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白亜のお願い



「私を使って欲しいの⋯⋯」


 白亜はモジモジしながらお願いをしてきた。


 白亜のお願いは自分を使って、旅に同行したいということだった。


 白亜は武器を司るダンジョンコアで魔剣らしい。


 弱いものには興味がなく自分が設置する、魔物を倒せないのでは、すぐに死んでしまう為、最低でも強い魔物を倒せる主を探していたらしい。


 宝箱には自分の分身である刀を入れているため、資格があるかどうかをこの目で確認するため、転移魔法陣を宝箱に設置しているようだ。


 分身が外に出て、いろんな世界を見て、そして強いものを斬る。


「一度だけ外に出たのだが、持ち主が亡くなってしまった為、戻されたの」


 しょんぼりしながら白亜は語る。


「ダンジョンを強くするの為に、私の分身が強いものを斬ることによって強化できるの」


 他のダンジョンコアは、ダンジョンポイントを集客した分だけ使えるようなのだが、白亜の場合はダンジョンの魔物が攻撃をした分と倒した分だけしか、ダンジョンポイントが入って来ないシステムになっている為、ダンジョンコア仲間からは、皆からはおかしなダンジョンコアだと思われているみたいだ。


 だから白亜のダンジョンでは宝箱を設置したりして、冒険者を倒すことと、自分を持ち出して使ってくれる人の2つを目的としていたようだ。


「宝箱は他にも何か入れてるのか?」


「適当には入れてるけどダンジョン探索してくれないとあげれないの」


「あるなら、引き続き来させてもらうよ」


「貴方のパーティーなら早々にやられることも無さそうだし期待できそうな感じがするの」


「そういえば何でこんな場所にダンジョンを作ったんだ?」


「さっきも言ったけど私は強い人達じゃないとポイントが稼げないのよ。弱いと強化も出来ないし、意味がないの。ここに来るのはそこそこに実力がないと来れないようにしてるの」


「暇潰しにもってこいなのだ~」


「⋯⋯でどうするのかな?誰が持つの?」


 問題は誰が持つかなんだよな⋯⋯旅っていってもそこまでどっか行ってるわけでもないし、俺は武器を持ちかけてるしなぁ⋯⋯


「私は形を変えれて、いろんな武器を出せるから希望するのを言ってね。ただし1つよ。もっと欲しいのならダンジョン探索して宝箱にたどり着いて頂戴」


「我輩はいらないのだ」


「我も必要ないな」


 ルシファーとアバリムが少し興味なさそうに白亜の話を一刀両断する。


 さすがに白亜が焦ったのか、ルシファー達に狼狽しながら言葉を口にする。


「ちょっと⋯⋯見てから答えなさいよ。後でいるっていっても渡さないわよ」


「しかたないのだ⋯⋯見てやるから出してみるのだ」


「ふん⋯⋯我とて暇ではないがラバルの土産程度になるものを出せれば貰ってやろう」


「私は欲しいわ。魔剣なんて言われたら気になるし」


「私も欲しいですが⋯⋯そこまで急いで欲しいとまでは思ってないので、須藤さんにここは譲っておきます」


「俺も剣は折れたから欲しいけど、たちまちいるってわけでもないから、手に入ったミスリルガーゴイルを加工して作るよ」


「ん⋯⋯?ミスリルガーゴイル?何匹かダンジョンに吸収されない個体がいたと思ってたけど貴方達何かしたのかしら?」


「レベッカから聞いてないのか?俺の魔法袋に魔物を入れてるんだが⋯⋯」


「なにそれ!反則じゃない!私が苦労して取ったミスリルガーゴイルを袋に入れて持って帰るなんてひどいわ!」


 白亜がごねだしたのでレベッカと話をさせることに。


「⋯⋯⋯⋯っていうことよ⋯⋯」


 レベッカのイヤリングを白亜に渡して会話させている。


「へぇ~レベッカの切り札が⋯⋯」


 白亜はこちらをチラチラ見ながら表情をコロコロ変えていく。


「だいたい把握したわ!貴方達に私の分身を連れていって貰うわ!しょうがないから私達の友情の証しに2つ武器をあげるわ

。ヒュドラを倒す実力があれば私は強くなるわ!」


 武器はアダマンタイト製の魔剣だった。


 包丁が欲しかったけど白亜に言ったら青筋をたてて睨まれた。


 ルシファーとアバリムとシェールは辞退してくれたので朱莉と夏樹()に貰えるようになった。


 仕込み刀と大刀を貰った。朱莉が仕込み刀で夏樹()が大刀である。

 できるだけ収納をせず、持ち歩いてほしいと言われたが、まあできる範囲でさせてもらおう。


「じゃあ師匠次に貰えるときには私にくださいね」


「ああ。拠点が落ち着いたらまた来ようか」


「魔石の収集もまた必要になるのだ」


「ふふふ⋯⋯良いものを手にいれたわ。使うのが楽しみよ」


「ならば我とラバルはここへ来て、魔石とアイテム狩りでもするかな」


「また顔を見せなさいよ!絶対よ」


「ああ約束だ。さぁレオナ達が待ってるだろうから帰ろうか」




◇◆◇◆◇◆



 ベリルに念話を使い来てもらうようお願いをしておいた。


 暫くして、ベリルが飛んでくる。


『ご主人様お待たせ~』


「ベリル、そっちでは何もなかったか?」


『大丈夫だったよ~。バティンが周りの魔物を倒して回ってたし、レオナの魔法陣で魔物が来ることはなかったよ~』


 レオナの魔法陣は優秀だな。


 バティンも周りの魔物を倒して回ってたのか⋯⋯。


『わ~久しぶりの外なの。ドキドキする』


 ⋯⋯聞き間違えではなさそうだ。


 ベリルの竜車に乗ってしばらくすると立て掛けていた大刀がしゃべってる。さっき別れたはずの白亜の声である。


「おい⋯⋯。しゃべれるのか?」


『勿論よ!視界良好!空まで飛ぶなんて凄いの!言葉ぐらい私はしゃべれるの!ただ戻った時しか白亜様と意識は共有できないから、私は今は別の個体よ!』


 ⋯⋯分身って言ってたもんな⋯⋯。使うとき痛いとか悲鳴をあげたりしないだろうな⋯⋯。


 朱莉の仕込み刀も何か呟いてるな⋯⋯。朱莉が少しため息をついてるな。


 賑やかになりそうだな⋯⋯。


 レオナ達が待つヘブンドラゴン高原に、竜車は飛んでいくのだった。




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