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魔導師ギルドの悪巧み




 冒険者ギルドから出て、屋敷に帰ることになった。


 冒険者ギルドは大騒ぎである。

 参加した協力冒険者は、ほぼFランクからCランクの冒険者達だったので冒険者ギルドに居合わせた参加しなかったBランクの冒険者は少し悔しがっていた。


 まさかFランク冒険者がBランクの魔物を沢山捕まえてくるとは思わなかったらしい。


 Aランク冒険者は朱莉1人だったが一番始めに持って帰ったデスクロコダイルの素材をもらったらしい。


 明日もまた魔物の取り分をもらえるとのことで少し嬉しそうである。


 ダンジョンにも行きたいよな。遠くのダンジョンには宝箱も出てくるらしいし、今度レベッカに教えてもらうか。

 

 屋敷に到着するとラバルとアバリムが出迎えてくれた。


「⋯⋯お帰りなさい⋯⋯ませ」


「パイモン様お風呂の用意ができております」


 バティンは連れ帰ったセイントアルパカとヒュージバァグワームを馬屋に連れていってるな。


「ルシファーはパイモンと一緒に先に入ってくるといい」


「マスターはどうするのだ?」


「俺は馬屋の拡張をしに行ってくるよ。だから最後でいいかな」


 さすがに風呂は男女別とはいかないから少し朱莉が不満そうな顔をしているがパイモンに譲るみたいだな。


「じゃあ私も手伝おうかな。お風呂空くまで暇だし」


「私は書斎に行くのです!」


 レオナはぶれないな。


『僕はお腹すいたな~』


「ん⋯⋯もちろんもう用意してる。ベリル⋯⋯先にたべる?」


『うん!たべる~!』


 ラバルがベリルと会話をしているな。言葉通じるんだね。


 ベリルはダイニングルームへ飛んでいく。ラバルもついていくみたいだな。


「なら先に風呂に入ってくるのだ!」


「ルシファー様お供致します!」


 ルシファーとパイモンは浴室に移動していった。アバリムがそのあとに続く。


「じゃあ行きましょ」


 馬屋につくとバティンに声をかける。


「バティン、馬屋が狭いだろうから拡張するよ」


「夏樹様ありがとうございます。ちょうど今、私しも拡張しようかと思っていたところですわ」


「よし始めるぞ。『ジョブチェンジLEVEL-3』発動――『大工』」


 テキパキと魔法袋からウッドゴーレムの破片をバティンと朱莉に渡して加工して貰っていく。


 ヒュージバァグワームは吊り下げれる所を用意してと⋯⋯餌はバティンが取ってくるみたいだから、やっぱりほぼなにもしなくてもいい。

 セイントアルパカの場所は出入りができる馬屋を用意した。


「ェェェェ⋯⋯」


 セイントアルパカのご機嫌な鳴き声である。


「夏樹が作ると早いわね⋯⋯全然時間たってないわよ」


「造りも装飾まで施してありますね。美しいです」



 ベリルと風呂を済まして部屋に戻ろうとしてるとレオナがルシファーに外に連れていかれていた。


 前に言っていた魔法を纏わす事を教えるっていってたな⋯⋯

もう教えにいってるとはな⋯⋯


 教えるで思い出したけど、そういえばルシファーが持っていた槍は俺が全く知らない武器だったな。

 異空間から出してたし、まだまだルシファーについて知らないことも沢山ありそうだな。


 精霊界にも帰りたがらないし、何かあるのかな?


 強さも然る事乍らルシファーの本質は堕天使だし、今は大人しくしてるけど何かあってからじゃ遅いしな。頼りすぎも危険な気がする。


 パイモンの件もあるし、悪意あるものが来れば、火の海になりかねない。



(どうしたもんかな⋯⋯覇王とかに会えればまた話が変わってくるんだろうけど⋯⋯このまま街にいるより、新しい街にいくなり、土地を手に入れて街でも作る方が王に接触する確率が上がるかも⋯⋯)




◇◆◇◆◇◆




――魔導師ギルドにて――


 黒いローブ姿のフードを被った魔導師の連中が集まっている。


「レオナが活躍をしてランキングランクが上がったらしい⋯⋯」


 魔導師ギルド所長が呟く。


「あの召喚者がうまくやったみたいですな」


「ではレオナは帰ってきたら昇格させましょう」


「いいですな」


「では魔導師ギルドに戻るように手配するぞ」


 魔導師ギルドではレオナを引き戻し、楽してランキングポイントを稼ごうとするのが、目に見えてわかる連中の集まりだった。


「宿願の最下位ランクの返上も目に浮かぶわい」


 こうして魔導師ギルドの企みは行われ、冒険者ギルドに見張りをたてるのだった。





◇◆◇◆◇◆





 翌朝、冒険者ギルドに来るとギルドマスター(アンゲシュテルター)が受付嬢に呼ばれやってくる。朱莉は冒険者たちの集団に入って行ったな。


「おおい!お前らこっちに来てくれ!」


ギルドマスター(アンゲシュテルター)が奥の部屋に案内してくれる。


「それで話なんだが⋯⋯2つあってだな⋯⋯


ひとつめは今回の魔物の取り分なんだが⋯⋯『シャイニングセイバー』にもやってほしいんだ。


 結局の所は朱のダンジョンに入れなかったのが原因だし、自分たちの取り分も、ギルドに提供したから蓄えがないんだよ。


 お前たちにはその代わりにランキングポイントと冒険者ランクを上げることが本部との話でついている。」


「どのみち提供したものだし、誰が受け取っても構わないぞ」


ギルドマスター(アンゲシュテルター)がほっと息を吐き安堵する。直ぐ様受付嬢に託けると受付嬢がそとに急いで出ていった。


「それは助かるぜ。冒険者ランクは協議の結果Cランクになった。あの量をみると、Bランクの依頼でも余裕そうなんだが⋯⋯事例がないだけに本部との兼ね合いでCランクとなっている。

ランキングポイントは参加した人数の各200ポイントずつ入るようにしたからな。ちなみに従魔の分はねェぞ」


「参加した分だから4人分か⋯⋯」


ランキングポイントはレオナと夏樹()に半々で入るみたいだな。


 Cランクは半年活動をしなかったら執行されるようになっているらしい。


「それともう1件は冒険者ギルド宛に魔導師ギルドからレオナを返還させるようにと書類が届いてな。最近は外に彷徨くものもいるみたいなんだが無視をしてるとこだ。魔導師ギルドの書類はこれなんだが⋯⋯さすがに住居区には入れることができなかったみたいだな」


「私宛ですか⋯⋯」


 どれどれ?レオナが見ているものに目を通す。


        ――――――――――――――――― 


 レオナ研究員を魔導師ギルド、研究所役員に任命したく存じ上げる。


 至急戻られたし。なお冒険者ギルドの活動は今後魔導師ギルドで行うため活動を禁ず。    


 魔導師ギルド 所長 シュバイン・バース 


         ――――――――――――――――

 ギルドマスターがレオナに語る。


「魔導師ギルドを除名されたって聞いてたのに、お前らの噂を聞いて掌を返してきたみたいだな」


『レオナどっかいっちゃうのー?』


 ベリルがふよふよレオナの周り飛んでいる。


 内容を読んで終わったレオナはため息をついた。


「どうするんだ?」


「もう私は魔導師ギルドに席は置いてないので⋯⋯またあの生活に戻るのはもう考えられないのです」


「答えが出たようなのだ。まあ弱小の魔導師の役員になっても意味がないと思うのだ」


「じゃあ決まりだな!魔導師ギルドには断りをいれておくぜ!今後は冒険者ギルドで活動をしてくれよな!まあ他のギルドの話も良く聞くからけどこっちも頼むぜ!サービスでランキングランクと連動させてやるから指輪を着けた手を本に載せてくれ。あとはカードを水晶に翳してくれ」


 ギルドマスターが本を持ってきたのでレオナと夏樹()は登録をする。


 ルシファーはランキングランクには反応しないので、カードの登録を翳してCランクの登録を済ます。カードが光を放ち表示が変わるようだ。


「私したちは助っ人だったので今後活動するかは未定ですわ」


「魔物狩りぐらいならまたやってもいいけどな」


 バティンとパイモンは冒険者活動は別に考えていないらしい。


「いやいや⋯⋯せめて活動ぐらいはしてくれよー!せっかく期待の新人が増えて本部にいい顔できたんだからよ。頼むよ~」


「考えておきますわ」


「知ったことかよ」


 それぞれ反応が違うがギルドマスターが持ってきたブロンズカードをバティンとパイモンが受けとる。


「それでは用が終わったらしいので私しとパイモン様は帰りますね」


「ごくろうだったのだ!ゆっくりするといいのだ!」



ルシファーのねぎらいの言葉を受けバティンとパイモンが瞬間移動(テレポート)で屋敷に帰る。


「⋯⋯消えた」 放心状態になるギルドマスター



 奥の部屋から出ると『シャイニングセイバー』の面子が魔物を受け取っているのが見えた。


 朱莉がこちらに来て聞いてくる。


「ねぇ⋯⋯ギルドマスターの話なんだったの?」


 内容を教えてやると朱莉はレオナをぎゅっと抱きしめ、優しく頭を撫でる。


「朱莉さん⋯⋯苦しいのです」

 

 レオナが小さくうめき声をあげる。


「そんなギルドになんて絶対いかせないわ!私の目の黒いうちは近づかせもしないんだから!」


 レオナの扱いが酷かったのを聞いていた朱莉はかなり怒り心頭だ。


これなら魔導師ギルドの連中が何かしてきても大丈夫そうだな。







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