白亜あらわる!
ホワイトゴルジュのダンジョンに入ると、そこは洞窟ではなく、神殿の入り口だった。
魔導ランプが通路を仄かに照らしている。
「すごいな⋯⋯」
思わずため息がもれそうになりながら周囲を見渡す。
柱の装飾に宝石が散りばめられてる。
「美しい場所ですね」
「これはお宝が期待できそうな感じね」
「早く魔物も出てきて欲しいのだ」
「魔物など我の手にかかれば八つ裂きにしてやります」
配置は先頭にアバリム、シェール、夏樹、朱莉、ルシファーの順番になっている
「現れたようなのだ」
通路から抜けると広間にガーゴイルが数台いるな。
「なんだ⋯⋯ただのガーゴイルではないか」
アバリムががっかりしながら蹴りを繰り出し破壊していく。
「まだ入ったばかりだからそんなに強いのが出ても困るがな」
「普通はガーゴイルも強敵なんですけどね。一撃で破壊もできないんですけど⋯⋯」
夏樹の言葉にシェールがツッコミをいれる。
うむ⋯⋯ルシファー達といるせいで敵の強さが麻痺してきているな。
「魔石も小さいわね」
朱莉が魔石を拾いあげて、渡してくれる。
「どんどん進むのだ~」
ガーゴイルを蹴散らしながら進む。
廻廊の先に螺旋階段を見つけたので降りて下に下っていく。
螺旋階段を降りると、ミノタウロスソルジャーの大群とでくわした。
ミノタウロスソルジャーの中にミノタウロスキングがいるな。
「数が多いから手分けして倒そう!」
「後ろの奴等はもらったのだ!」
ルシファーが『連弾』を放ちミノタウロスソルジャーの装甲を貫いていく。
アバリムも貫手でミノタウロスソルジャーの鎧ごと身体を貫いている。
シェールも危なげながら応戦してるな。
朱莉はミノタウロスソルジャーの背後に回って急所を攻撃して倒してるな。
「シェール援護するぞ!『ジョブチェンジLEVEL-1』発動――クルセイダー『リフレクトシールド』」
ジョブチェンジし、盾役の上級職のクルセイダーにジョブチェンジする。
魔法袋からブロンズタートルとユグドラシルの枝で補強を入れた盾を装備する。
『リフレクトシールド』は相手の攻撃を跳ね返すスキルだ。
シェールの前に立ち、ミノタウロスソルジャーの攻撃を弾き返していく。
「師匠助かります!精霊の加護『トール』」
シェールがグレイブに雷属性を加えてミノタウロスソルジャーを切り裂く。
「喰らうのだ!インフェルノファルコンなのだ!」
ルシファーがミノタウロスキングを灼熱の炎を帯びた鳥が周囲を巻き込みながら突き抜けていく。
「いい感じに殲滅できたのだ」
所どころ周囲が焦げたな。
先に進むとガーゴイルがミスリルガーゴイルになったので魔法袋に入れて倒していく。
生きてる状態だとクレームが来るからな。
「まさかミスリルが手に入るとは思わなかったな」
ミスリルといえばファンタジーの金属である。
「ふむ。少しだけ固いが問題なく壊せるな。《ブラッドバレット》」
アバリムは魔法袋に入れる前に数回攻撃をしているな。アバリムの基本攻撃は血を操って攻撃をくわえるみたいだ。
血を固まらせたり銃弾のように飛ばしたりと、使い方は色々あるみたいだな。
「ミスリルガーゴイルがいるなんて本当にヤバい所ね。あなた達といてよかったわ」
「普通の冒険者には傷一つ入れれない魔物ですからね」
朱莉とシェールがミスリルガーゴイルが壊されたのを見ながらホッとしてるな。
ミスリルガーゴイルを倒して進むと辺りに折れた武器が落ちている。
「冒険者たちがここでやられたのね」
「あっ!見てください宝箱がありますよ!」
宝箱の前には魔物がいるな。
重厚な鎧だ。左手に剣を、右手に盾に顔がついた兜を鎧が持っている。あの魔物の周りの空気が違うな。
「あれはデュラハンロードなのだ!」
「ほぅ⋯⋯なかなか面白そうなのがいるではないか!我にお任せ下さい。不死者の格が違う所をお見せしましょう!《フルブラッドスパイク》」
デュラハンロードがアバリムの攻撃を盾で受けると、攻撃に転じて、剣を振り下ろす。
「Goooo」
「ふんっ!《ブラッディシールド》」
アバリムが剣を血液の盾で防ぐと離れて、攻撃をデュラハンロードに繰り出し、攻防を繰り返していく。
暫くすると、デュラハンロードの動きが鈍くなっていってるな⋯⋯。
デュラハンロードの鎧や剣などに、アバリムが血を振り付けたことによって動きを封じているようである。
「我の血を浴びてそこまで動けるとは対したものだが、勝負あったみたいだな。《ブラッドコントロール》」
デュラハンロードが自分の盾を落とし、剣を盾に向かって突き刺した。
「Guuuu」
デュラハンロードが悲鳴を上げ消えていく。
デュラハンロードがいた足元に大粒の魔石が転がった。
「なかなか大きな魔石がでてきたな」
これがあれば転移魔法陣の魔石になりそうだな。もう一つか2つ欲しい所だが⋯⋯。
「さぁ宝箱よ!」
朱莉がキラキラしながら宝箱を見ているな。
「その宝箱少し魔力を帯びているのだ。もしかしたら罠があるかも知れないのだ」
宝箱に手を翳すと、魔法陣が展開される。
「転移トラップなのだ!」
「皆集まるんだ!離れるなよ!」
◇◆◇◆◇◆
光に包まれた先には玉座があり、そこに白銀の目をした女性が座っていた。
周りを見渡すと、皆一緒に来ているようである。よかった⋯⋯。
「まさか私のデュラハンロードが倒されるとは思わなかったわ」
「私の?」
「マスターそいつはダンジョンコアなのだ」
「ああ⋯⋯レベッカが言ってた白亜だったか?」
「あらっ?レベッカの知り合い?」
「ああ⋯⋯レベッカに新しいダンジョンを教えてもらったんだ」
「⋯⋯そう。第一段階としては貴方達は合格よ。宝箱はまだ渡せないけど」
「宝箱を取ろうとしたらここに飛ばされたってことは、宝箱をとるには何か条件があるのか?」
「ええ。私のお願いを聞いてくれるなら、あげてもいいわ」
どんなお願いだろう⋯⋯。
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