ディノサウルスロイド大移動
アアル大密林にバティンの馬車とキャンピング竜車をゆっくりと降り立つ。
意外に木々が密集してるけど広さがあるな。
ディノオウサルが周囲を見渡している。
「思ってたより早く着いたんだな。薄暗いが、日も沈んでないしこれなら十分探索ができそうだ」
「じゃあまた探索組と野営拠点作成組と別れるか」
「レオナとラバルと朱莉とバティンが野営場所の確保を頼むな」
「如月様気を付けて行ってきてください」
「ん⋯⋯任せてほしい」
「ラバルがいれば大丈夫な気もしますが、まあいいでしょう」
「安心してゆっくりできそうね」
探索組はディノオウサルとルシファーとシェールと夏樹ベリルの五人だ。
キャンピング竜車は野営拠点に置いていくつもりだ。
さっきみたいな戦闘だといい標的になってしまうからな。迎撃用のものも考えないとな。
周辺の探索をしておかないと急に魔物がいても困るからな。
「ここら辺の木を取っていけば、拠点作りに使えそうだな」
『ならいっぱい運べばいいんだね』
「アアル大密林を少し行った先には、アクアシティもあるんですよ」
「ここら辺は木の実が多いみたいなのだ!マスター!あれは旨そうなのだ!沢山とろうなのだ!」
ディノオウサルとベリルが会話できてるな。若干似てるからかな?
シェールとルシファーが話しかけてくる。
木材の調達と木の実の確保ができるのはいいな。木の実は椰子の実みたいなものや葡萄の品種の木があるじゃないか!これは嬉しい!アクアシティはこっちの方にあったんだな。時間が出来たら行ってみたいところだな。
木の実などを取りながら、しばらく進むと場所が開けてきたな。
「マスター。ゴブリンが来たのだ。範囲からみて偵察に来たのが3匹こっちにむかってくるのだ」
ルシファーが『気配探知』でゴブリンを発見したようだ。
「ゴブリンか、まずは俺が相手をしよう」
ディノオウサルがバスタソードを構える。
「じゃあ一つ援護させてもらうよ。『ジョブチェンジLEVEL-1』発動――罠師『落とし穴』」
ディノオウサルがいる前に落とし穴を設置する。
ガサガサと遠くから物音が聞こえるな。
「ギィ!」
「「ギギ!」」
ディノオウサルよりもでかいゴブリンが2匹連なってきている。
3匹目は後方にいて指示を出しているようにみえるからリーダーなんだろう。
2匹は近接武器を持っているが後方にいるリーダーは弓を持っているな。
ディノオウサルがスキル『ウォークライ』を使用し咆哮する。
ゴブリンが構わず突進をしてくるがそこには罠が仕掛けられていた為、一匹のゴブリンが落とし穴にかかる。
「ギ!」
「ギギギ~!!」
この落とし穴は下には剣山があり落ちた物を串刺しにする。
落とし穴にかかったゴブリンを踏み台にしてもう一匹のゴブリンがディノオウサルに襲いかかる。
「むん!」
ディノオウサルがバスタソードでゴブリンの持っている剣を弾き袈裟斬りをする。
「ギィヤ~!」
すごい悲鳴をあげながらゴブリンが倒れる。
後方にいたリーダーゴブリンが弓を構え射ってくる。
「無駄なのだ!」
ルシファーが矢を素手ではたきおとしている。
劣勢な状況になったリーダーゴブリンはすぐさま逃げようと体勢を変え走り出した。
「逃がしません!」
シェールが跳躍し、リーダーゴブリンをグレイブで切りつける。
『とても不味いの!』
切りつけたグレイブの白亜(仮)が文句を言う。ゴブリンの味が気に入らないようだ。
「偵察隊が来たってことは集落が近くにあるかもしれないな」
「ん?ゴブリンの集落は4ヶ所あるのだ」
「えっ?」
俺の反応に不思議そうにルシファーが首をかしげる。
「ルシファーもしかしてどこに魔物がいるかわかってる?」
「もちろんなのだ!半径200㎞圏内ならどんな生き物もわかるのだ」
「ルシファーさんすごいです!」
シェールが驚きの声をあげる。
「ふふーん。たまにはエルフもいいこと言うのだ」
「ゴブリンは所詮強くなってもしれてるな」
ディノオウサルが偵察ゴブリンの感想をのべているな。
「さくさく倒そうなのだ!」
◇◆◇◆◇◆
ゴブリンの集落を壊滅に追い込み集落を潰していく。
ゴブリンが巨体な為一つの集落には50匹ぐらいしかいないが強さがオーガ並みだった。ゴブリンキングは容姿ともに、もはや別の魔物である。まあルシファーさんの独壇場でしたが。
ゴブリンの集落の他にアーマーフロッグやアトラススネーク、ジャイアングレートモスやビッグスタァグビートルなどがいた。
ゴブリンの集落の近くにギガントトレントが近くにいたのでルシファーが木材に変えていた。
ギガントトレントが移動することで、でかいゴブリンが集落を作れたんだな。
◇◆◇◆◇◆
視点変更――野営拠点組――
「ラバルとりあえず大きく場所を確保するのですわ」
「ん⋯⋯わかった」
「レオナ、私達は結界の準備をしましょう」
「はいなのです!」
ラバルとバティンが巨木を切り開き一つまた一つと倒していくのだった。
レオナは魔石に魔力を込めながら4ヶ所に対魔物避けを施していく。
「相変わらずラバルさんとバティンさんは凄いのです。私も頑張らないと!」
レオナはルシファーに訓練を続けてもらっている。
始めのうちは魔力枯渇が続き訓練のあとはいつも倒れていた。
でも新しい魔法を教えて貰えたり、魔力が調整できるくらいにまで成長できてきたのです。
まあ読書しながら寝落ちすることが増えましたが⋯⋯
朱莉さんも新しい武器をたくさん貰ったりしてより強さを増しているし、何よりパイモンさんたちが積極的に行動しだしたから
私のモブ加減は加速する一方です。
唯一、魔法陣の作成を担当していて、とても役立っているのです。こればかりは魔導師ギルドに入って良かったと思えるのです!
朱莉さんがてきぱきと動いているのです。
やはり朱莉さんの動きはまさに達人ですね。無駄がないのです。
動作一つ一つが美しいのです。ほれぼれします。
ではあとは転移魔法陣の準備を済ませましょう。
◇◆◇◆◇◆
安全を確保でき、ディノサウルスロイドたちが各々希望する場所に移動するためにストラウス高原にきている。
パイモンが集落から出てくるな。
「主殿!お待ちしておりました。ついでに教育を施しているのでいくらかお役に立てるやつもでてくると思います」
ディノサウルスロイドが移動式転移魔法陣を2列になりながら入っていく。
候補地に行って、合わなかったら場所を移動できるように手配している。
簡易的な家づくりを各グループで行う予定だ。
とりあえず家ができるまでは夜に白亜の作っている新しいダンジョンハウスに転移魔法陣を仕掛けているのでそこにいってもらうつもりだ。
忙しくなりそうである。あっ⋯⋯報告にもいかないと。
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