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海運ギルドが絡んできた。

 エル・ドラード港に到着するとエバークラインが待っていた。


 いつ来るか、わかんないのにずっといたのかな?


「エバークラインさんお待たせしました」


「いえお待ちしておりました!それでは行きましょう」


 エバークラインが案内してくれたのはピンネースの船だった。


 小型ではあるが沢山の商品の運搬ができる船舶である。


「おい!エバークライン!お前のところにクリムゾンロブスターが入荷されるって聞いたぞ!そんな金、持ち合わせてないだろうが!俺のギルドで肩代わりしてやるから半分よこせ!」


 大きな声をあげてる船乗りの偉そうにしてるやつがこっちに来てるな。


「シュフランさんどこでそれを⋯⋯ただ大切な商品を渡すなんて出来ませんよ」


 エバークラインがシュフランと言うおっさんに確認している。


「ああ?俺の雇ってる冒険者たちが騒いでたんだよ。まあ少ししたら気が向くようになるかもしれんがな。⋯⋯ん?なんだお前ら?エバークラインが雇った冒険者達か?」


 肝心な俺達の事は話がいってないようだな。まあ都合がいいから合わせておくか。


「ああ俺達はエバークラインさんに雇われたものだ」


「はっこんな奴に雇われるとはついてないな!運航時に気を付けな。まあ今は魔物の群れも多いし、俺の船、ヴィラーゴも進水式でもうすぐ出るから邪魔をするんじゃねぇぞ。まあお前の船じゃ、すぐ魔物にやられちまうかも知れんがな」


 シュフランはそう言うと商船の並んでいる方へ移動して戻っていった。


「それじゃあ皆さん船に乗って出発しましょう」


 エバークラインの言葉に反応して夏樹()は発言する。


「いや船は竜車に連結して引っ張っていくぞ?とりあえず航路の場所は通るが船だと日が暮れてしまうからな」


「えっ?竜車に連結するですって?その竜にですか?」


 エバークラインはキャンピング竜車に連結するとは思っていなかったのか、ベリルを見て不安そうにしている。


 まあベリルも今は小さくなってるし、キャンピング竜車もしまってるしな。


「もともとこのベリルは大きいんだが、小さくなってるだけで、人を乗せて運べることもできるからな」


『船ぐらい余裕だよ~』


「まあ心配ならルシファーに風魔法と重力魔法を使って船は浮かしておくから安心してくれ」


「うむ。大船に乗ったつもりでいるといいのだ」


「まあ街を出るくらいの時間なら乗ってもいいがな」


「私達もなかなか船に乗る機会少ないし体験するのはいいかもね」


「私は船に乗る機会がなかったのでドキドキするのです」


「では私し(わたくし)は街を出て、迂回してから後方から馬車でおいかけますわ。あの発言の人間から少しだけ敵意が感じられましたので、少し様子を見ることにしますわ」


「師匠!私はバティンさんと後方から支援しますので馬車に乗って行きます」


 バティンがそう言うとシェールの乗った馬車を連れてエル・ドラード港から出発してしまった。


「ええ?馬車が行ってしまいました⋯⋯どうやって合流する気なんですか?」


「バティンの馬も飛べるので問題ありませんよ」


「へぇ⋯⋯飛べるんですか。なら安心ですね⋯⋯って違いますよ!そもそも船ごと飛べるとかおかしいでしょう!聞いたことないですよ!」


「いや船工が宙に浮いてたりしてたし、何が問題あるんだ」


「あれはこの街で一番優秀な船工魔法師ですよ!風魔法で足に空気を送り、少しの時間浮くことができるんです。飛ぶのができるのはこの世界じゃ1人か2人しか聞いたことありませんよ!」


 飛ぶのはできないのか⋯⋯まあ時間がかかるのは本位ではないし、仕方ないよね。


「まあとやかく言ってもしょうがないから出発しよう。街からでたら海の広い所か陸に停泊してくれ。ルシファー停泊時にキャンピング竜車と取り付けを頼む」


「わかったのだ」


「わかりました。おい言われたようにしてくれ」


 エバークラインが船乗りに声をかけて言ってなんとか納得はしてもらえたようだ。


 船に乗り込み錨をあげてもらい出発をする。


「夏樹さん一行はアイテムボックスを多数、所有しているらしいですね」


「うん?ああそうだな」


 本当はシェール以外は魔法袋だが、まあ嘘ではないしいいよな。


「素晴らしいですね。私にもアイテムボックスがあれば、もっと流通がうまくいくというのに⋯⋯」


 うん⋯⋯エバークラインさんがぶつぶつ言ってるな。

 関わらないほうが良さそうだ。




◇◆◇◆◇◆



 街から出てしばらくするとルシファーが魔法袋から竜車を取り出し、竜車を浮かして船に取り付けてくれた。


「俺達は竜車に入るけどエバークラインさんはどうする?」


「中に入れてもらえるんですか!? 是非とも入らせてください。外の造りから気になっていたのでワクワクしますね」


 キャンピング竜車の中に入るとエバークラインは驚愕した。


「なんだここは~!? 」


「エバークラインさん落ち着いてください」


 レオナがエバークラインを宥めている。


「うるさいのだ」


「まあ普通の人がここを見るとそういう反応になるわね」


 エバークラインは思った。


 ここは世界が違う⋯⋯。


 この部屋にある内装や、そこにある器具など、数ある物を運んできた私だがここには私が見たことのないものが揃っている⋯⋯。


 椅子らしきものに座ったが、このふわふわな座り心地⋯⋯思わず中を見たくなった。


 料理をするところもあるし、香辛料などが沢山置いてある。魔導冷蔵庫まで存在するではないか。


 須藤朱莉さんが作っている服についても生地が見たことのないものだ。


 私はクリムゾンロブスターを交換するために交換できる持てる限りの商品の交換条件を出したが、夏樹さん達は何も考えることなく交換に応じてくれた。


 この竜車を見ることで私の気持ちが太刀打ちなどできないように完膚なきまで戦意を叩き潰す作戦なのか⋯⋯?


 もちろん戦意などこれっぽっちもないが、敵にすれば一瞬で切り裂かれてしまうだろう。


 恐るべし如月夏樹⋯⋯。シルバーランクとは言っているが、この竜車の財力を見る限りどこかの貴族なのだろう。


 ここは落ち着かないな⋯⋯。


「私にはこの場所は少し眩しい位なのでやはり船に戻して貰いたいのですが⋯⋯」


「うん⋯⋯?今から船に帰るのか?」


 ルシファーが少しだけめんどくさそうにエバークラインを見る。


「えっ?何か不都合が!? 」


「もうすぐオルガ・トゥーレ島に着くんだが?」


「ええっ!? さっき移動を始めたばかりですよね?確認もできてないのに⋯⋯」


「低空飛行で魔力感知しながら周囲の魔物の気配を確認はしていたのだ。バティン達が後ろから魔物は排除していたしな。窓から外を見てみるのだ」


「えっ?窓の外?」


 船の上には魔物の死体が転がっている。後ろには馬車が空を飛んでいるな。


「あわわ⋯⋯魔物が沢山ですね」


 エバークラインはしばらく考えるをやめてしまったようだ


『主殿⋯⋯』


夏樹()の頭にパイモンから念話の連絡が入る。


『主殿を追っていたら人間に攻撃を受けましたので鬱陶しかったので反撃してしまいました⋯⋯』


『パイモンは無事だったのか?それで状況は?』


『人間ごときでは私には傷をつけることなどできませんが、服が汚れました。今は船が沈みかけていますね。手加減はしたので人間は無事です』


「エバークラインさん!仲間が船に攻撃を受けてしまったようです。一旦引き返して良いですか?」


「もちろんです!ここらに海賊はでないので海運ギルドの船に間違えないでしょう!お仲間が心配なのはわかります!」


「いや心配なのは攻撃をしてきた方なんだが⋯⋯今、沈みかけてるみたいだから救助にいかないといけない」


「はっ?」


「まあ行けばわかるよ」


『今から行くから船が沈まないか見といてくれるか?』


『わかりました。主殿、お待ちしております』












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