普通とは?当たり前とは?
私はあの日、あの場所であなたに会わなければ
こんなに豊かな感情も、誰かに対する興味も欲も
恋とは、愛とはなにか知らなかったでしょう。
『ジリリリリ』
毎朝6:00に鳴る目覚まし時計。
『いただきます』
6:30に食べる朝食。
『行ってきます』
7:00に家を出て7:16に出るバスへ乗り学校へ向かう。
私の名前は『琴吹つばさ』
決まった時間に起きて、決まった時間に寝る。
規則的でつまらない生き方だと他人には思われるかもしれないが
私自身にとってこれが当たり前なのだ。
やりたいことも、好きなもの嫌いなものも、特技も取り柄もなにもない。
強いて言えば昭和の親父くらい頑固なくらいだ。
今日から始まる高校生活、不安も期待もない。
『~~~は、なん組だった?』
周りの人は同じ中学校同士仲のいい人で固まっている。
私には関係ないのだが。
いつも通り過ごしていれば何事もなく終わる高校生活だ。
~入学式~
『続きまして新入生代表挨拶に参ります。新入生代表、琴吹つばさ。』
『はい』
新入生代表挨拶と言っても決められたことを言うだけだ。
ただすらすらと覚えてきた文章を読み上げる。
普通の人なら緊張するんだろう、でも私はなにも感じない。
~ホームルーム~
ガヤガヤしているクラス
私は窓際の一番後ろという勉強するには最悪の場所だ。
ゆい『その席いいなぁ、交換してくんない?』
見た目がギャルっぽくて色んな人と喋ってた、八方美人なのかな?
つばさ『決められた席なので』
ゆい『席って決められてんだ、、、了解、ありがとう!』
ガラガラと戸を開ける音『ホームルームはじめるぞぉ』
強面で短髪の若い男性が入ってきた。
女子もきゃっきゃしてるし、俗に言うイケメンとやらなのだろう。
『今日から担任の安部としきだ
早速だけど学級委員を2人決めたいんだがやりたい奴いるか?』
つばさ『はい』
としき『おー、もう1人やりたいやついるか?』
前の席の男子が振り返り、つばさの顔をじっと見る
つばさ『なにか?』
???『新入生代表もやって学級委員もやって何が楽しくてやってんの?』
つばさ『代表挨拶は学校が決めたこと
学級委員は自分でやった方が円滑に進む』
???『てことは、楽しくはないってことでしょ?普通じゃないね、
人生損してるよ』
多分だけどこのときの私の顔はびっくりしたのとイライラで
すごい顔になっていただろう。
生まれてはじめて人に対して嫌悪感を抱いた、あと殺意。