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002:ギルド内にて

とりあえず、ギルドにたどり着きましたよ。

でも、いつも疑問だったんですよね、なんで冒険者ギルドって簡単にギルド証発行するんですかね?

***【佐藤啓太】***

ああ、もう、ひどい目にあった。

川辺まで行ったときに足を滑らして川に落ちてしまうとは....


まあ、川縁なんか歩きなれてないからな、仕方が無いね。

滑りやすい石ばっかりで、歩きにくいったらありゃしない。


まあ、しばらく、川下に進んでいくとあぜ道かな?

なんか、道っぽいものを見つけた。

道といっても、アスファルトとかコンクリじゃ無くて、何というか、草が無いだけ?

たぶん、頻繁に人が行き来しているんだろうね、んで、どちらに行こうかと思っていたら、左手から誰かが走ってきたよ。


!! 耳が長い エルフだ!!


「あのぉ」近づいてきたときに声をかけてみたんだけど、脇目も振らずに走り去っていったよ。

なんだったんだ?


とりあえず、あのエルフが向かった先になんかあるんだろう、町か村だったら良いなぁ

とりあえず、そっちに向かおう。



かれこれ、もう2時間くらい歩いてるんですけどね、たどり着きませんよ。

まあ、なんか、全然疲れないから、良いんですけどね、汗もかかないし。


ようやくたどり着いたよ、3時間くらいかかったかな?

城郭都市?回りを高さ5mくらいの塀で囲まれている都市にしては小さいかな?

たぶん、直径で1km無いくらい、そういえば女神様が人族の範囲は狭いといっていたから、これくらいが普通なのかもね。


見てると何の手続きも無しで普通にみんな街に入っているみたいだから、俺も同じように入るか。


っと、門番の前を通り過ぎようとすると、いきなり声をかけられましたよ。


「おい、見ない顔だな、どこから来た

 そしてこのキルシュの街に何の用だ」


おおと、仕事をしていないかと思ったら、ちゃんとしてますよ、この門番

「えっと、旅のものなんですけど、落ち着けるところを探していて、できれば、この町で冒険者になりたいんですよ」


「ああ、旅のもので、冒険者になりたい?

 よそ者が、この街でねぇ。変なことを言うやつだな?

 まあ、良さそうな剣も腰に差しているし、がんばりな。冒険者ギルドは、ほらすぐそこ、あの剣と盾の看板の建物だ。

 入って正面に受付がある、そこで話をするんだな」


あれ、俺変なこといったのか?

旅のものが冒険者になるって変なのかな?いや、冒険者でも無いのに旅に出ているのが変なのか!

そういうことね、なんで、いまさら冒険者登録するの、もっと早いとこしておけよということね。

まあ、今日この世界に来たばかりだからね、遅いわけじゃ無いのよ、説明できないけどね。


まあいい。とりあえず、冒険者ギルドへゴーだ!


そう考え、佐藤啓太は冒険者ギルドへ向かっていった。

わざわざ説明してくれた門番を放置して.....


「おいおい、こっちは無視かよ。

 まあ、わざわざ別の街で冒険者になろうってやつだ、まともなやつのはずが無いか

 問題を起こしてくれるなよ...」



***【冒険者ギルド 受付】***

なんか、変なのが来ましたよ。

いきなりやってきて冒険者ギルドに入りたい?

どこかの推薦状も何も無し、身分証も無し。

ギルドに入ると言うことは、ギルドが身分を保証すると言うこと、そんなわけの分からないやつを入れれるわけ無いでしょうが。


「えーと、さとうけいたさんですね。

 ギルドに加盟したいとのことですが、紹介状も、推薦状もましてや身分証も無いと言うことは、最下層の小僧からのスタートになります。

 まあ、ご存じだとは思いますが、この小僧というクラスは正式にはギルド員ではありません。

 ギルドから何かしら仕事をもらってはたらく、準構成員と言ったところですかね、このため、登録はいたしますが、ギルド証の発行等はありませんし、何かあったときにもギルドは関与いたしません。

 その代わり、ギルドの年会費は不要となります。」


「へっ。ギルド証もらえないの?

 ギルドに入って身分証を手に入れて、ぶいぶい活躍しようと思っていたのに。

 それに、年会費って何? お金取るの?」


「は?

 何当たり前のこと聞いているんですか?

 どこの誰とも分からない人の身分を保証するわけが無いでしょう

 それに、ギルドですよ、冒険者の互助協会、冒険者の皆様からの会費で運営しているに決まっているじゃ無いですか。

 そうでなければ、何でギルドの運営費をまかなうと言うんです?」


「えっと、依頼金から何割か取るとか、魔物の素材の売却益とか.....」


「ああ、そう言ったところはありますよ。

 依頼金からは1割がギルドの取り分ですし、魔物の素材も買い取ります。

 でも、魔物の素材とかは、直接商店か職人に持って行った方が高いので皆さんそうしてますね。

 ギルドに持ち込むのは解体などができない人に限られます。

 まあ、解体ができないと、魔物の死体全てを持ってくる必要がありますので、

大体の人は早い時期で解体を覚えますけどね。

もしくは、小僧の頃に解体の依頼を受けて練習するか、銅級になった当初に自分で刈った魔物を持ち込んで、ギルドに解体補助の依頼をするかですね。」


「はあ、解体補助の依頼?」


「ええ、ギルドの解体場で解体の専門家が横にいる状態で、どう解体して、どこの部位がお金になるか教えてもらうんですよ。

 何度かそうして教えてもらえば、自力で解体ができるようになりますので、それ以降は換金部位だけど持ち帰れば良いと言うことです。」


「はあ、なんか、面倒くさいんですね....」


「まあ、面倒くさいと言えば面倒くさいですね。

 その面倒くさいことをしたくなければ、まるごと持ってきて、ギルドにそのまま売るか、解体の依頼を出せば良いのですよ。

 まあ、あまり儲からなくなりますけどね。」

「まあ、それはそうとして、サトウケイタさん。

 登録を行いますので、年齢とできることをお教えください。」


「あ、はい、年齢は14才、中二です。

 できることは、戦闘全般、俺はすっごく強いですよ。」


「はい、14才と、中二って何だろう?まあいいか。

 そして、一応戦えると言うことですね。

 それ以外にできることはありますか?

 解体とか、製薬、農業、動物の世話、この辺はどうです?」


「へ、いや、剣術(極)だし、体術(極)もありますし、魔法も使えます。

 でも、解体とかはしたことありませんし、製薬?農業?なんでこの辺が出てくるんですか?」


「え、解体未経験だし、農業とかも経験が無い.....

 一体どこで何をしていたんです.....」

(ああ、どこかの坊ちゃんか、剣術とか体術とか,家庭教師についておだてられた口だな。

 俗に言う、役立たずか、そういえば、良さそうな剣を腰に差しているな、見かけ倒しの剣の可能性もあるけど、要調査だね、良いものなら、有効活用できる人の元に行くべき)

「・・・・・小僧の間の主業務は、農家の手伝いや小間使いですよ。

 実際、今紹介できるのは、干物作りの補助と、下水掃除、森からの伐採した木々の運搬位ですしね」


「下水掃除に、運搬って....

 いや、俺マジに強いですって。

 ドラゴンにだって勝てますよ。」


「はぁ、そうですか、ドラゴンに勝てるくらい強いと。

 ああ、そうなのかもしれませんね、でもですね、良―く考えてください。

 私たちはあなたと今日先ほど会ったばかりです、あなたのことは全く分かりません、自己申告だけですね。

 そんなあなたのどこを信用して、失敗したら被害が広がるかもしれない危険な任務に出せるというのです?

 ですので、あなたがまずすることは、信用を勝ち取ることです。

 ましてや、あなたはこの街の人ではありません、スタート時点で信用はマイナススタートなんです。

 先ほどいったように、干物作りや下水掃除、運搬などといった細かな仕事を行うことで、少しずつ、真面目に仕事をする、途中で放り出さない、誠実な対応をするといった信用を積み上げていく必要があるんですよ。そしてその上でギルド会員、まずは銅級ですね、になり、魔物を退治するのも問題ない実力であることを証明することが今のあなたの目標になります。

 通常、10才くらいから小僧を初めて、大体15才くらいで銅級に上がりますので、今14才なら、そんなに遅いと言うことはありませんよ、真面目にやっていれば、最短で3年くらいで銅級に上がった方もおられます。」


「通常5年、最短で3年・・・・それまで下水掃除や荷運びしかできない....

 なんとかならないんですか?

 例えば、直接戦って戦闘力を測るとか、俺と言う戦力を5年も眠らせるのはもったいないと思うんですよ。」


「ああ、ですので、先ほど言いましたとおり、戦闘能力の話では無いのですよ。

 あなたが信用できるか出来ないかの話です。戦えるから、強い魔物の討伐を任せるのではありません。

 魔物の討伐は、必要な人数、必要な道具、必要な方法がそろえば大体のものは刈ることが出来ます。

 ですので、このときに必要なのは、強い人材では無く、信用できる人材なんですよ。

 いざというとき逃げないとか、お金をちょろまかさないとか、虚偽の報告をしないとか、そう言った信用です。」

「それに、直接戦うとか危ないことはさせられません。

 剣が当たれば普通の人は死ぬんですよ。出なくとも大けがをする。

 よほどの実力差が無いと無傷で終わらせることは出来ません。

 もちろん、うちのギルドにも実力者はいますよ、でも、そういう実力者を動かすには費用がかかります。

 だれも、ただではやってくれません。

 ですので、何度も言いますが、そういう手間暇をかけてでも正会員にあげた方が良いと判断できる信用をまずは築いてくださいという事です。」

「というか、この辺は当たり前のことですよ?

 もしかして、地元のギルドで同じことを言われたから、別のギルドならいけるかもと言ってうちに来たんじゃ無いでしょうね。

 この辺はどこのギルドでも同じです、信用できない者は信用できるまで観察する、冒険者ギルドで無くとも、革細工ギルドや商業ギルドでも同じですね、あちらは、徒弟として信用を築きますので、全く同じではありませんけどね。」


なんだろう?

この子、打ちひしがれている感じがする...

こんな当たり前のことを知らずに、今までどこで何をしていたんだろう?

もしかして貴族の子供か?

貴族の子供が物語の冒険者に憧れて家出をしてきた.....あり得る。

だとすると、危険な任務はなおのこと駄目だな、何かあったときに取り返しが付かない。


「そういうなよ、メアリーちゃん。

 背伸びしたい年頃なんだろう。」


話を聞いていたのだろろう、ギルド内で暇していたゴンザレスさんが急に声をかけてきた。

ゴンザレスさん、優しいいい人なんだけど、時々冷たい目をするんだよね。


「そういえば、南の渓谷でゴブリンが目撃されたって言ってたじゃない。

 街道からも外れているし、近くに村も無いからどうしようかって言ってたやつ。

 どうだい、その子にそのゴブリン退治でも任せてみたら。

 問題なくゴブリンを退治できるのなら、まあ、依頼内容を考えても良いんじゃ無いか?」

「どうだ、坊主、ゴブリン退治に行ってみないか?」


「ちょ、『はい、ゴブリン退治ですね、任せてください!!』ゴンザレスさん!!」


「南の渓谷ですね、どの辺なんです。」


「そうだな、ほぼ一日歩いたところに幅30m長さ2kmの渓谷がある、川沿いに下っていけばたどり着くから迷うことは無いだろう。

 そこで、ゴブリンが数匹目撃されたという話だ。」

「巣が出来るまでは行っていないだろうが、出来るとやっかいだからな、その前に始末したい」

「残念ながら、まだ正式な依頼にはなっていないからな、報酬とかは無いけどな、実力を示すのにはちょうど良いだろう?」


「分かりました。ゴブリン数匹ですね。

 サクッと倒してきますよ。」


「ああ、まって」


って、行ってしまった....

これ、結構まずいんじゃ無いかな?


「ちょっと、ゴンザレスさん、何やってくれるんですか」


「まあまあ、メアリーちゃん、ああいうくそ生意気なガキは一度痛い目に遭わないと分からないって」

「まあ、戻ってこれればめっけもの、くそガキ一人減ったからって、ギルド的には問題ないだろう」


「やっぱり、そんなことだと思いましたよ。

 でもですね、あの子の腰の剣見ました?

 見た感じかなり良さそうな剣ですよ。

 そしてあの言動....

 たぶん、あの子、どこかの貴族のご子息だと思いますよ。

だとすると、うちのギルドからたぶらかされて出ていって死んでしまったとか、問題にしかならない気がする」


「ああ、そうだね、見た感じこぎれいだし、服装も良さそうだった。

 だから、依頼では無く個人の判断でゴブリン退治に向かったと言うことだろう」

「別にギルドを通した依頼って分けでは無い、俺は南の渓谷にゴブリンが出ているという噂話の独り言をつぶやいただけだし、メアリーちゃんはギルド職員としてまっとうな話しかしていない」

「その独り言を聞いて、どこかの坊やが俺ならやれると、勝手に判断して渓谷に向かっただけさ、何の問題も無い」


「そんな簡単に済めば良いんですけどね、貴族が絡むと変に面子とか出てきてわけが分からないことになることが多いんですから」


「だからこそだよ、貴族の子供がゴブリンなんかに負けるはずが無い。

 だから、もし死んだとしてもそれは貴族の子供ではない別の人だったという事になるのさ」


「だと良いんですけど、問題ごとはごめんですよ。

 ただでさえ、西も森での魔物騒ぎでうちのギルドはてんやわんやなんですから。」

未構成員:小僧

銅級

銀級

金級

の順番です。

金級のなかで、有名になればネームドになる感じ

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