閑話 エルフ ランドレア・シェール ②
師匠の案内で今日は屋敷を回っている。
今日の朝の料理も美味しかったな。
思い返すだけで涎がでてしまう。私としたことがはしたない。
材料や料理道具の使い方が知りたいからキッチンにいたいが、
私の興味は尽きない⋯⋯それ以外にも不思議な物があるすのよ。
書庫だったり、地下室の宝石だったり、目を引いたのは馬屋に、ヒュージバァグワームがいたことだ。聖樹ユグドラシルにいるといわれる伝説の簑虫である。
ヒュージバァグワームの糸で作るものは特質素材で手に入れる為には、聖樹ユグドラシルに登らなければいけないので、凄腕のAランクの冒険者でも命を落とす危険がある場所なのだ。
お伽噺でヒュージバァグワームが糸を使い、聖樹ユグドラシルから降りて姿を変えて飛んで行くというのを本で読んだ事があるのだが、姿形が全く一緒なのよ。
そういえばその回りには聖獣が暮らしているっていうのもあったっけ。
そうそうこんな感じのセイントアルパカなのよね。
セイントアルパカは頭を私に擦り付け頭を撫でるのを催促している。思わずなでなでする。
⋯⋯って本物じゃない!どうしてここに?
いい毛糸になるの?いやそもそも聖獣の毛糸を使うの?
あと名前を決めかねてる?一緒に住んでるから名前を欲しいと。
うーん。私も考えておくわ。
馬もバティンさん曰く空も飛べるし、ただの馬では無さそうだったし、私⋯⋯なんか違う世界にいったんじゃない?
どこか違うゲートくぐってないかしら。
そして私は念願の木と対面する。この辺りはやけに暖かいわね。
聞くと、ここら辺は温度制御をしてあるとのこと。
師匠とルシファーさんが共同で“ある魔法“を使って温度制御する仕組みを作ったらしい。
どうやったらここら辺だけ、魔法を維持できるのだろう⋯⋯どれだけ魔力を使うのよ?
カカオの木は私の『草樹魔法』で成長速度と生育強化させてより品質の良い物を作って貰うわね。
少しだけ種子を貰ってと⋯⋯。
畑もあったので師匠にお願いして任せてもらうことになった。
種は馬屋の横に物置小屋の中に保管してあるとのこと。
早速いくわよ!
種が置いてあるところに羊皮紙に1つ1つ絵が書いてあるわ。こういうのがなるのね。色もついてて解りやすいわ。
何から育てようかな~♪
目的は達成できたけど私には新たに、使命ができてしまったわ。
私はここで修行して世界に通用する料理人になってみせるわ。
師匠はあの大会に出場したのは本当はラバルさんだったと教えてくれた。
でもそのラバルさんに料理の事を教えているのも師匠らしい。
なら私はこのまま夏樹さんが師匠のままでいいかな。
庭を歩いているとルシファーさんとレオナさんが稽古をしてる。
「猫娘よ!まずはこの『魔力操作』で体の流れの魔力を掴むのだ
。脚や手に巡らせ瞬間的に魔力を移動させる感覚を身体に覚えさせるのだ」
「ハイなのです!」
魔力を身体に纏わすなんて上級魔法使いでもできないわよ?
あの訓練は毎日休まずおこなっているみたい。
その横でドラゴンの子供も参加してる。
話しかけれるような雰囲気でもないからそっとしとこう。
とりあえずまずは、あのキッチンにある道具の使い方と香辛料の味見をしなきゃ。
師匠にお願いしてキッチンに行く許可をもらう。
やった!料理道具の使い方も教えてくれるみたい。師匠最高です!
キッチンを目指す時に須藤さんが来て私の身体を採寸していった。
ヒュージバァグワームの糸と、セイントアルパカの毛糸を使って服を作ってくれるみたい。
とても楽しみだ。
キッチンに来るとバティンさん、ラバルさん、アバリムさんが隣の給時仕室で昨日出たドーナツを食べてるわね。
どうやら悪魔たちと人族+一匹は料理を別々に作ってるみたい。
甘いもの好きなのに、師匠の作ったドーナツだから食べれなくてアバリムさんが私を睨んできたのね。
ルシファーさんはどちらでも良いみたいだったけど、種族間はやっぱり複雑なのね。
そういえばあの海はルシファーさんが作ったらしい。
元々は確かに沼地だったのを覚えている。
最近になって湖畔ができたって皆騒いでたから半信半疑だったのよ。
道理で魚に対して驚きもしないと思ったのよ。
絶対逆らわないようにしなくちゃ!
合間にお掃除を手伝おうかと思ったけどそれもする人?がいるみたいで不要って言われちゃった。
むぅ⋯⋯押し掛けておいてなんだけど、少しは働かして欲しいな。
まずは香辛料の味見からね。
商人ギルドにお願いしても手に入れられなかった物もある!
ふふ~ん♪こっちは香りがいいな。
ん?これは別の場所にあるようね。ホール(そのまま)のと、粉末がある。どれどれ⋯⋯?
ぐわっ!毒なの!? なにこれ辛いを通り越して痛い!水が!水がほし~い!
「それはブート・ジョロキアだね。もっとヤバイのが奥にあるけど触ったらダメだよ?」
ゴースト・ペッパーと呼ばれる異名を持つ唐辛子らしい。
奥に置いてあるのは赤い死神<キャロライナリーパー>というもので直接皮膚で触ると火傷し、そのまま食べると死ぬといわれるものがあるみたい。
師匠に状態回復ポーションを貰い、なんとか持ち直した。
悪魔たちが刺激欲しさにいれるためにあるんだとか。
なんてもの置いてんのよ!
無闇に触ることが出来なくなってしまった。
こうして師匠に料理の道具の使い方を教わりながら、日々私の料理修行は続いていくのだった。
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