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オルガ・トゥーレ島



 白亜のダンジョンからヘブンドラゴン高原に帰りついたのは朝方を回っていた。


「あっ!お帰りなさいです!」


 待ちわびていたのか夏樹()を見つけるとレオナが近寄ってきたのでデュラハンロードの魔石を渡す。


「これでレオナ大丈夫か?」


「凄いのです!これはおっきいので3ヶ所は転移魔法陣を張れますよ!」


「おおっ3ヶ所もいけるのか!凄いな」


 じゃあ2ヶ所は固定でもいいかもな。


 ⋯⋯あとの1ヶ所は創造魔法を使って移動式転移装置(ゲート)の魔道具を作ろうかな。


 レオナとルシファーに協力してもらおう。


「レオナ、ルシファー頼むよ。『創造魔法』発動。」


「マスター任せるのだ!」


「如月様わかったのです!」


 魔石を埋め込んだ筒に魔法陣をレオナに刻んで貰って、ルシファーの『魔力操作』で魔力を通した時だけ、転移移動できるようにしてと⋯⋯あとは魔力を通す部分を加工したら移動式転移装置(ゲート)の出来上がりだ。


 ディノオウサルがノシノシ歩いてくる。


「この場所は快適だな。見晴らしもいいし、水場はレッドワイバーンがいるから取りに行くのも、問題もなさそうだ」


『レッドワイバーンなら、ここらにいるドラゴンと大差なさそうだから、問題はないと思うよ~』


 ベリルもバティンと一緒に周辺を回ったみたいで、ディノオウサルを乗せて確認させたみたいだな。


「邪魔をしてきそうな魔物などは退治しておきましたので、しばらくは大丈夫だと思いますわ」


「助かるよバティン。じゃあここに転移魔法陣を1つ作ったら違う場所も見にいこうか」


「では我はもうしばらくここにいて、ダンジョンに行き魔石の回収をしておく」


「じゃあ私もここで待とうかしら⋯⋯新しい武器で魔物を狩ってみたいわ」


「アバリムと朱莉が残るのか。アバリム、ダンジョンは遠いけど大丈夫か?」


「あの程度の距離なら問題ないな。私も羽を出せるから飛んでいけるしな」


 アバリムも飛べるんだな⋯⋯



◇◆◇◆◇◆



 魔法陣もできあがりバティンの馬車とベリルの竜車に乗り込む。


 魔法袋を朱莉に渡して、食料とテントを1つ入れておいた。


「次に向かう場所は海辺の近くになります」


 今回夏樹()はバティンの馬車に乗っている。


 ルシファー、ディノオウサル、夏樹()が馬車組だ。


 レオナ、シェールがベリルの竜車に乗っている。


 会話をできるように馬車と竜車に、トランシーバーならぬ、念話器を作っておいた。魔道具に魔力を通すと会話ができる代物だ。


 ディノオウサルには馬車の中で、精霊がついた経緯を聞いてみたが、記憶が抜け落ちていて覚えていないといわれた。


「もう少ししたら着きますわ」


 海辺の近くか⋯⋯どんなところかな?


 バティンいわくダンジョンはないが、船が沢山ある街が近くにあるとのこと。


 降り立つ所はオルガ・トゥーレ島になるらしい。


 危険な水棲魔物が多いため、危険地区に設定されているとシェールが言っていた。


 船もここまでは来ないみたいだな。


 島が見えてきたな⋯⋯。なかなか広い場所だな。


「ちょっと着陸しやすくするのだ。《エアレイドカッター》」


 ルシファーが馬車から、飛び立ち『風魔法』を使って木をなぎ倒し平地にする。


「グギャ」


「ギィ」


 近くにいた魔物も仕留められたようだ。


「見事なものだ」

 

 ディノオウサルが素直に感心してるな。


 竜車と馬車から降り立つとレオナとシェールが出てくる。


「うぅ水はあまり好きではないので、ここは少し苦手なのです」


 レオナが島の周りのを少し嫌そうに見ている。水が所々流れているからな。


「レオナさん、水棲魔物は危険な分とても美味しいんですよ!」


 シェールが水棲魔物に対してレオナに熱い思いを語っている。


「ここらへんは主にクリムゾンロブスターがいるのですわ」


 バティンが教えてくれる。


 クリムゾンロブスターは真紅の燃えるような赤いエビの魔物で、甲羅が硬い上に水魔法と火魔法を使ってくる凶悪なエビらしい。


 数が多く集団で行動するため、狙った獲物は集中砲火を受ける為、強さもBランクに指定される。船等も襲われるので彗星の悪魔と呼ばれるみたいだ。


 彗星の悪魔か⋯⋯。


 三倍早く動けそうな悪魔だな。


「では俺は今日の狩りをしてみるか」


ディノオウサルが下見を兼ねて狩りに出かけるようだ。


「では私し(わたくし)もご一緒しますわ」


「師匠是非、水棲魔物を捕まえましょう!せめて一匹だけでも!」


「私は転移魔法陣を準備しますね」  


『じゃあ僕はレオナといるね~』


「では我輩も狩りをするのだ」


まあ俺も試し切りしてみたかったし、行ってみるか。




◇◆◇◆◇◆



 海岸までくると海が赤い⋯⋯。


 浅瀬にもむちゃくちゃいるな。集団でいるって言ってたけどそんなレベルじゃないぞ。


 生態系壊れてるだろこれ。


「これはクイーンクリムゾンロブスターがいて繁殖しているみたいですわ」


「とりあえず他の生物の為にも数を減らしておかないといけないな」


「旨いらしいし、魔法袋にも詰めて確保しておくのだ」



「むっ⋯⋯こっちを向いたぞ」


 クリムゾンロブスター達が夏樹()達を見つけると『ファイアーボール』の火魔法を使って撃ってきた。


 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ。


「魔法障壁 鋼なのだ!」


 魔法障壁が夏樹()達の前に表れファイアーボールを防いでくれる。


「数が多いと凄いなこれは⋯⋯」


「親玉以外は凍らすのだ!吹雪け!封印の氷の廻廊。《ダイアモンドコキュートス》」


 ビキビキビキビキ!  


 ルシファーから氷の魔法が放たれクリムゾンロブスターが凍っていく。  


 海にいたクリムゾンロブスターが瞬く間に動けず、活動を停止した。


 沖にいたクリムゾンロブスター達は助かったみたいだけど、様子が変だな。 


 一匹軽トラぐらいありそうなクリムゾンロブスターが現れたな。


「あれがクイーンクリムゾンロブスターですわ」


「何か撃ってきます!」


 シェールの言葉とともに『イグニートキャノン』がクイーンクリムゾンロブスターから放たれて氷の海に落ちる。


 ジューワ~!!すごい水蒸気がでて霧が発生する。


「その程度ならルシファー様の魔法に対抗はできないのですわ」


 氷の海を渡りながらバティンとディノオウサルがクイーンクリムゾンロブスターのもとに走っていく。


クイーンクリムゾンロブスターが回避しようとしたが、バティンの鞭に捕まり動けなくなったところにディノオウサルがスキルを使う。


「くらえ!!『ガードクラッシャー』」


 ガキン!


 ディノオウサルの攻撃で、クイーンクリムゾンロブスターの触角が折れたが、まだクイーンクリムゾンロブスターは行動をしようとしてるな。


「ルシファー!俺をクイーンクリムゾンロブスターのところまで連れていってくれ!」


「わかったのだ!マスター行くのだ~!」


 ルシファーに抱えられスピードにのりながら、白亜から貰った大刀を構え、ジョブチェンジする。


「『ジョブチェンジLEVEL-1』発動――ソードマスター『一刀両断』」


 ザシュ!クイーンクリムゾンロブスターが横一閃に真っ二つに別れる。


『なかなかいい感じの歯ごたえなの』


 白亜(仮)の大刀が嬉しそうに呟いた。


 クイーンクリムゾンロブスターを倒されたのを見た、クリムゾンロブスター達が散り散りに逃げていく。


「お見事でした夏樹様。クイーンクリムゾンロブスターを真っ二つにするとは素晴らしいですわ」


「見事なものだ。技術もさることながら、俺もそのような剣がほしくなったぞ」


 ディノオウサルが素直に感心してるな。


「クイーンクリムゾンロブスター⋯⋯伝説の食材だわ」


 シェールがクイーンクリムゾンロブスターを見ながらニコニコしてるな。


「よし!あとはここを溶かしてクリムゾンロブスターを持って帰るのだ」


 こうしてクリムゾンロブスターを大漁にゲットし、レオナのもとに戻るのだった。





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