ストラウス高原
朱莉によるとストラウス高原は草原、山岳部、沼地がある場所になっている。
草原は見通しのよいためここにはFランク冒険者でも来れる場所だ。
草原は性格が比較的大人しい魔物も多くいて人気があるとのことだが沼地、山岳部にはいると急に魔物も強くなるため、Fランクは草原で狩りをするのが定番らしい。
沼地はグランドアリゲータが住みかにしており、草原の奥の地面が底無し沼になっていて踏み込むとグランドアリゲータたちに捕まり食べられるというような場所とのこと。
グランドアリゲータは体力が高くDランクの魔物で群れの中には大型Bランクのデスクロコダイルがいる。革はかなり高値で取引されるが強さが桁違いらしく踏み込むと犠牲者を出すことがある危険な場所となっている。
山岳部はCランク冒険者たちが行く場所で特にディノサウロイドが出るらしい。
知能が高く防御力も高い何敵となるようだ。ただ気性が荒くとても好戦的で言葉が通じずしかも群れで行動をするため集団攻撃は恐怖といえる。
魔獣の森はCランクからの魔物しかおらず奥にはAランクの魔物も出るらしい。
「ストラウス高原の弱い魔物は狩りすぎたらまた冒険者たちが文句いうだろうからほどほどにしとこう。バティンが50狩ったってことはパイモンも同じくらい狩っている可能性があるしな」
「50も『シャイニングセイバー』が狩れる実力とは思わないけど。まあ持って帰る必要ないし、がむしゃらに倒すならいけるかもしれないわね」
朱莉が『シャイニングセイバー』を分析しているな。
「ルシファーは爆散させる攻撃はしないように」
ダンジョンではルシファーはほぼ爆散させてたからな。注意しとくぞ。
「それには考えがあるのだ!」
なにかを閃いたようにルシファーはニヤニヤしている。
「私も近接で戦うのです」
レオナは『獣化』か。
『僕も頑張るよー』
「よし。頑張れよベリル」
おっ!そうこうしているうちに魔物がいるな。
「ロックバイソンの群れね」
岩のように硬いバイソンらしい。
非常に大人しいが冒険者や敵に襲われると角で相手を突き刺し地面に叩きつけ押し潰す魔物とのこと。
1匹だとFランクなんだが集団でいるのでDランクの位置にいる魔物だ。
肉も調理が上手くできないと固く食べづらい為あまり冒険者としては旨味が少ない魔物だ。
「こんな弱い魔物ではつまらないから猫娘とトカゲに任せるのだ」
猫娘とトカゲって⋯⋯レオナとベリルだな。
「頑張るのです!」
『わかった~!行ってくる~』
ベリルが巨大化し、元の大きさに戻る。
「GRRRRUUUU」
ベリルの咆哮にロックバイソンがビックリして走り始める。
「行くのです!スキル『獣化』」
レオナも中型の虎へと変身し、逃げ始めたロックバイソンを追いかけ始める。
群れから外れたロックバイソンを、虎レオナは首もとを噛みつき倒す。
爪を立て斬擊を繰り出すが皮が硬いため中々仕留められないみたいだな。
それを見たベリルが飛び立ちレオナに加勢する。
さすがにドラゴンの攻撃は強くロックバイソンが致命傷を浴びて痙攣している。
レオナはロックバイソンを群れから外すことに決めたみたいで、追いかけては倒し、ベリルの攻撃を待つ。
ベリルも捕まえるのが下手で追いかけては逃げられるのでレオナの元に行くようにしているな。
少し抵抗されたロックバイソンに攻撃を受けているし。
ベリルもレオナと連携したことによって5頭のロックバイソンを倒すことができた。
レオナとベリルがこちらに戻ってくる。
「なんとか倒せました⋯⋯私の攻撃はロックバイソンに届かなかったのです」
少しレオナは落胆して悔しがっている。
『狩りって難しいね~』
「猫娘は獣化の際に魔法を纏わして攻撃をする方が良いのだ。
マスターの足を引っ張らないよう、今度我輩が直々に指導して教えておいてやるのだ。
まあ1つぐらい魔法も追加で教えてやるのだ。」
「ありがとうございます。ルシファーさんに教わるのは少し怖いのですが強くなれるならお願いするです」
「レオナもベリルも戦闘慣れしてないのね。弱い敵じゃないとかえって怪我をするかもね」
「トカゲは戦いじたい下手なのだ。攻撃があたらないと意味がないから実戦経験が必要なのだ」
朱莉とルシファーがレオナとベリルの戦った感想を延べている。
「俺たちは本当の意味で冒険者としてはFランクだからな。
戦闘経験は少ないし⋯⋯
ランキングランクもルシファーが規格外なだけで、勝手に上がったようなもんだしな」
「なるほどね。
急に話が出てきて不思議に思ってたのよ。
合点がいったわ。
まあでも夏樹はルシファーを従えてるし、貴方のスキルは私から見ても異常だから心配しないでいいわ。
魔法袋といい、動く鎧といい⋯⋯おかしいわよ」
朱莉は夏樹を見ながらため息をついた。
「仕方ないのだ⋯⋯雑魚には用がなかったが、やはり我輩が活躍しないといけないのだな!」
「張り切っているとこ悪いが俺も弱い魔物で新しい武器などの実戦もしたいから少し譲ってもらうぞ」
ストラウス高原を少しずつ進みながら魔物を倒していく。
手に入れた魔法銃を使い性能を確認する。
グラスラットという草の生えたネズミの魔物を、魔法銃を使って撃ち抜く。
「『ジョブチェンジLEVEL-1』発動
『斥候』――熱源感知 と『ジョブチェンジLEVEL-3』発動――スナイパー『創造魔法』発動」
グラスラットは擬態しているが『創造魔法』を使いジョブチェンジを組み合わせ、サーモグラフィができるスナイパーとなって攻撃をできるようにしたのだ。
しかしグラスラットはまだ動いて逃げていきそうになったのであと数発魔法銃を打ち続けた。
パスッ!パスッ!グラスラットは動かなくなっている。
「ふむふむやっぱり火力が足りないな。
ルシファー『火魔法』と『雷魔法』をくれ。
中くらいので良いぞ。
ルシファーからしたら弱いやつを頼む。
『ジョブチェンジLEVEL-3』――メカニック」
魔法銃を素早く解体し、組み直していく。
「わかったのだ。『フレイムボム』『サンダーランス』」
ボン!バリバリバリ!魔法銃に向けて『火魔法』『雷魔法』を撃ち込む。
「『ジョブチェンジLEVEL-2』」
付与術師技能――<アタックコーティング>
火属性付与、火耐性、雷属付与、雷耐性、の付与術式を練り込む。
魔法銃『焔の雷』が出来上がった。
「よし。できたな。今度はと⋯⋯」
もう一度グラスラットを狙い撃ってみる。パーン!あっ⋯⋯弾け飛んだ。
「フレイムボムは中くらいではないのです⋯⋯」
「Fランクのグラスラットに向けてなにしてんのよ」
ふむ⋯⋯上手くいかないな。
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