ストラウス高原 沼での魔物狩り
少し魔法銃はあとに回すことにした。威力あげた為にFランクの弱い魔物では黒焦げになってしまう。
仕方ないのでキラーマンドレイクやブルーガジルなどをレオナとベリルと協力しながら武器を変更し戦った。
今度は前に作ったブロードソード『リッパーソード』である。
先ほどレオナが苦戦していたロックバイソンは一刀両断できた。
もちろん『ジョブチェンジLEVEL-1』を発動し、『ソードマスター』――薙ぎ払いを使い横に剣を払ったらロックバイソンがバターのように切れてしまった。
「やっぱり如月様はすごいのです」
「ロックバイソンが一刀両断とはね⋯⋯普通は目とか腱を狙って倒すのよ。その武器もおかしいわね。しかし貴方いくつ武器を持ってるの?それで4つ目よ?
まあさっきの魔法銃とその剣以外は普通よりいい武器っぽいけどそれなりって感じね」
朱莉が戦いかたと武器を次々に出している夏樹に少しあきれながら真っ二つになったロックバイソンをながめた。
「これもただのブロードソードだぞ。これは俺がスキルを使って作ったから名前もついたけど。よし。⋯⋯歯こぼれはしてないな。いい感じに出来上がったみたいだな。他はドワーフのジークドラムスに作って貰ったんだ」
「名がつくのはただの武器ではないわよ。<ネームドアイテム>って言って付加効果や耐性が着くことによって武器や防具が魔力を持つの。普通の装備の上位互換ねユニークとほぼ大差ないわ。どおりで出鱈目な感じだと思ったのよ。でも他のもここら辺では手に入らない武器が多いわね。やっぱり工房ギルドで独自製作してるだけあるわね。ねぇ私にも武器を作ってくれない?」
自然に作ってたのがネームドアイテムだったのか。
出して見せたのはチャクラム、槍、クローである。いろんな武器を持っている朱莉も興味はあるみたいでお願いをしてくる。
「この決闘が終わったらな。時間があったらだぞ」
「ええ⋯⋯わかったわ。たのしみにしてるわ」
「マスター、そろそろ我輩も活躍したいのだ!」
「そうだな⋯⋯魔法銃の性能を見たら良いぞ。とりあえずグランドアリゲータがいるところで狩りをしようか」
魔法銃『焔の雷』の性能を見るため今度は沼の方に移動する。
「どこにグランドアリゲータがいるのでしょうか⋯⋯」
草が邪魔でグランドアリゲータが見えないな。
「出てこないと倒しても沈んでいくだろうな」
「掘り返して固めてやるのだ。大地を揺るがし災厄をおこせ!『カラミティアースクエイク』」
ルシファーが地面に両手をつけて『土魔法』を展開する。
沼地がぼこぼこと地盤が盛り上がり中にいたグランドアリゲータとデスクロコダイルを突き上げあまりの衝撃に悲痛な鳴き声を出している。
「グモン⋯⋯グモン」風呂桶を叩きつけたような低い音だな。
グランドアリゲータは何匹かは埋まってしまったようだ。うん⋯⋯沼地がなくなってしまったな。
「すごい早さで地形が変わっていくわね⋯⋯無詠唱でこの威力!!⋯⋯ダンジョンを閉鎖したのはルシファーだったのね。
実際目の前で見ると恐怖ね。改めて仲間になれてホッとしたわ」
朱莉がルシファーの使用した魔法と変わっていく地形を見ながら戦慄している。
地形が変わるくらいの魔法を詠唱なしで平然とおこなうのはやっぱり異常だよな。
変形した沼場から逃げ出ようとするつがいのデスクロコダイルが出てきたので魔法銃『焔の雷』を向けて撃ってみる。
バリバリ~!!ゴスッ!「グモ」
デスクロコダイルが一撃で動けなくなっているがまだ息はあるな。もう一度デスクロコダイルに攻撃をしてトドメをさす。
射程も中距離ぐらいでちょうどいいな。
「なっ!? デスクロコダイルが2撃ですって?」
あまりのデスクロコダイルのあっけなさに朱莉が驚く。
『ご主人様すごーい』
「ルシファー、だいたいわかったからこれからは参加していいぞ」
「マスターその言葉をまっていたのだ!トカゲよ。あまり沼場に近づくと怪我じゃすまいからじっとしてるのだ!光の粒子よ集い降り注げ『レーザーレイン』」
ルシファーが空中に『光魔法』を展開し手をかざすと小さな粒子がレーザーになって飛んで行き沼場の中央で拡散し、デスクロコダイルとグランドアリゲータにふりそそぐ。
すごい早さでデスクロコダイルとグランドアリゲータは光のレーザーに貫かれ無数の穴が空いていく。小さな穴のため目立った外傷は見えにくい。
「まさか地形を変えてグランドアリゲータとデスクロコダイルを一瞬で全滅させるなんて⋯⋯」
「魔法の威力も精度も恐ろしく正確でやっぱり凄過ぎて怖いのです」
朱莉とレオナは顔を青ざめながらグランドアリゲータとデスクロコダイルを眺めていた。
さあこれから回収作業だな。沼地だった所思ったより広いんだ。
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