クリムゾンロブスターを試食する。
「いやぁ⋯⋯数が多いから大変だったな」
ルシファーが風魔法と火魔法を組み合わせて作った、真空の黙示録の業火『ヴォートメキドフレイム』により解凍している。
クリムゾンロブスターの回収が終わって、一息ついている。
これだけあればエビには困らないな。
「島の中にはシービッグリザードとグランドアリゲータスナップタートルが生息していたのだ」
ルシファーは島の探索をしてきたみたいだな。
シービッグリザードはミズオオトカゲをでかくした魔物で、水陸両用のトカゲである。
グランドアリゲータスナップタートルは巨大なワニガメだな。どちらも動きが遅いので脅威はない。
「ここは食料になりそうな魔物が多いな」
「このへんの魔物も一通り狩り終わりましたわ」
ディノオウサルがバティンと一緒に狩りから戻ってきたみたいだな。
「ここは拠点となる住居を作るには木材とかが足りないから、少しの間は狩り場にするかな⋯⋯」
レオナの所に戻りテントを張る。
「転移魔法陣を設置し終わったのです」
「では俺はここに残り引き続き探索をさせてもらう」
ディノオウサルは探索の準備をしている。
「近くにある街にも行ってみたいし、転移魔法陣に乗って朱莉にクリムゾンロブスターを持って行ってご飯にしようか」
「クリムゾンロブスター楽しみですねぇ」
シェールがワクワクしながら料理を手伝ってくれた。
シンプルにクリムゾンロブスターのガーリックバター焼きしてみた。
クイーンクリムゾンロブスターは皆で食べるときの楽しみにとっておくようにしている。
「香ばしくていい匂いです~」
レオナがクリムゾンロブスターを見て楽しみにしているな。
◇◆◇◆◇◆
「あら?意外に早く戻ってきたのね」
朱莉がちょうど料理の準備をしようとしてたみたいだな。
「転移魔陣が設置できたんで、料理をもってきたんだ。このあと新しい街に行く予定だよ」
「嬉しいわね。何を用意してくれたのかしら?ねぇ⋯⋯街に行くなら私も行きたいわね」
「用意したのはクリムゾンロブスターのガーリックバター焼きだ」
「えっ?クリムゾンロブスター?⋯⋯あの魔物に出会ってよく無事にすんだわね。水棲魔物の中では凶悪さはピカイチよ」
「確かにあの魔法の数はすごかったけど⋯⋯。
ルシファーの魔法でほぼ全滅してたな。一番でかいのでクイーンクリムゾンロブスターがいたからそれも倒したけど」
「⋯⋯⋯⋯クイーンクリムゾンロブスターは災害級の魔物よ。一匹出たら地形が変わるって言われてる伝説の魔物じゃない⋯⋯」
確かにクリムゾンロブスターが海の色がが変わるくらい沢山いたな。
「かなりの数がいて海の色が変わるくらいいたから獲るのを苦労したよ⋯⋯」
「獲るのを苦労しただなんて⋯⋯貴方達が本当に恐ろしいわ」
確かに味方だとここまで心強いのはないな。
「アバリムはまだ戻ってないんだな」
「ええ。大きな魔石を取るって張り切ってたから、沢山魔物を狩ってるんじゃないかしら」
「じゃあ手紙だけ置いて行くか。食事はあっちでするだろ?」
「そうさせてもらうわ」
アバリムに手紙を残し、転移魔法陣を使い転移する。
◇◆◇◆◇◆
クリムゾンロブスターを舌鼓し、一心不乱に食べ終えたのでアバリムが後で来てもいいようにデザートを用意する。
「いやぁ旨かったのだ」
「本当に美味しかったわ」
「クリムゾンロブスター⋯⋯これは食べたことのないエビでしたわ」
「次は違う調理方法で食べてみたいですね」
「香りも味もすごいよかったのです」
『おいしかった~』
「旨かったぞ。皆にも食べさせてやりたくなった」
皆大満足みたいだな。
今日は海で天草が手に入ったので寒天と花羊羮をつくろうかな。
「ルシファー手伝ってくれ。『ジョブチェンジLEVEL-3』発動――和菓子職人」
「任せるのだ」
和菓子職人とは自然の素材である豆類や穀類、寒天や季節の果実などを主材料として、日本で長く伝えられてきているお菓子を作るのが和菓子職人だ。
天草を綺麗に洗い、倍速魔法袋の中にルシファーが光魔法と火魔法をかけ乾燥させる。
鍋に酢と天草を入れて倍ぐらい水を入れ煮立てて、水を適度に足しながら布巾で濾して1つは寒天に、もう1つは砂糖と白餡といれて花の形にした寒天と黒餡を寒天液と混ぜていれて、羊羮を容器に入れて氷魔法と風魔法で冷やしておいてと。
「ほぅ⋯⋯繊細な花ですこと。美しいですわ」
「また新しい技術が⋯⋯。師匠私も作りたいです!」
「羊羮かぁ⋯⋯懐かしいわね」
『じゃあ僕もひとてまかけてあげる』
ベリルが羊羮に『生成魔法』で金粉をまぶしている。
「綺麗なのです~」
うん。なかなか良くなっているな。
◇◆◇◆◇◆
「戻ったぞ!なつきがスイーツなるものを用意してくれると手紙に書いてあったので、見つけて急いできてやったぞ」
アバリムが転移してやってきたみたいだな。
「アバリム、用意できてるよ。今回は2種類だよ。練乳寒天と花羊羮だ」
アバリムの前に2つの皿を差し出す。
寒天には練乳を加え甘味をだしている。花羊羮はベリルの金粉のお陰で見た目もいい感じだ。
「ほー。ではこちらの白いのから食べよう。プルプルしててなかなか⋯⋯口の中で甘味が広がるな。旨いぞ!此方はどうかな⋯⋯。花が中に入ってるのだな。美しいな。どれ味はどうなのだ?ん⋯⋯!これは!? 旨い!」
アバリムが満面の笑みを浮かべ食べているな。
バティンがお茶を用意してアバリムに出している。
「ふぅ~これは良いものだな。なつきよくやった!誉めてやろう」
「お粗末様でした。じゃあ俺たちは、少しこの近くにある街に行ってくるからゆっくりしててくれ」
「ではこれが今回の魔石だ。もう少ししたらまたダンジョンに取りに行ってみるぞ」
アバリムが満足げに寒天と羊羮を食べ終え、魔石を渡してくる。
「わぁ~これもいいサイズです~」
「アバリム助かるよ。また頼むな」
さあ新しい街に出発だ。
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