冒険者ギルド再び! 決闘開始
冒険者ギルドに朝になったので集合する。
「逃げずに来たみたいだな!人数が増えてるようだが所詮烏合の衆よ!」
重戦士のオリバ・グレートが笑いながらいい放った。
「せいぜい雑魚モンスターで数を稼ぐんだな」
アーチャーのシュトラウスが皮肉じみた言葉をなげかける。
「まあ私達には庭みたいな場所ですから楽勝だね」
プリーストのクリスは勝ち誇っている。
「3日なんてあっという間だよ」
魔法使いのゼルトは支度をチェックしているな。
「大物狙いだな」
意気揚々の武闘家のリン。
『シャイニングセイバー』は重戦士のオリバ・グレート、プリーストのクリス、武闘家のリン、アーチャーのシュトラウス、魔法使いのゼルトのCランクのメンバー構成だ。
パイモンが冒険者を睨み付けながらも怒りを抑えている。
「やっぱり蹴散らしてやろうか⋯⋯」
「駄目だぞ。魔物で発散してくれ」
「あっもう始まるようですわ」
「如月さま弱い魔物を狙いましょうね」
「雑魚には興味が無いのだ」
『カッコいいとこみせるよー!』「ギャルル」
パイモン、夏樹、バティン、レオナ、ルシファー、ベリルがそれぞれしゃべっている。
「それでは決闘を開始する!冒険者諸君は配置につけ行くぞ!」
冒険者ギルドから採点者と冒険者たちが野営地区にこれから移動が始まる。
「おい!バティン!今回は俺様が活躍するからルシファー様のそばでのんびりするのを譲ってやる」
「いえいえ!パイモン様こそルシファー様のお側で見ていてくださいませ。このバティンめが魔物など一掃しておきましょう。王たるものドンと構えておられるものです」
昨日からこんな感じでパイモンとバティンの2人は張り切っているからルシファーに手伝ってもらい魔法袋を2つ余分に用意しておいた。
「じゃあこの際3手に別れて狩りをしようか。パイモンとバティンはそれぞれ1人で魔法袋を持って狩りをする。ルシファーと俺たちの計3組ってことでいいかな?」
「ほぉ~人間にしては気が利くじゃねぇか!バティンじゃあ勝負でもしようぜ?どっちが大物を取れるか。場所は2日後の野営地区でどうだ?」
「いいですね。では私しはホーヴヴァルプニルに乗って行きましょう。空さえ飛ばなければいいのですから楽勝ですわ。数を多くその上で大物を仕留めて見せましょう」
「「それではルシファー様行って参ります」夏樹さま、レオナさん、ベリル、ルシファー様をよろしくお願いいたします」
「うむ。2人とも頑張るのだ!」
パイモンとバティンがそれぞれ走って彼方へと消えて行った。
「あら?夏樹、パイモンとバティンは一緒じゃないの?」
朱莉が冒険者の列から出てきて話かけてきた。
「さっきまではいたんだよ。2人とも張り切って出ていったから次会うのは多分2日後の朝だな。まあ俺達は俺達で狩りをしようと思う」
「パイモンさんとバティンたち自身も勝負するみたいですよ」
レオナが朱莉にさっきまでの2人の光景を説明している。レオナと朱莉はすっかり仲良しになっていて一緒に行動することが多くなっていた。お風呂効果かな?
「そうなの?じゃあ私が見学に来てもいいかしら?待ってるより近くで貴方達の戦いを見てみたいし、私1人いなくても多分気にならないだろうから。ただし手は出さないからよろしくね」
どうやら朱莉はついてくるようだ。ついてくるといっても『気配遮断』、『隠密』を使ってくるので周りの人間にはわからないようにするとの事。あと何時間かおきに野営地区に戻るということらしい。
<ストラウス高原>にたどり着くまでに片道4時間はかかるらしい。
ダンジョンもクローム鉱山も街の周辺ばかりだったから困らなかったけど移動手段が欲しくなるな。要検討しようじゃないか。
「野営地区についたら食事にして行動を開始しようか」
「わかったのだ」
「ついたらお昼ですね~。楽しみです」
『ご飯、ご飯』「グルル」
「少しお腹空いてたの。私、サンドイッチが良いわね」
「あ⋯⋯食料、パイモンとバティンの魔法袋にいれるの忘れてた⋯⋯」
みんなで移動するのを考えてたから食料いれるの忘れてたみたいだ。
「一応聞いてみとくのだ。まあ2日ぐらい自分たちでなんとかすると思うのだ。⋯⋯⋯⋯パイモンは現地調達するらしいのだ。バティンは⋯⋯⋯⋯食事の時間は戻ってくると言ってるのだ」
ルシファーがしばらくじっとしてパイモンとバティンに確認してくれている。
パイモンは現地調達するのか。バティンは食事の時間は戻って来るって言ってるけど作って置いとけばいいのかな?
◇◆◇◆◇◆
<ストラウス高原>の見通しのよい場所に冒険者ギルドの野営地区がセッティングされていく。
夏樹たちは隅の方で薪を準備したりしてお昼の準備をしだした。
蹄の音が聞こえすごい早さで蒼い馬、ホーヴヴァルプニルに乗ったバティンが戻ってきた。
「遅くなって申し訳ありません。私しもお手伝い致します」
バティンが魔法袋から数個の木製のアウトドアチェアを出してくる。
布は魔物の革を鞣してあるな。中々のクオリティだ。
ハイスタイルのアウトドアテーブルをだしてきて木製の皿とスプーンを用意していく。
バティンさん⋯⋯君はどこに行って何をしてたんだ?
「バティンは魔物狩りに行ってたんだよな?」
夏樹がバティンに尋ねる。
「そうですよ。合間に良い木を見つけたので加工し魔物を捕まえ皮を剥ぎ鞣しました。
ルシファー様にお使い頂くので気合いを入れいつもより楽しく作れました。
あとスープを用意しましたので夏樹様が持ってきている食材とちょうど合うようにしています」
なんだかキャンプでも来たみたいだな。
まあお陰で地べたに座らずすむな。食器も割れる心配ないし、
バティンが作ったアウトドアチェアに座ったけど、座り心地が最高だ。
ハイスタイルの机は70cmぐらいに合わせて作ってあって食事を楽しむには手頃の高さである。
温かいスープはコカトリスを捕まえ卵と鶏肉とハーブが入ったスープらしい。匂いがとても良いな。
「じゃあちゃちゃっと作るかな。『ジョブチェンジLEVEL-3』発動――料理人」
今回は朱莉の要望があったのでパンの代わりに昨日作っておいたパイ生地をチーズと魔物特製ハムを挟みクロワッサン風のサンドイッチパイを用意した。
『ジョブチェンジLEVEL-3』を使うとアイディアやレシピが頭に浮かんできてその技術を使用することができる。この世界の物は『天地万有の声』で代用を検索している。
「ん~美味しい~!!この世界でこういったものが手軽に食べれるようになって本当に嬉しいわ。
それなりに美味しいものもランキングランクあげたら食べれるようになったけど高すぎるのよね。
それだけにお金やポイントも使いたくないとは思ってたし、作るには食材もわけわからないものが多かったし半ば諦めかけてた所だったわ」
しみじみ朱莉がサンドイッチパイを食べながら語っている。
「私も食事を楽しみになったのです。食事を3食も取れるようになるとは夢にも思いませんでした。それに1人部屋も⋯⋯如月さまが来て常に世界が変わっていくのです!」
レオナもスープをすすりながら楽しそうにしているな。
「私しもルシファー様のお側でこんな一時が味わえて退屈だった生活が一変致しましたわ。夏樹様には感謝しております」
ルシファーに紅茶を注ぎながら夏樹にバティンは頭を下げた。
ベリル、ルシファーはスープとサンドイッチパイに舌鼓を打って堪能している。
「マスターの味は日に日に旨くなっているのだ」
『おいしいね~』
「バティンはどのくらい魔物狩ったんだ?」
気になったのでバティンに聞いてみる。
「そうですねぇ⋯⋯まだたったの50ぐらいしかいませんね。魔物も弱すぎてお見せするのもお恥ずかしいです。ここら辺は小さな魔物が多いので遠出するつもりですので、今日の夕食は参加できません。なので申し訳ないんですが夏樹様に夕食のご用意はお願いいたします。椅子、机、食器はそちらの魔法袋にいれておいてご使用くださいませ」
50か⋯⋯どんな魔物を狩ったんだろうな。
こうしてまたバティンはホーヴヴァルプニルに乗って行ってしまった。
さあ俺たちも魔物を狩りにいこうか。
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