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ストラウス高原 はじめての野宿 




 夕食を済ますとすぐパイモンは飛んで行ってしまった。

 バティンが昼には50匹狩っていたのに対し、パイモンは強さを重視して、戦いがいのある大きな魔物にしか興味をもたず数は濁していた。多分5匹も狩ってはいないだろう。 

 ルシファーにバティンのことを聞いてさすがに不味いと思ったのか少し焦っていた。


 朱莉も冒険者ギルド野営地区に戻って情報を整理してくるようだ。沼地だった場所が湖畔と海になったことも報告すると言って出発した。朝にはこちらにまた来ると言っていた。


 ディノサウルロイドたちはパイモンに痛めつけられていたが死者は出ていないがパイモンは女、子供は集中的に攻撃をしていた⋯⋯負傷者をだしてそれを救護させる為動く事をままならないようにするためにわざと生かしておいたのだ。その方がかえって戦いにくいし、パイモンに対して復讐心を煽るのだ。

 パイモンにとっては暇潰し程度の事なので生かしておいても脅威にもならない。治療が長引くと予想されるため、ディノサウルロイドたちがすぐに挑んで来ることはないだろう。


 しかしパイモンの行動は目に余るな。さすがに敵を増やす行為は俺としては望ましくない⋯⋯悪魔だから自由にしていい事はなってないんだぞ。


 気をとりなおそう⋯⋯野宿だ。


 俺としては、この世界に来てはじめて外の場所で寝ることになるな。火をたいて周りを警戒しないといけないし、レオナも外で寝るのははじめての事らしい。レオナ用にもマントは買っておいた。

 帆布もまだないしテントを作るのも生地がたらないし、家をたてるには⋯⋯短期間で何回も建てるのも少し面倒だな⋯⋯


 岩場もないんだよな。ルシファーいわくもうこのあたりは弱い魔物しかいないため湖畔となった場所は安全とのこと。なら1日ぐらいはこのままでもいいかな⋯⋯レオナの魔法陣が張ってあって暖かいし、月も水面に反射してとても綺麗だな。


 この世界は月が2つありひとつはおおきな蒼い丸をしている。もうひとつは小さいが赤く光を放っている。


 なので夜もあまり暗くはならない⋯⋯月明かりがとても幻想的だ。

 なんか久しく星なんて見てなかったし、自然を満喫できるってなかなかないよな。


 記憶の中の俺はこうして自然を楽しむってことをしてなかったし、暖かくて春みたいだな。


 ストラウス高原では少し標高が高くなっているため雪が降るらしいのだが今のところそんな感じはない。


 焚き火をしながら夜のひとときを楽しむ。


「私も街の外は久しく行ってなかったのです。こうして魔物も現れずほとんど心配がないとは考えたことなかったのです」


「魔物の心配もあるし、とりあえずは交代で寝るとしようか」


 夏樹()の言葉にルシファーが反応し答える。


「そんなに心配する必要はないと思うのだ。そもそも我輩の気配を感じて近づいて来る命知らずはそうそういないと思うのだ。我輩の『魔力操作』で魔法陣の魔石に力を込めておいたから魔物避けになると思うのだ」


 自信満々にルシファーは寝転がりのんびりしている。


「ルシファーがそういうならそのまま寝ても大丈夫か」


『じゃあ僕が起きててあげるよ!星空きれいだし眺めていたいんだ~』


 ベリルか楽しそうに星空を眺めながら楽しそうにしている。


「そうか⋯⋯ベリルすまないな。レオナ、ベリルが夜の番してくれるらしいから寝させてもらおう」


「ベリル、ありがとうです」


 レオナがベリルをなでながらお礼をいう。


 こうして何事もなく夜は更けていった。


 ふと目を覚ますと夏樹()たちが寝ていた魔法陣で囲んでいる場所以外白い⋯⋯寒くなかったから目を開けた時にしばらく理解が追い付かなかったが雪が降っているようである。


「この魔法陣雪も防げるのか⋯⋯」


「んんっ⋯⋯如月様どうしたんですか?あれっ?周りが白いです。何のですこれは?」


 レオナは雪は見たことがなかったようだ。氷魔法を使えるから知ってるかと思ったが違うようだな。


 じゃあレオナじゃないのか?その疑問にベリルが答えてくれる。


『ルシファーお兄ちゃんが魔法を展開してたよ!そしたら焚き火の炎が大きくなって周りをより暖かくしてたよ』


 ルシファーが『火魔法』を使い雪が入らないようにしていたみたいだな。


 上を見ると途中で消えてるな。ルシファーは寝息をたてながら丸まっているな。マントをルシファーにかけてやる。


「これは雪っていって氷の結晶が落ちてくるんだ。手にとって見ると綺麗だぞ。俺がいた世界では沢山降るといろいろと大変なんだが楽しい遊びも多かったから俺は好きなんだ」


「氷の結晶⋯⋯小さくする事はほとんどないんでみてみることがないですね。大規模魔法も使えないので全然違うものだと思ってしまったのです」


 まあ攻撃をすることで『氷魔法』を使っていたのならあまり気がつかないかな⋯⋯


 雲に隠れていた赤い月があらわれ雪を赤く照らしていてなんか花びらみたいだな。小雪が降り漂っている。あまり降ってないから朝には雪が消えてるだろうな。


「俺の世界ではこんな綺麗な光景はみなかったな」


「私もです」


『星空もよかったけどこれも好きだな~』


こうして楽しい夜を過ごすことができたのだった。





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