えており自然豊かな賑わいを示していた。


「ああ、綺麗なところだなぁ、こんなところでキャンプとかすれば俺もリア充になれんじゃねぇ?」

(まあ、キャンプ用具なんか持っても無いんだけどな)


「しっかし、ゴブリンとか、どこにいんだよ。

 全く何もいねぇじゃねえか。」


そう言いながら、ずんずんと進んでいく啓太。


「ああ、探すの面倒くさいな、どうすっかなぁ。」


そう言いつつ、啓太が渓谷の中程にたどり着いたとき。


 シュッ!!


何本もの矢が啓太に向け放たれた。


 キン


放たれた矢をエクスカリバーで弾く啓太。


「なんだ、どういう事だ」


啓太が回りを見回すと、崖の中腹にゴブリンが数匹。

そこから、啓太に向け弓矢を放っているのが確認出来た。


おいおい、反則じゃねぇ。そんなところからだと剣が届かねぇじゃねぇか。

そう思いつつも、しかたが無い、魔法で終わらせようか、と思ったそのとき。


シュシュ


川の反対側からもゴブリンが射かかってくるのだった。


「ちょ、ま、まって、まって、そんな両方から打たれたら対処が間に合わない。」


慌ててよけまくる啓太。

避けられるのは避け、避けきれない物のみエクスカリバーで切り落としていく。

腐っても剣技(極)と体術(極)この双方の相乗効果にて、なんとか矢を躱していく啓太。


「ああ、どうすっかなぁ。

 避けることは出来るけど、このままじゃ攻撃できないのでじり貧だな」


「そういうときはっと」


「ファイヤー!!」


崖の中腹に陣取ってるゴブリン数匹に対し、ファイヤーを放つ。

(これで、崖組は始末できるから、対岸側を同じように始末すれば終了だな、楽勝じゃん)


しかし、啓太のファイヤーの声を聞くと即座にゴブリンは崖から飛び降り、走り去っていった。


「え、どういう事、なんで逃げるの?」

「って、対岸のゴブリンも居ないじゃん、どういう事よ」



***【ゴブリンサイド】***

「ギギギギィギ(かなりやっかいだな)」


「ギギ、ギグイギグ(ああ、ただの魔導師かと思いきや剣術体術もたいした物だ)」


「ギュィ?ギュギュユ?(どうする?洞窟に潜んでやり過ごすか?)」


「ギャ、ギャギャ、ギィギャギャ(いや、すでに姿を見せている、それでは諦めまいよ)」


「ギャギャギャ、ギィギギャ(しかたがあるまい、先日掘った落とし穴に誘導しよう)」


「ギャギャギャ、ギャギィギャ(しかたが無いか、そうするしかあるまい)」



***【佐藤 啓太】***

どうなってんのこれ?

ゴブリンは居たよ、全部で10匹くらいかな?

矢を射かけてきたと思ったら、反撃すればすぐに逃げ出す。

ゴブリンってそうなの?

なんか、さびた剣とかもって肉弾戦で襲ってくるんじゃ無いの?

弓を打ってきて、反撃されそうになったら、速攻逃げるとか....

頭良すぎでしょう、雑魚モンスターは雑魚モンスターらしくして欲しいよね、ほんと。


「まあ、何を言っても探して始末するしか無いからなぁ

 面倒くさいけど、探しますか。」


そう言って、川に沿って移動を続ける啓太。

しかしながら、啓太自身に狩りの知識もスキルも無く、探すと言ってどう探せば良いか分かっては居ない。

ただただ、下流に向かって歩いているだけ....それが現実だった....


「おほ、いたいた」

「あれで隠れているつもりなのかね(笑)」


少し行った先の茂みからゴブリンの弓先がのぞいているのを見つける啓太


「あの位置なら、回り込んで川縁を進めばばれずに奇襲が出来そうだ」


しめしめ、と思いつつ川縁で姿勢を低くして進んでいく啓太。


「ん?」


もう少しで茂み、と言うところで足下が崩れ去り、落とし穴に落下してしまう。


「うわぁ、なんだよ」


体術のおかげで怪我もせず、穴の底に降り立つことは出来たが、目測3mほどの穴は切り立っており、素手で上ることは難しそうだ。


「グユイ、ギッギュギ」


へ、上を見るとゴブリンが穴をのぞき込んだかと思うと,横に置いてあった石を動かし出す。


「え、なに、水攻め!!!」


石がどいた跡からは、川の水が穴の底に落ちてくるではないか。


そして、穴の上から、弓や槍でつついてくるゴブリンたち。


「ちょっと、まって、だめだよ、死んじゃう、死んじゃうから」


見る間に腰まで水浸しになり、上に逃げようとすると槍で追われ、留まろうにも、矢が打ち込まれる状況。

そう、完全に詰んでいた......


ゴブリンやコボルド、銅級冒険者の獲物と認定はされており、一対一での戦闘に限って言えば、腕力も無く素早さも足りないゴブリンなどは雑魚の部類に入る。コボルドの方が力は無いが素早さがある分やっかいだとも言われている。

しかしながら、自然の中のゴブリンの群となるとそうはいかない、低級なれど弓矢を自作し、地の利を生かして戦うゴブリンは自然のハンターである。

このゴブリンを倒そうと思うなら地の利を心得た者、罠に精通した者が参加するか、力押しで倒す場合には銅級冒険者が数十人の単位で倒すのが通常であった。

しかし現状は、啓太ただ一人。...そもそもが無謀な戦いとしか言いようが無かった......

通常なら....


「いや、ちょまって、まってよ」


「インフェルノブラストォ!!!」


このとき、啓太は無意識のうちに自身の持つ最強呪文を使った。


インフェルノブラスト....火系呪文最強の魔法。

術者の前方1mほどの位置を起点とし、45度のコーン状に放たれる最強の火炎魔法....

その範囲は込められた魔力にもよるが、数百メートルとも、数キロメートルとも言われている。

この魔法を、ゴブリンに・・・自らの上方に向けて放ってしまった....


「うぉぉ、さすが俺様、最強魔法でゴブリン皆殺しじゃん。」


自らの前で、綺麗にコーン状にえぐられた大地を見ての感想がこれである。

川辺でそんな状態になったなら、次に起こることは簡単に予想できるだろうに...


「ん、なんだ」


メキ・メキメキと言う音と共に、流れ込んでくる水、水、水。

川辺で穴の中から魔法を打ったのだ、川の水が流れ込んでくるのは必然、濁流となり流れ込んできた水に押し流されるように穴から脱出に成功した啓太。しかしながら、啓太の不幸は未だ終わっていなかった。


「なんとか、脱出成功(笑)

 ゴブリンも退治したし、見事解決じゃん。」


さて、岸に上がって引き上げるか、と上を見上げた啓太の目に映ったものは、崩壊を始める渓谷の姿だった....


「ちょ、まじか!!

 なんでだよ、なんでこうなったぁ!!」


もちろん啓太のせいである。

啓太が何も考えずに放ったインフェルノブラスト、これにより破壊された渓谷が崩壊を始める、ごくごく当たり前の事である。


「とりあえず、南に逃げるしか無いか...

 にっげろ~~」



***【南の街、ラザリアの受難】***

「代官様!!

 大変です。川が、川が干上がっています。」


「なんだと、どういう事だ、川が干上がるなどと、あり得る話では無いぞ」


ラザリアの代官『チェリス』は執務室に飛び込んできた高官にそう返すと、ゆっくりと立ち上がり、外に向かって歩き始めた。


「先ほどの北に見えた火炎...

 あれに関係があると思うか?」


「は、先ほどの火炎ですが、恐らく渓谷のあたりで発生したと思われます。

 川も同様に渓谷を流れてきますので、おそらく、この渓谷で何かが起きたのでは無いかと思われます。」

「現在、騎士に命じ渓谷の様子を見に行かせております。」


「ふむ、妥当だな。

 そうすると報告待ちか....」

「まずは、その干上がった川というのを見てみたい、案内してくれ」


現状、馬を持ち最も機動力の高い騎士に偵察を任せる、贅沢な使い方にも見えるが、ラザリアの街の唯一の水源と言っても良い川はラザリアの命運を握っているもいえる、川が無くなるのであれば街は滅ぶのだ。このため、原因を突き止める事が出来るのであれば騎士の派遣など安いものである。



***【キルシュの街】***

「今度は何だ!!」


突然慌ただしくなったギルドの中で、ギルドマスターであるグランドの声が響く。


「突然、南の空に火炎が上がり、その後、徐々にではありますが、川の水位が上がっております。」


「どういう事だ、その火炎、西の森の件と関連があると思うか?」


「はい、この短期間の間で起きたことであり、どちらも川沿いでの出来事と思われます。

 おそらく、西の森で魔法を用いた何者かが、川沿いに南下し、渓谷の付近で再び魔法を使用した。

 その結果、川がせき止められるかどうかして、水位が上がったのでは無いかと思われます。」


「その公算が最も高いか、どちらにしろ確認しないわけにはいかんな、

誰か、南の渓谷まで様子を見に行ってきてくれ!!」


そうギルドマスターが叫んだとたん、これ幸いと飛び出していく幾つかのパーティ

マスター自身の依頼である、ギルドマスターの払いが良いことは有名でありこの一言を待ち構えて居たパーティが飛び出していったのである。




「ねぇ、ゴンザレスさん

 さっきのあの子、この件に関係していると思います?」


「いや、それはないな、時間的に今は渓谷までの半分と言ったところだろう。

 今頃、同じように火炎を見て引き返す算段をしているかもしれんな。

 だとすると、運が良いやつという事になるか」


「はあ、そうですか.....

 なんか、すっごく悪い予感がするんですよね、わたし...」


渓谷が壊れたらどうなると思います?

たぶん、天然のダムになるんじゃ無いかな?

谷を塞いだ石土の間を抜けた水が下流に流れるようになると思います。


なお、川を急に塞いだからと言って、急に下流が干上がることも、上流で増水することもありません。時間がかかるのが普通。

まあ、その辺はファンタジーでw


ちなみに、啓太が使った呪文がエクルプロ-ジョンなら啓太は圧死しています。

エクスプロージョンはその名の通り、術者の指定した位置で爆発が起きます。ゴブリンの位置でとなれると穴が埋まりますね。

インフェルノブラストは前方コーンで吹き飛ばしますので術者は割合安全という

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