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魔術師の痕跡を追跡する

『ああ⋯⋯やってられないよ』


 グランベヒーモスが悔しげに呟き地面に倒れ伏せる。グランベヒーモスが縮んでいく。勝負はついたみたいだな。


「ミコトは魔力が底をついたようなのだ」


 グランベヒーモスが魔力切れを起こしたようで、動けなくなったらしい。


『ふぃー。疲れたぁ』

ベリルが飛んでいたが、戦闘が終わり地上へ降りてくる。


「ふんっ。ルシファー様に歯向かうからだ」

 なにげにパイモンが一番攻撃してた気がする。殺気が入ってたから手加減はしてなかったみたいだ。


「ひさびさに歯ごたえがある戦いができたな」

 アバリムは楽しそうに充実感を得てニコニコしているな。


「やっとかぁ⋯⋯怖かったよー」

 シェールは怯えながらも精霊の加護を使い、戦いぬいたのだが、防戦一方であった。


「攻撃が通らなかったのです」


「猫娘は、魔力操作がまだまだなのだ⋯⋯訓練のレベルをあげるように帰ったら言っとくのだ。ついでにエルフも入れておくのだ」


「「えええっ!?」」


 レオナは魔法も獣化もほとんどの攻撃がグランベヒーモスに効いていないようだったのでルシファーに絞られている。


「はぁはぁ⋯⋯畑もめちゃくちゃだよ」

 グレアが畑が壊滅した惨状を嘆いている。


『いっぱい斬ったの!力が溢れるの!もっと斬りたいの!』


 久しぶりに白亜が喋ったと思ったら、魔獣を斬ったことにより魔力が上がったみたいである。白亜は力が溢れると切れ味があがるから、もっと斬りたいと言っているが無視しておこう。


「なんちゅう連中なんや⋯⋯すさまじいわ」

アクアは戦闘には入っていない。戦いを見て息を呑んでいた。

 

『悔しいよ~!でも私まだ本気じゃなかったんだから!つい知り合いだからいつもの調子がでなかったんだから!』


 グランベヒーモスが目を開いて、言い訳している。ゴロンと横に転がり足をバタバタしはじめた!


 ガスガスと足踏みが轟音の地響きになり木霊しているのを見かねたルシファーが一喝する。


「ミコト!いい加減落ち着くのだ!」


 ルシファーの言葉にビクッとしてグランベヒーモスが光輝き、人の姿になる。紫色の髪の毛の金色の角が生えた女子高生に姿をかえ、目には涙を貯めている。どうやら人化できるみたいだ。なぜ制服なのかは謎だ。


『びぇー!!ルシファーさまのろくでなし!悪魔!⋯⋯ぐすぐす』


 グランベヒーモス(ミコト)は泣き止まず、じたばたしているのをルシファーは困り果てている。


「マスター⋯⋯なんとかならないか?」 


「なあルシファー?そもそもグランベヒーモスが怒ったものは、どんなものだったんだ?」


「確か⋯⋯残されていた物は、盛大に破壊された宮殿にあったのは⋯⋯ミコトからの魔力レターと馬肉だったのだ。ミコトは基本、昆虫が好きでよく穴を掘って食べてたのだ。けれど肉は食べる所をみたことないし、出されると機嫌が悪くなった事があったからよく言っておいたのだが⋯⋯特に馬は口にしないはずだったのだ。

 魔力レターにはミコトの親友だった魔馬が、行方不明になり、その時、食事に用意された肉の臭いが、魔馬と同じだったとも書いてあったのだ。その後侍女に聞いても、食事を用意したものが誰だったか、わからないともいっていたのだが、魔力レターには我輩が用意したと言われたと書いてあったのだ」


「好物が虫⋯⋯と嫌いなものは馬肉かぁ⋯⋯」


 日本に住んでいた記憶がある夏樹()にとって虫を食べるのは、ほぼないに等しかった。普段食べないものには若干抵抗がある。

 ただ昆虫食は夏樹がいた頃は密かにブームが来ていて聞いたことはあった程度である。栄養価が高く高たんぱくな、バッタなどは足を取るとエビのような味がしてうまいとも聞いたことはあった。

 親友だった魔馬の臭いがしたお肉って⋯⋯トラウマもんだぞ。

ただ⋯⋯用意したのはルシファーだとグランベヒーモス(ミコト)に言ったやつがいるな。


「なあグランベヒーモス⋯⋯お前にルシファーが食事を用意したって言った奴はどんな奴だったんだ?」


『私の名はミコトよ!ルシファーに言われて余が用意してやったぞって言ってたわ。ルシファー様と同じで堕天使だったかしら⋯⋯確か名前はイブリースって⋯⋯それから私怒って暴れて、イブリースに外の世界に来たら魔術師が魔馬を復活させてくれるって言われてここに来て⋯⋯魔術師に会ってから⋯⋯』


「めっちゃ犯人いたぁ!」思わず声が漏れました。


「イブリース!!我輩の宮殿まで来て好き勝手してたとは!」


『えええっ!?イブリースが犯人なの?私てっきり⋯⋯』


「マスター!どうやら、ここの土地で魔術師が何かしようとしてたみたいなのだ」


「土地を壊して、食料を確保できなくしたのかな⋯⋯」


「ミコトを利用した奴は許せんのだ!まずはイブリースの場所を魔術師に吐かせるのだ!」


「魔術師ねぇ⋯⋯どうやって痕跡をさがすの?もう大分経って魔素の残り香も残ってないんじゃないかな?」


 シェールが魔術師を追う方法を聞いてくる。


「マスター?何かできないか?」


 ⋯⋯そうだなぁ。『天地万有の声』が反応し、当てはまりそうなものを探してくれる。

 現代の職業でいえば『鑑識官』だな。スキルの『鑑定』もあるから更にスムーズに進みそうだ。そうだ!ルシファーの『気配感知』と『観察』も使おう。


「『ジョブチェンジジLEVEL-3』――《鑑識官》」

 鑑識官とは警察官の鑑識課が犯罪などの痕跡を調べる為に指紋、足跡、毛髪、血液、微細・微量な繊維片、塗膜片、毒物などの証拠資料を発見・採取、写真撮影などを科学の知識や技術を応用し、用いるものだ。それに鑑定スキルとルシファーを使って、科学とファンタジーの融合技パワーで魔術師の場所やミコトの話を聞いてモンタージュも完成させよう。


「ルシファー手伝ってくれ」


「任せるのだ!」


 まずはルシファーに《気配感知》と《観察》をしてもらって怪しいところを、くまなく探してと⋯⋯。


「こことここが怪しいのだ!」


 どれどれ⋯⋯。おっ⋯⋯ゴシゴシ⋯⋯あっ指紋があるな。

他には⋯⋯と毒物とかは浄化されたからなさそうだな。


『上級鑑定』を使って調べると詳しく内容が記されてるな。

 あとはミコトにどんな魔術師か話を聞いてと⋯⋯。


「認識阻害を使ってたから、覚えてるわ。まあ私にはあの程度なら効かないけどね」


ふむふむ⋯⋯。鼻は縦長で耳が短い⋯⋯黄色と赤毛の男か。

 

 こんな感じかな?


「⋯⋯!!?」


 グレアとアクアの顔つきが変わる⋯⋯!



















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