所長クライブとバトル
「くそー!インセクトクイーン!やれー!」
ジルブライト騎士隊長の号令により、インセクトクイーンの鎖が外されミコトに向かってインセクトクイーンが羽を広げ飛んでいく。
ブブブ⋯⋯
鋭い羽音とともに移動していく。巨体のわりにすばやい。
だがルシファーとミコトが小競り合いをする中に入っていったインセクトクイーンは運がかなり悪かった。
「うぅ…ルシファー様でも許さないんだから!轟く雷の如く粉砕して!サンダーボルトシャルーア!」
「ミコトひとまず一度寝てもらうのだ!重力波衝撃」
『グシャァ』
二人の攻撃が激しく交差し、大きな音を立てて、インセクトクイーンは粉々になってしまった。
「「あっ…」」
「えっ?」
小さな声と共に、沈黙がこだまする。
二人は手を止め、粉々になってしまったインセクトクイーンを見つめる二人。
その後ろでジルブライト騎士隊長が事態に理解できず唖然としている。
ミコトはプルプルと震えだし赤いオーラがミコトの周りに渦巻いている。
「ルシファー様のばか~!!!!」
「ミコト!不可抗力なのだ~」
ルシファーが危険を察知し、一歩ずつ下がっている。
ミコトの手に鎚矛が握られ振り下ろされ凄まじい速さで鎚矛が地面をえぐる。
「ちっ」
ミコトは舌打ちをしてルシファーに向き直り数発打ち込むがルシファーは寸前で回避し、ミコトは地面に何個かクレーターを作ってしまった。
所長クライブがさっきの戦闘を見て目を輝かし、ウズウズしたようだ。
「おいおい面白そうなことしてんな。我慢できん!俺も混ぜろよ」
所長クライブがルシファーが回避している場所にはいっていく。
ルシファーの動きを見ながら、ミコトがクライブに反応する。
「あんた、なんか用?今忙しいの。邪魔すると殺すわよ」
「威勢のいいねえちゃんだな。嫌いじゃないぜ。俺も腕には自信があるからな。大丈夫だぜ」
「マスターっ」
半泣きのルシファーの声に夏樹は考えを張り巡らす。
ミコトとルシファーの仲裁に入りながらクライブを満足させなければならなくなってしまった。
「ぬう小娘め!やってくれたのう!」
その時、アバリムが首を動かしがれきから這い出てきた。
アバリムはすばやく影に潜り、ミコトの背後に移動し、攻撃をしかける。所長クライブにも巻き添えで攻撃がはいっている。
「おばさん邪魔すんなし!」
「かー!!これはすげーな!こんなワクワクするのは賢王ぶりだぜ」
予想以上に激しい戦闘はクライブに取って、ものすごく新鮮だったようだ。ただ巻き込まれただけなのだが…
四人の戦闘はかなり熾烈を極めている。収拾が付かない。どうしたものか。
『ルシファーなにかミコトの機嫌をよくできる方法はないかな?例えば虫が大量に飛んでくるとか』
『虫…あっ良いのが居るのだ!!あいつならミコトを満足させることが可能なはずなのだ。頼むのだ!《配下召喚》ベルゼブブ!!』
ルシファーの前に魔法陣が展開され、青白い六芒星が現れる。
ミコトの鼻がヒクヒク動いて反応する。
「ちわー。ルシファー様おひさです。わっちに御用でありんすか?」
緑のメガネをかけた頭に虫の赫眼がついているちいさな悪魔が飛び出した。
「ベルゼブブ待ってたのだ!さあ早く虫を大量に呼ぶのだ」
「おっと急でありんすね。あっ!!あいつは第一級戦犯のベヒーモスではないっすか!わっちの眷属を蹂躙する魔獣を退治するんすね。それなら遠慮しないでありんす。いけー《飛蝗害》ひこうがい」
ベルゼブブの叫びとともに空気が振動し始める。
大きな羽音とともに飛びバッタが大量に空を埋め尽くし、ミコトに向かって勢いよく飛んでいく。
「うわ~♡」
みことが飛びバッタに取り囲まれ喜んでいるな。
とりあえずミコトはなんとかなりそうだからクライブに集中しないと…
続きが読みたい、面白いと思った方評価、ブックマークをお願いします。つまらないと思った方でも星評価ひとつでもいれていただくと励みになります。よろしくお願い致します。