ベルサイズの街でレース参加⑤ 参加者レース
一時間たったので受付前にやってきている。
「あまり増えなかった⋯⋯」
パイモンが少し落ち込みながらやってきたみたいだな。
参加は指示通りしなかったから、やはり勝手が違うようだったみたいだ。パイモンが色々やって、少し参加者がトラウマになってないか心配ではある。
「なかなか楽しめたのだ!」
ルシファーはにこやかな笑顔で来ているな。
ルシファーはあのあともケンタウロスレースを荒らしてまわったようだ。
乗るケンタウロス達のいままでにないくらい走りに、観客と参加者は驚いていた。ケンタウロス達が頑張っていたみたいだ。
ランキングポイントにも反映されてるので文句はない⋯⋯。
ルシファーの参加のせいでは大穴ばかり当たって要るため、参加者は軒並みやられたようなのでさらに目立つのはやめておこう。
「楽しかったですわ」
バティンが微笑み満足げにこちらにやってきている。
解放された人魚はバティンのことが気に入った為、オルガ・トゥーレ島の近くに住むことを決めたようだ。
「さてそろった事だし今度はレースに参加しよう。ケンタウロスレースはルシファーが参加したからやめとくとして、魔動バイクレースとスパルタンレースだな」
「なら今度はパイモンと一緒にマジックスパルタンレースに参加するのだ!」
魔動バイクレースと正確には異世界スパルタンレースは異世界とは言わないからマジックスパルタンレースとなっている。
「俺の同伴が必要なはずなのに、そういえばルシファーは、どうやって参加したんだ?」
「変異魔法でマスターに変身して登録をしたのだ。あと腕輪はマスターから転移魔法で少しの間借りてたのだ」
変異魔法で姿を変えたのか⋯⋯。腕輪がなくなったようにはかんじなかったけど、やはり油断ならない。
「ならマジックスパルタンレースには、パイモンとルシファーが参加で魔動バイクレースはバティンと俺がいこうか」
「ええ。そう致しましょう。ところで夏樹様は魔動バイクとは乗った感覚はご存知ですの?」
「扱いはだいたい知ってるよ。スキルで補助もできそうだしいい線いくと思うよ。ただ、今回はサイドカーで勝負しよう」
「サイドカーですの?⋯⋯ふむ。わかりましたわ⋯⋯夏樹様に考えがあるのでしょう」
「ルシファーたちもペアで挑戦してくれよ」
「はっ!承知しました!」
「わかったのだ!さあいくぞ!パイモン!」
「久々のルシファー様との活躍胸が踊りますな」
ルシファーとパイモンが走ってマジックスパルタンレースの会場へと向かっていく。
「ちょっと待てよ~!登録を俺が済ますから~!バティン追いかけよう!」
「仰せのままに。では私しが夏樹様を連れていきますわ」
「え?ええっ?」
なぜかお姫様だっこをされ、凄い速さでルシファー、パイモンを追いかける⋯⋯バティンの男らしさにちょっと胸が高鳴る⋯⋯。
いかんいかん⋯⋯。
なんとかルシファー達に追い付き受付で登録を済ませると、バイクレースはインターバルの為少し時間が空いている。
「さてと登録も済ませたし、バティンは本当に運転する方でいいのかな?」
「ええ。私しはやはり手綱を握るのが好きですの」
手綱って⋯⋯。まあバティンに任せてみるかな。
レース人気は、最低のサイドカーなんだけど、楽しみだな。
バイクは借り物だから、いじれないんだよね。
――――各レースの参加者はゲートにお集まりください。
アナウンスが流れて移動が始まる。
⋯⋯いよいよレースが始まるな。
「見ろよ!サイドカーがいるぜ?」
「レースに勝つ気ないだろあれ!」
「とはいえ勝ちそうな連中は皆降りちまったし、誰にかけたらいいんだ⋯⋯」
サイドカーは人気はないとはいえ、ヤジが飛んでくる。
レースには参加者がトラウマになったとかで、バイクに乗れないのが出てきてるんだよな。
バティンが髪を束ね、気合いをいれている。
運転する魔動バイクはBWMのソアラーモデルをイメージしたようなスポーツタイプのL1200RSに似た魔動バイクのwL1300RXのサイドカーだ。
「頼みましたわよ。WL1300RXさん」
バティンの目が深紅に染まりアクセルを回すと、魔動バイクがその言葉に答えるように、反応する。
上級鑑定のスキルで魔動バイクの状態を確認すると、速度向上と、バランス向上が上がっている。
「これサポートの必要があまり無さそうな状態になってないか?」
魔動バイク以外に攻撃とかもありえるし、防御系のスキルを装備しておこうかな。
「ふふふ、サポート期待しておきますわ」
サイドカーに乗り込みレースを開始を待つバティンと夏樹。
スタートの合図と共に一斉に走り始めた。
その頃のルシファーたちは――――
マジックスパルタンレースは大混乱を巻き起こしていた。
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