閑話 ルキフゲの生活
妾はルキフゲ・ロフォカレと申す。久々にルシファー様に会ったら新しい街を作りをするように頼まれたわ。
ルシファー様が最近はどこに隠れていたのかと思っていたが、こんな世界にいようとはね。人間と契約まで交わしているとは驚いたわ。
精霊界と違って、今度は種族が色んなのが多いわ。
人族の中に人間とエルフとドワーフ、獣人にディノサウルスロイドにマーメイドまでいるなんて。 ⋯⋯悪魔達は呼んでもいいのかねぇ?
まあパイモンやバティンまでいるんだから少しだけなら問題はなさそう。
魔物も使ってもいいみたいだし、てきぱきしないとルシファー様が怒るわ。
妾のすむ場所はと⋯⋯ほほぅ。これを元に制作してるのか。
じゃあ何時でもルシファー様の住む場所から離れない所に制作してもらうとしよう。
仮の住まいはここだな。それで今回の妾のおこづかいはこれだけ。
資料の確認はと⋯⋯。
まずは食堂の味見。あと服を合わせた方がいいのかのう?
とりあえず流行に遅れないように服屋も下見しておこう。
温泉のチェックは夕方に。
それから入館チェックに冒険者ギルドの仕事内容斡旋。
念のため工房ギルドの設置だったの。
建築の進み具合と他のインフラの整備。
結界の強度試験に⋯⋯。
商業ギルドの配給受付と。
人数の帳簿作成⋯⋯。
街の数が3つあるから急がないと。
⋯⋯⋯⋯
⋯⋯⋯⋯
⋯⋯⋯⋯。
ん?報告書では4つ目もある?そこの場所のダンジョンコアとの打ち合わせもあると⋯⋯。
フムフム。まあこんな所だな。
◇◆◇◆◇◆
食堂にいるのはエルフとパイモンの配下のラバルだったかな。
種類はと⋯⋯。
うはぁ( ´Д`)かなりの量がある⋯⋯。
これは少量ずつ出してもらうしかない。
確認作業が追いつかなくなる ⋯⋯汗。
妾は沢山食べるのは得意じゃない~( ;∀;)。
三時間後⋯⋯。
むぅ⋯⋯美味しすぎてチェックの時間が⋯⋯
少量ずつ出してもらったのに⋯⋯半分も終わらんぞ。
中でもお子様ランチスペシャル⋯⋯。
これは量が少量ずつの上、バリエーションが3種もあって有りすぎていかんだろう。
ええい!仕方ない!食堂のチェックは毎日平行してやるしかない!妾の意地を見せてやるわ!
◇◆◇◆◇◆
服屋はと⋯⋯人間とパイモンの配下のアバリムがしてるのか。
ん?オーダーメイドだと?作るのに1日かかる?ええい!またも、時間がくうではないか!
とりあえず飾って有るものを見よう⋯⋯。
生地はと⋯⋯ほほぅ⋯⋯なかなか良いもの使っておる。
ん? なんだと?
妾用は特別製で小屋の生地を使うだと⋯⋯⁈
どれどれ⋯⋯こやつ神獣ではないか!!横にいるのも神虫だし。
いかん⋯⋯おこづかいで買えないかもしれん。
えっ?(*゜д゜*)?妾の服代はいらないと?
⋯⋯いやいかんぞ!タダ働きは妾が許さん!
これでも闇の宰相ルキフゲ・ロフォカレじゃ!ヘソクリから出そうではないか!
⋯⋯ではオマケをつける?アクセサリーを持っていけと?
ふふん。では1日1個持っていくとしよう。
◇◆◇◆◇◆
おかしい⋯⋯。このルキフゲ・ロフォカレとあろうものが、この程度の街作りでこんなにも時間がかかるとは⋯⋯。
仕方ない。分身して仕事を進めよう。
それぞれの街での配分を分けてと⋯⋯。
ふぅ⋯⋯なんとか与えられた仕事の半分は終わったぞ。
次はダンジョンだったな。
ダンジョンに行く冒険者の管理か。確か打ち合わせは広場となっていたな。ここに来るとダンジョンコアが現れると書いてあったのでそこに移動する。
ブゥン――音とともに白亜が現れる。
「あなたがルキフゲね。私はダンジョンコアの白亜よ。待っていたわ。それじゃあ打ち合わせを始めましょう」
広場のテーブルの一角で打ち合わせを開始する。
ここは1階で居住スペースがあるのだな。
この領域に入った時点で人数と名前は把握できるのだな。
⋯⋯⋯⋯ほぅほぅ地下1階と地下2階では食料を確保できるのだな?なるほど⋯⋯地下3階には回復の泉が設置されていると。
そして地下3階から宝箱の設置がしてあると ⋯⋯。
武器が中心に入れてあるというのか。
ここのダンジョンに連れてくる連中の為に山の中にトンネルを掘って転移装置を設置するのだな。
なに?バティンの馬車にも移動できると ⋯⋯そちらはゲートキーがかかっているから大丈夫と。
では雑務は妾の兵にやらせるとしよう。
◇◆◇◆◇◆
2週間経過~。
なんとか形になってきたのぅ。
人の往来も順調であるな。
むぅ⋯⋯食堂に見慣れない奴がおる。
気配を隠しておるが相当の手練れよ。
妾の波動を出しても動じんとは長生きしてみるものよ。
少し見てみるかの。
「お客さんどうしたの?口に合わなかった?」
エルフが食事をしとる奴に話しかけておるな。
むぅ ⋯⋯あれはお子様ランチスペシャル!あれを頼むとは、なかなかの通ではないか!
さっきの気配とは思えんほど薄い気配になっておる。あの机の周りが浄化されとるではないか。
ええい。少し居づらいではないか。
「いえ ⋯⋯久々に美味しい料理にあたって感動致しました。また来れないのが口惜しいくらいです。できたばかりの街とは思えないほどの発展で驚いてます」
そうであろう ⋯⋯妾が本気だせばこの程度容易いのだ。
「おい。おぬし何の用でここへ来たのだ?」
妾が少女に話しかける。
手にしていたハンバーグを口に運ぶ少女。
「ふぅ ⋯⋯怖いですね。安心してください。一目どんな感じなのか顔を出してみただけですよ。ただとても懐かしい香りとメニューに釣られてつい⋯⋯バレないと思ったんですが甘かったですね」
「ふん⋯⋯まあなにもする気がないなら、ゆっくり食事をするといい」
「へぇ寛大ですね」
「妾は優しいからの」
まっ⋯⋯本当は人に危害を加えない。そう言われておるのは内緒じゃ。
それからしばらくしてまたあやつが顔出すのはまたの機会であったのだった。
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