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P-3000に名前をつける

 学園に入場した夏樹()達は門をくぐって案内をされる。


 入場登録があるみたいで本触り登録をする。はじめは学園内で生活をして、優秀なものが近衛騎士養成所に行くことになるようだ。


 ここでは成績を評価されることで順位が上がるみたいだ。


 学問では学園が優先され、優秀なものが武術を知る事ができる。そして武術を兼ね備えたものが、近衛騎士の養成所で順位をあげることができる。優秀なものや力のあるものは学徒隊に選ばれ学園内を統括しているようだ。


 そしてP-3000の様なホムンクルスと呼ばれる人造人間は学長のそばにいる3人いるらしい。


 少しP-3000は落ち込みながら話す。口調は日本人みたいな喋り方をするなぁ。


「ウチはなぁ感情型なんやけど機能がよくわからんらしく、他の姉様と兄様に比べて、性能が劣っていると、よくパパに言われるんよ。管理者は他にもいたんやけど、姿が見えなくなってしまったんや⋯⋯ウチはパパに言われて学園内のデータを管理をしとるんよ」


「感情型?ところでパパって誰なんだい?」


 P-3000に質問する。


「ん?パパは賢王ジャービル・マリーンや」


「ねぇねぇ貴方、名前はなんていうの?」


 シェールがP-3000に聞いてくる。


「ん?名前はないんや。ウチは認識番号プロトタイプ3000番なんよ。よく呼ばれるんわP-3000や。感情型は人に近いんやて、そんでデータ管理者代理をやっとるもんや」


「ふーん⋯⋯ならなら!貴方はアクアちゃんで!海のように綺麗な髪をしてるし!師匠に聞いた話の中でもアクアマリンって凄い綺麗なんだよ~」


「おい!シェール!」


「ははっ。変わったエルフさんやなぁ。アクアかぁ⋯⋯アクアマリンってパパみたい!名前なんて初めて言われたけど嬉しいもんやね!気に入ったわ!お礼に特別に珍しいとこ案内したる!」


「珍しい所?」


「おう!書庫や!」


「書庫!!如月様早く行きたいです!」


 レオナの書庫と聞いた食いつきが半端ない。ぐいぐい押してくるな⋯⋯。


「わかった、わかった、じゃあ案内してくれるかな?ええっと⋯⋯」


「アクアや」


「アクアですよ」


「そうだったな。宜しく頼むよ、アクア」


「かしこまりや!」



◇◆◇◆◇◆



「こっちやでー!」


 アクアの手が夏樹()を引っ張り足早に進んでいく。


 学園の中から少し外れた場所に書庫は存在した。アクアが先導した先のキーパネルに手を触れると入り口があらわれた。


「ここは忘れられた書庫なんや」


「忘れられた書庫?」


「過去の技術や知識が入ってるんよ。それにな古代文字を読めるもんはほとんどいてへんし、使えるもんわからんから、お役ごめんってところがほとんどやね」


「私読めますよー!」


「古代文字⋯⋯少しだけこの前バティンさんの勉強会にでたのです」


『僕も読めるようにはなったよー』


「古代文字かぁ⋯⋯我輩達がやるのは大体それだから日常的なのだ」


「ふっ⋯⋯楽勝だ」


「強い魔術や魔法は古代文字からくるのにやはり人間達ではその程度か」


「ほんまか!凄いな!ウチでもわからんのもあったから、是非教えてな~!」


 俺も上級鑑定があるが効率がわるいな。良さそうなのは⋯⋯と、よし。


「ジョブチェンジレベル3『翻訳家』」

 翻訳とは外国語を日本語に直す仕事をしている人達の事だ。

 本の内容が浮かび上がり表示されている文字を変えていく。


 古代文字も翻訳されるとは、とても便利な機能だな。


「ほー。また面白いことをマスターがやってるのだ!我輩も真似するのだ」


「ルシファー様!是非お任せください!」


 こうして本の翻訳に没頭して日が落ちていくのだった。


あたりが暗くなってきたのでアクアが慌て出した。


「あかん!すっかり忘れてしもた!暗くなる前に寮にはいってもらわな、あかんかったんや!ごめんけどサクッと寮にいこか!」


「おい、てめえルシファー様に迷惑をかけるなよ!」


 パイモンがアクアを見てため息をついている。


「なら早く寮とやらにいくのだ!」


 ルシファーは新しい場所にいくのを楽しみにしている。


「寮は男女別になってるから連絡を取りたいときは食堂に集まるとええわ」


「ううっ⋯⋯寮かぁどんなのだろ⋯⋯師匠と別れるのは少し不安があるなぁ。レオナさん!離れないでくださいね!ってあれ?レオナさん?」


 シェールがレオナに声をかけていたようだがレオナは本に夢中で聞こえてないみたいだ。


「⋯⋯はい?シェールさん?なにか言ったのです?あとすこしでこれが読み終わるので、待ってもらえないですか?」


「レオナ⋯⋯時間切れみたいだからまたの機会にしてくれ」


「ええっ⁈そんな!!」


 シオシオと萎んでいくレオナを背中にベリルが乗せる。


「むぅ⋯⋯我は小娘どもと一緒に寮にいくのか⋯⋯ふむ」


 アバリムが少し考えたように腕組みをしている。


「ほんま堪忍や!とりま寮に連絡を入れるから少し辛抱してな?」


 アクアが腕時計を操作し、連絡用モニターに切り替える。


ピピピ⋯⋯『ウチや!今日の試験合格者が寮に行くから準備したって!頼むで!』


『⋯⋯。⋯⋯!』


「オッケー出たみたいやからいこか!」


「じゃあみんな!いこうか!」


「「「「おおっ!!」」」」

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