ベルサイズの街でレース参加② 魔動バイクレース
ルシファーが選んだのはケンタウロスレースだった。
「まずはチケット参加してみなよ」
パイモンもバティンも観戦に夢中だ。
リングから硬貨を出して魔法袋につめてやることにする。
硬貨を指定して使う地域を選ぶんだな。ベルサイズを指定して⋯⋯。じゃらじゃら⋯⋯紙幣は出てこないみたいだな。
そういえば硬貨を見るのは初めてだったな。決済してたから見ることはなかったけど100ドルズ青銅貨には表面にはベルサイズの街の風景が模してある。裏面は見たことのない人物がかたどってるな。これが統治者かな?
1ドルズ鉄貨と10ドルズ銅貨、100ドルズ青銅貨、1000ドルズ銀貨、10000ドルズ金貨、10万ドルズミスリル白銀貨があるみたいだ。
都市によって硬貨が違うみたいだけど、質屋で交換可能らしい。出すことはできるけど収納はできないんだな。
決済するからほぼいらないと思ってたけど、ルシファー達には必要になるから魔法袋にいれとくのもいいかも。
「皆とりあえず1万ドルズずつ魔法袋に入れといたから、何か困った時にも使えばいいからな。競技参加代は別で払うからそれには使わないように」
「うむ!わかったのだ!」
「なかなか興味深いレースもありますな」
「ふふふ。ではどれだけこの硬貨を増やせるか、私したちの勝負といきましょうか」
「「おお」」
俺はどうしようかな。ランキングポイントを増やしたいけど、チケット参加を勧めた後に競技参加するのは空気を読めない感じになるから、とりあえず時間を決めて、競技参加をするかな。
「なら1時間自由時間にしようか。競技参加もしたいから、また受付前に集合でいいかな?」
「問題ないのだ!」
「任せてください!」
「畏まりましたわ」
ルシファー、パイモン、バティンが駆け出していく。
ルシファーがケンタウロスレースに、パイモンは魔動バイク、バティンはマーメイドレースに向かって行った。
20分づつなら一通り回ることもできそうだから、みんなを見てまわるかな。
レース的にはパイモンの魔動バイク、ルシファーのケンタウロスレース、バティンのマーメイドレースの順にまわるかな。
遠目から見るようにして、参加をするかな。
まずは魔動バイクレースだ。魔動バイクのレースで使うのは三種類のバイクがあるんだよな。2輪と3輪のほかにサイドカーがついたタイプで1人分の支払いを多く払っても、攻撃の手数を増やし勝ちにいくスタイルもあるんだけど何せ相手に追い付くまでの技術力がいるんだよね。
強さはあるけどあくまでもレースだからサイドカーつきは大概は追い付けず負けるんだ。
さてこの試合は2輪の選手が3人と3輪の選手が3人か⋯⋯。
『ブレイブアスガルド』では2輪を使う選手の方が加速系のスキルを持ってることが多くて、3輪の選手は遠距離系のスキルを使うのが定番だったんだけどこの世界はどうかな?
専用のバイクを持ってる人が多いから、貸し出しのバイクは破損したら罰金がすごい。貸し出し用にはマークが入ってるからすぐ判別できるしな。盗難防止もあって一定以上離れると止まるらしいし。
だからあまり参加する選手は多くないんだよね。
魔動バイクを見れば選手の質がわかるのが魔動バイクレースの基本だ。
魔動バイクレースは三周で勝負が決まるのだが、なかなか白熱するんだよね。
どれどれ?ん?世紀末系のアメリカンの刺々しいバイクを触ってるモヒカンがいるな。こいつは無しだな。
オフロードバイク、スーパースポーツバイクまであるな。
『ブレイブアスガルド』では似たような種類のバイクでレースしてたけどそういう風にはいかないのかな。
3輪はリバーストライクの前輪が2つの後輪が1つのバイクを使用してあるな。
よし!スーパースポーツバイクのロバーツ・レイニーを一点買いしておこう。
さあもうすぐレースが始まるな。レースが始まる瞬間を会場の観客が熱気を帯びた状態でスタートを待ちわびている。
さてパイモンはどこかな?
スタートの合図が出ると同時に歓声が上がる。
「⋯⋯!!!!」
一際大きな声が響いているな。あっちからだな。
いたいた⋯⋯パイモンが中央でロバーツ・レイニーを応援してる。
「そんなスピードなど追い付かれて大破させられるぞ!くっ!やはり人間では限界があるのか⋯⋯」
パイモンが応援しながらロバーツ・レイニーの動きをみながら、少しがっかりもしているようにもみえる。
◇◆◇◆◇◆
攻防を防ぎながらレースは進んでいく。
三周目に差し掛かる中で後続のバイクを危なげに回避しながら
ロバーツ・レイニーが抜かれそうになったのを、少し考えたようにしていたパイモンがなにやらロバーツ・レイニーに向けて手をかざし魔法を使う動きをした。
「アンゲストロード」
ロバーツ・レイニーのバイクが少し宙に浮いたように見える⋯⋯。
そして凄い速さでバイクがスピードを増して、消えた。
「おおっ⁈」
会場がざわめく。
「どこにいったんだ?」
「消えたぞ!」
「おい!あそこにいるぞ!」
ゴールから数メートル先の所で、スーパースポーツバイクが止まっている。ロバーツ・レイニーは乗っているけど少し放心状態だ。
会場のアナウンサーが大きな声でゴール実況を確認するため、バタバタし出した。
「新記録だ!直ちに確認を!」
会場にある映像魔動具に残像が映ったのを確認していた、パイモンがにこやかに頷いている。
「なんだ思っていたより簡単だな!これなら俺の勝利はみえてきたな!」
パイモンのおかげで?新しい新記録が達成されたがロバーツ・レイニーは大丈夫かな?
不安を覚えながら、とりあえずルシファーの元へいくことにした。
レース編がしばらく続く予定です。
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