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パイモンとの決闘 ①

 ランドレア・シェールが来て、2週間が経とうとしている。


 シェールは『草樹魔法』を使い、様々な植物や食材の品種改良をしてくれている。


 果実の甘味が増したり、食感が良くなったりと、とても助かる。


 料理を作っていただけあって知識を飲み込むのがとても早い。


 好奇心旺盛すぎて何でも味見をしようとするので、バティン達が作った激辛料理をつまみ食いし、瀕死に陥っていたこともあった。


 見たことのない料理だったからとシェールは半泣きになりながら語る。


 レオナは出歩いているときに魔導師ギルドにちょっかいをかけられ、朱莉が威嚇して追い払ったらしい。


 ルシファー曰くレオナは、少しはマシになってきたので戦いでも足を引っ張ることはないだろうと言っていた。


 レオナは少し隈ができてるな。だいぶしごかれたようだな。


 ベリルも隅で稽古に参加していたみたいで自信ありげに自慢してくるので褒めてやる。


 朱莉はヒュージバァグワームの糸とセイントアルパカの毛糸で服を作るのが日課になっている。


 朱莉は前の世界ではオートクチュールデザイナーの仕事をしていたらしい。


 オートクチュールデザイナーは顧客一人ひとりの注文に応じてデザインを考え、人によっては縫製(ほうせい)までする。

 

 高級服を扱う職種だ。


 朱莉は全てやっていたらしい。目を通さないと納得する物を作れないので、ほぼ自分で作るのが楽しいからやるんだそう。


 流石に受注が重なったりしたら、任せることもあったみたい。


 ラバルのシェフの服も朱莉が手伝っていたみたい。徹夜して、仕上げたらしい。


 服の色付けに関しては『ジョブチェンジLEVEL-3』――染め物師を使い、色付けをしたりして、レパートリーを増やしていく。


 朱莉がものすごく楽しんでるな。


「だってこの世界に来て服の事が出来るとは思わなかったの。毎日が充実して楽しいわ」


 朱莉は服を作り出して、スキルが開花し、ユニークスキル『小人の服屋』に入れたみたいだ。


 『小人の服屋』は裁縫などの縫ったりする作業を朱莉が寝てる時に小さな妖精がやってくれることができる能力である。


 能力発動中は小人の視覚を認識できる状態で思考が連動され、夢心地で納得のいく作りをしてくれるそう。


 アバリムが退屈凌ぎに服を作る勉強をしているらしい。


 ラバルといい好奇心旺盛だな。




◇◆◇◆◇◆



 朱莉が冒険者ギルドから急いで戻ってくる。



「ねぇ夏樹!緊急依頼(クエスト)が冒険者ギルドで発動したみたい!Cランクまでの冒険者は集合してほしいだって」


「皆行こうか」


「ハイなのです!」


「わかったのだ!」


『どんな依頼かな~』


「ふふふっ楽しみですね」


「退屈していたところだ。丁度いい。いくぞラバル、アバリム」


 パイモンがいつになくやる気を出しているな。


「ねぇ不死者の王(ノーライフキング)とドッペルゲンガーモナークはヤバイだろ」


 シェールが思わずツッコミを入れる。


「我の『幻術極』使えば街の人間達など、どうとでもなる」


「ん⋯⋯入り込むのも⋯⋯簡単」


 確かにゲートがあるけどアバリムやラバルには意味がなさそうだな。


 言っても聞かなそうだし、仕方ない⋯⋯。

 

 大きな揉め事になりませんように⋯⋯。


 冒険者ギルドに着くとギルドマスター(アンゲシュテルター)が冒険者達が集まってる中心にいるな。


「皆よく集まってくれた!今回、ストラウス高原で活動中の冒険者がディノサウルロイドに襲われたとの報告があった。


普段は山岳部を拠点にして、降りて来ない筈なのだが、湖近くにいたCランク冒険者がやられてしまった。


山岳部からかなりのディノサウルロイドが降りてきて街にむかっているらしい。


それにレッドワイバーンを手懐け、空から襲撃をされたみたいなのだ。


普段から好戦的な種族ではあったがワイバーンを手懐けたことにより、危険度が高い。


接近数はディノサウルロイド50人にレッドワイバーンが5匹だ。


本部にも上告しているが対応は遅れるだろう」


 レッドワイバーンはAランクの魔物で気性が荒く、狂暴な魔物で手懐けられるような魔物ではないらしい。


 冒険者達がざわざわしている。


 そこにパイモンの笑い声が木霊する。


「カカカ!アイツらか?レッドワイバーンを従えたぐらいで、勝てるなんて思ってるなんて、片腹痛いわ」


「ん⋯⋯朝飯前」


「我の力を見せつけてやる」


 ⋯⋯もとはと云えばパイモンと俺のせいなんだよな。


 争いをしたくなくて眠り薬を使ったけど⋯⋯被害者も出ているし、最悪覚悟を決めよう。


 俺も聖人君子ではないし、仲間が傷つけられてまで、助ける事なんてできない。


 ただパイモンがまた同じような事をしても、困るからパイモンとだけは話をしておかなければ、また同じ事を繰り返すはずだ。


「山岳部にいるのはどうするんだ?」


ギルドマスター(アンゲシュテルター)は答える。


「ここまで大規模になってしまっては討伐対象になるな。ただレッドワイバーンを手懐けているだけあって、戦力を拡大してる可能性があるから、こちらは後日になるだろうな」


「今回の件は俺たちのせいでもあるから、ディノサウルロイドの討伐の件は任せてくれないか?あとできれば女、子供は助けてやりたいんだが⋯⋯」


「しかしだな⋯⋯。もうすでに近くまで来てるんだぞ?お前らだけじゃ危険すぎるぞ」


「マスターの言うとおりなのだ。お前たちは、街の中でも守っておけば良いのだ」


「夏樹のわがままには困ったものね」


「師匠、私もBランク冒険者なので役にたつと思います」


「助かるよ。その前にパイモン、話がある」


「ああん!? なんだ人間?俺様に何か用かよ!? 」


「ああ⋯⋯お前の行動は目に余るんだ。今回の件だってディノサウルロイドの女、子供をいたぶったりしたから、復讐の火種が強くなった可能性がある。悪魔だから仕方ないとかじゃないんだ。俺の回りにいる限りはそういうのは見過ごせないし、許せない」


「なら力ずくでやってみろよ!前々からお前の事は気に入らなかったんだ!!ラバル、アバリム、手を出すなよ」


「はっ!!」「ん⋯⋯わかりました」


「マスター、パイモンは強いぞ?」


「ああ。わかってる。でもこうしないと、俺の居場所がぐちゃぐちゃになっちゃうからな」


「では私しはディノサウルロイドがこちらに来ないよう引き留めておきましょう」


 バティンが街の入り口に駆けていく。


「如月さま⋯⋯」


『ご主人様、気をつけてね』


「では我輩が立ち会いをするのだ」


 広場に移動し、パイモンと対峙する。


 パイモンから殺気がびしびしと身体に当たって思わず震える。


「今更、怖じ気づいても俺様は容赦しねぇぞ。ただ余興として、俺様に1発有効打を当てれたら、お前の勝ちにしてやるよ」


「助かるよ。俺はなんだかんだ、今が楽しいから、それが無くなるのよりはマシなんでな」


「マスター、パイモンにはマスターが持ってる普通の武器は効かないのだ」


「ああ⋯⋯わかってる」


「じゃあはじめるのだ!」


 
























      

    












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