ベルサイズの街でレース参加⑥ マジックスパルタンレース
ルシファー視点――――
「パイモンよ、ルールは理解出来たな?」
「はっ!ルシファー様。魔法を使いレースの相手に障害物を作ったり、対象物を撃ち抜いたり魔物を捕まえるなどをこなしゴールすればいいのですね」
「うむ!実に簡単なのだ!優勝してマスターに誉めてもらうのだ!しかし飛んでは駄目とはなかなか面倒なレースなのだ⋯⋯
」
マスターが魔動バイクレースでいない今、マジックスパルタンレースでランキングポイントを貢献したら、喜んでくれるはずなのだ。
「ルシファー様が優勝できないなど想像がつきませんな。
このパイモンが手足となり、ルシファー様に優勝を捧げましょう!
まわりにはイモムシのようなのしか、いませんし楽勝ですよ。
ささ!このパイモンの背中に乗って下さい!ほふく前進で泥沼を抜けますので!」
そういうとパイモンは円柱に魔法障壁をはり、地面の泥がかからないようにしている。
うむ⋯⋯仕方ないのだ。活躍の場はもう少し先に取っておくとするのだ。
「よろしく頼むのだ!パイモン!」
パイモンの背中に乗っかり熊に乗ったルシファーは金太郎スタイルになる。
「うおぉぉ」
泥沼をほふく前進で凄い早さで抜けていく。
「アイツなんで汚れてないんだ?」
観客が不思議そうにパイモンたちをみている。
「おい!なんなんだあの早さ!でもアイツら、ルール無視してね?」
勿論のこと、ルシファーが乗っかりながら進むのが、駄目なのだがそんなことは知らないパイモンとルシファーであった。
声が聞こえているのはすべて把握しているが、小さなことなど気にしない二人に取っては周りがどういっても関係はなかった。
当然減点対象である。
パイモンにとっては1位で駆け抜ける事しか考えていない。
泥沼を抜けると次は的あてである。浮遊する的に魔法当てることで先に進める。
ラインが引いてあり、そこに立って的を当てる。
消滅させるような魔法は厳禁で、ダーツの的のような作りをしており当てると的の真ん中に当てると点数が加算される。
一応、的当てには魔力弓が用意してあり、魔力を籠めることで矢を作り出すことができる。
魔法で当てるのか、魔力を籠めて、矢を射つのかは自由になっている。
浮遊する中には的が小さく、上下に素早い動きをする的と、的が大きくただふわふわ浮いている的、ほかにも的に色がついていて大きさと動きで小さく動きが多いものほど、点数が高く当てると加算される。
審査員が当たったものを確認する為に常駐している。
ペアだと5枚、1人だと3枚を当てるのが先に進める条件である。
始めに腕立て伏せを100回クリアしてから、的あてをするのがルールだ。
ペアの場合は一人が腕立て伏せをしながら5枚当てるのでもいい。
「ルシファー様。次の場所に到着しました!」
「うむ。何々⋯⋯的あてなのだ。的の中心に当てればいいと。的を消滅させるのは減点なのだな。腕立て伏せをする必要があると⋯⋯」
「では私が腕立て伏せをしてますので、ルシファー様は的あてをお願いします」
ルシファーが魔力を弓に籠める。
「うむ!ではルールに乗っ取ってせっかくだし、弓を使うのだ。⋯⋯《シューティングレイン》」
『天地万有の声⋯⋯発動!弓系のスキル《雲八》を取得しました。
―― 標準追尾を追加しました。
―― フルオート補正向上しました。
―― 貫通向上しました。
―― 射程距離+向上しました。』
放たれた矢は1発が10本の矢になり、それが5発放たれそれぞれの的に当たっていく。勿論ほほ全域にある的の中心にあたっている。
当たった的は浮遊する力をなくし次々落ちていく。
「なっ?」
急いで審査員が落ちた紙を魔法で回収し確認をする。
「よし!終わったのだ」
「さすがですね!もう少しお待ちくださいませ。」
腕立て伏せを急いでパイモンはやっているが追い付かない。
「パイモンもやってみるといいのだ。よしそこから交代なのだ」
「え?ルシファーさま?」
パイモンを起き上がらせ今度はルシファーが腕立て伏せを始める。
パイモンは仕方なく残っている的に水魔法を繰り出す。
「スプラッシュバレット!」
これもまた水の弾丸が中心を貫き、残っていた全ての的が落下していく。
「終わりました!ルシファー様!」
「ん?なら休憩しておくと良いのだ」
脇目をふらず、ルシファーは腕立て伏せをしていく。
「そんな!ではご一緒にさせていただきます」
浮遊していた的が落ちたことで他にいた参加者たちは、困っていた。
勿論審査員も急いで浮遊的を追加するために取りにいっているようだ。
次の場所はストーンマウンテンである。
これが夏樹達にも影響を及ぼすルシファーの魔法が火を吹くのであった。
続きが読みたい、面白いと思った方評価、ブックマークをお願いします。つまらないと思った方でも星評価ひとつでもいれていただくと励みになります。よろしくお願い致します。