天使の陰謀
ディノオウサルの口調が、精霊と同調しているのか、片言になっている。
⋯⋯前はしっかりしゃべっていたんだけど⋯⋯
「『ジョブチェンジLEVEL-1』発動――鑑定師『ステータス鑑定』」
―――― ディノオウサル ――――
種族 ディノサウルロイド 戦士長
状態 ヴァルキリー憑依中
ジョブ ハイランダー
STR(攻撃力) 750
Agi (敏捷性)400
Dex (器用さ)100
Vit (丈夫さ)550
Int (知力)200
MND (精神力)50
スキル
『薙ぎ払い』『ガードクラッシャー』『ウォークライ』『兜割り』『ブレイクスパーダ』
ヴァルキリーが憑依してるのか⋯⋯。攻撃だけでも俺やレオナとは2倍位に差があるな⋯⋯。
レオナが虎に変化し、魔法(物理)でディノサウルロイドを攻撃してるな。レオナはどんどん魔導師より格闘系にすすんでるな。
パイモンはディノオウサルを相手しながら、周りのディノサウルロイドを一撃で伸していってる。
俺も周りのディノサウルロイドをどうにかしないと⋯⋯
工房ギルドで作っておいたあれの出番だ!
液体窒素凍結銃に、スタンガンである。
ルシファーの魔法により、髙火力になっているがディノサウルロイドたちは丈夫そうだし、しばらく眠っててもらおう。
「『ジョブチェンジLEVEL-3』発動――警察官――《逮捕術》」
警察官は警察に所属し、治安維持を主とした職務を遂行する者及びその職務を遂行する職業だ。
市民の安全を守り、いざという時には凶悪犯罪者と戦わなければならない職業・警察官。
ル○ン三世を追う銭○警部もインターポール、ICPO《国際刑事警察機構》の警察官の花形だ。
《逮捕術》は犯人などを制圧・逮捕・拘束・連行するための術技のことだ。
銃の扱いにも慣れてるし、敵対勢力を傷をつけずに戦うことができる。
「ギャ!」
「ぐはっ!」
《逮捕術》を使いながらスタンガンと液体窒素凍結銃を駆使し、ディノサウルロイドを気絶させていく。
ディノサウルロイドは変温動物にあたり、液体窒素凍結銃で体温が低下し、動けなくなっている。
スタンガンも、液体窒素凍結銃も、なかなか効果的な威力だ。
「カカカ!主殿の心配はなさそうですな。蜥蜴擬きめ、憑依したぐらいで俺様に勝とうなど笑わせるぜ」
パイモンがこちらを見ながらディノオウサルと戦ってるな。
「グォおお!マタも余所見ヵ!『ブレイクスパーダ』!」
バスターソードがヴァルキリー状態効果で光輝く。
「ふんっ。この程度の攻撃では俺様には効かねぇ!」
パイモンが腕で剣を止めるとディノオウサルの首を掴み、何やら唱え始めた。
「■■□~パイモンの名において精霊に命ずる。姿を表し、この者から離れよ!」
「グォああ~!!」
ディノオウサルの背後からヴァルキリー《戦乙女》が出てくる。
ディノオウサルはそのまま膝をつきバスターソードを地面に突き刺し、剣にもたれかかっている。倒れないだけ、たいした根性だ。
ヴァルキリーはこちらを見ながら、その後パイモンを見つめると目を閉じ、精霊門を開け戻っていった。
ルシファーが魔法陣を展開し、瞬間移動で戻ってくる。
「天使は逃げたみたいなのだ。恐らくディノサウルロイドの行動は天使と精霊の仕業なのだ」
「天使が精霊を使って、ディノサウルロイドをけしかけてたってわけか」
ディノオウサルが口を開く。
「街に向かった俺たちの仲間たちはどうなった?」
ディノオウサルは周りを見ながら、ディノサウルロイド達の息が有ることに気づいたようだ。
ディノオウサルからは戦意はもうないようだ。
「ちょうどバティン達が此方にきたのだ」
「夏樹様~。こちらは捕らえ終わりましたわ。言われた通り、死者を出さず、此方に連れてきています」
「そうか。バティンありがとう。ディノオウサルそういうことだ」
「⋯⋯そうか。感謝する。我が命で皆は助けてくれないだろうか?」
ディノオウサルがホッとして此方に提案をしてきた。
「もともと殺すつもりはなかったからな。俺たちが傷つきでもすれば話は変わってきただろうが、ただ今回の件で冒険者ギルドがディノサウルロイドを緊急討伐対象にしている。だからお前たちには条件がある」
「我等はもう、戦意はない。如何なる条件も、仕方あるまい」
「とりあえずディノオウサルは俺たちの街に一緒に来てくれ。悪いようにはしないつもりだ」
捕らえたディノサウルロイドを条件つきで解放した夏樹たちは、山岳地帯からベルサイズの街を目指し、冒険者ギルドにむかうのだった。
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