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寮にたどり着く。

 学問都市の寮にたどり着くと、そこは大きな2つのマンションがあった。


「なかなか発展してそうな場所だな」


「学問都市の自慢の寮なんや!」


「やっと来たか。待ちくたびれたぞ」


 強面な上に傷が入った屈強なマッスルボディを持った人が入り口で待ち構えていた。眼力がすごい。アクアがもうしわけなさそうに謝った。


「堪忍や!グレア姐さん待たせたなぁ」


 ねぇさん⋯⋯⁈どうみても男の人にしか見えんぞ!恐るべし異世界!まさかホムンクルスか?


「ん?グレア姐さんは人間やで?あと寮母さんや!」


 アクアが夏樹()の独り言が聞こえてたようで反応してる。

思わず声が漏れたようである。


「おもしれぇ⋯⋯人間のくせに強そうな匂いがするぜ」


 パイモンが珍しく興味を屈強な女性に視線を向けている。


「うぉぉ⋯⋯オーラがすごいぃ⋯⋯相当強そうな方ですねぇ」


 シェール⋯⋯少し目をそらしながらグレアさんを見てるけど⋯⋯若干ハァハァいってるし怖がってるように感じるな。


「はわわ⋯⋯寮母なんですね。てっきり先生かと思ったのです」


「ハハハ!!!よく言われるな!しかし私のほうが偉いぞ!」


「ええぇ⋯⋯」


 レオナは威圧感で萎縮してしまってるな。


 夏樹()も威圧で少しヤバい。


「マスターは状態異常回避をつけたほうがいいのだ」


 ルシファーが教えてくれる。


 ⋯⋯状態異常回避?頭でイメージすると天地万有の声が補助してくれているのか浮かんでくる。


 これか⋯⋯。『ジョブチェンジLEVEL-4』『アイギス』世界無効(ワールドキャンセラー)セット。


 アイギスはブレイブアスガルドの盾職の名前だ。常時発動スキルは状態異常を強制的に解除するスキルなのか。味方のバフも消えるし、ひたすら脳筋の盾役みたいだな。己の強さを求める人が使ってたのかぁ⋯⋯。呪いや病気にも打ち勝つし、これはすごいな。 


『――威圧を防いだ!恐慌状態を回避しました。

――怪しい魅了を防いだ!催眠状態を回避しました


 威圧のほかにも変な状態異常があったな。


「ほぅ⋯⋯おまえ状態異常を防ぐのか。面白い人材をつれてきたな。まあ早く入るんだ。日も落ちると危ない。男はこっちで女は向こうだ」


⋯⋯日も落ちると危ない?


「さぁルシファー様行きましょう!主殿も!」


 パイモンがぐいぐい引っ張ってくるな。


「ああっ⋯⋯我の役目がどんどんなくなっていく⋯⋯」


 アバリムが恨めしそうにこっちを見ている。


「まあまあアバリムさん気晴らしに食堂で何か食べましょう!」


 シェールは通常運転だな。


「あのぅ⋯⋯ベリルさんはどうするのです?」

 

『もちろんご主人様と一緒だよ~』


 パタパタと夏樹()の所に飛んできている。


「ドラゴンか⋯⋯どうしたもんかな。珍しいからと学徒の標的になるかもしれんな」


 グレアがベリルを繁々と見ているがベリルは気にする様子はない。


『大丈夫!僕強いもん!』


ベリルがひと鳴きし、目を細めてグレアを見つめる。


「ベリルは大丈夫なのだ」


「ふむ⋯⋯そうか。なら心配はするまい。念のため他の学徒と相部屋にならんようにしよう。食堂は寮の真ん中にある中央の建物がそうだ。だが飯の時間は終わってるから飯には使えんぞ。学食は当番制なんでな。当番以外は使用できんのだ。」


「なんですと~!!」


「ぐぬぬぬ」


 シェールとアバリムが落ち込んだな。


「ほな。あんさんたちまたな!うちもまだやることあるから、すませてくるわ!」


「アクアありがとな」


「?!『アクア』だと?おい!P-3000に何を言ってる?」


「あちゃー⋯⋯グレア姐さんこれはなぁ⋯⋯」


「規約事項にあったはずだぞ。お前まさか⋯⋯」


 グレアが強ばって少し暗い顔になる。


 規約事項?アクアの名前を呼んだだけなんだが⋯⋯何か問題があるのか?グレアさんもアクアも様子がおかしいぞ。


「うちが決めたんよ!この人たちは関係あらへん!」


「そうはいかん!お前には責務があるだろうが!」


「なぁどうしたんだ?」


「なんでもあらへん!これはうちの問題や。気にせんといて」


「待て!関係がないかは調べてからだ。時間が時間なために、また明日確認させてもらうからな!さあさっさと部屋に行くんだ!お前たちの部屋は4階だ。各部屋には鍵があるから安心して過ごすんだな。エレベーターがあるがお前らなら使えるかもな。まあここ20年は動いたのを見たことがないがな」


 グレアさんは途端に機嫌が悪くなったな。


「ほなまたな!」


 アクアが走ってどこかへ行ってしまった。


 建物の中に入ると、広間にエレベーターがある。ただし魔動式のエレベーターになっているので魔力を入れないと動かないみたいだな。ほとんどのものがエレベーターを使えず、上がることができず階段で上がり降りするみたいだ。


 夏樹()も触ってみるが魔力がすごい吸われる。うん。これは無理だな。


 パイモンが夏樹()が触ってた場所に手をかざす。


「むん!」


 ギュオォォ⋯⋯


 パイモンが魔力を込めると魔動式エレベーターが異常な音をあげる。


「これで100年は使えると思います。主殿はお疲れの用だったみたいですね。この程度なら楽勝なものですよ」


 ⋯⋯いえパイモンさんや⋯⋯今のエネルギー量は凄かったです。

 あのエレベーター変な音したよ⋯⋯。


「なんの音だ!」


 グレアが走ってくる。


「いえ⋯⋯パイモンが魔力をエレベーターに込めた音でして⋯⋯」


「魔力を込めただと?蓄電式ではないはずなんだが、一回づつしか使ってるのを見たことがなかったんだがな。ふむ⋯⋯最上階までのランプまでついてるのか⋯⋯興味深いな。」


「はぁ?お前この程度も動かせんとは笑わせるなよ!少しの魔力で100年は動くわ!」


 パイモンさん⋯⋯ブーメランです。


「ハハハ!面白いな!明日が楽しみになってきたぞ!特別に最上階を使え!これが鍵だ。そこなら誰も上がってはこんし、いいだろう」


 こうして俺たちの寮生活は始まったのだった。


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