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ランキングキラーあらわる



 工房ギルド支部ではジークドラムスがジュデイと忙しくしている。


「鉱山の管轄がこっちにも回ってきたぜ。ノームの奴等が立候補してくれたから、なんとかなったが仕事量が多くなりすぎるから困ってたんだ。


優秀作が出たことで弟子たちも本部の制作基準の改定で忙しくなっちまった」


 あれから鉱山での不正があった為に常駐していた研究者は謹慎になっていた。


 常駐されていた研究者は特に何かをしていたという感じではなく、マニュアル通りに行っていたのが地になっていたという事で謹慎中に教育の再指導と、ピッケルの交換を行う事でまた復帰するとのこと。


 『バッカス』の連中も本部の要請で工房制作品質の見直しに連れていかれてしまったらしい。


 工房ギルドのおかげで制作品もほぼ揃ってきた。工房ギルド本部の製品もドラムス達の監修で良いものがもらえる予定だ。


 ジークドラムスに交渉して作ってもらってたものが魔法袋に入っていく。


 ガーディアンアーマーは工房ギルド支部に保管していたが、ただならぬ気配を放ちまわりを威嚇するので魔法袋に保管することになった。たまに勝手に飛び出しては来るけど⋯⋯


 工房ギルド本部に似たような物を置くため、今度はシルバーゴーレムのコアなしに作ったので、動かないのを確認して、工房ギルド支部に渡している。ジークドラムスには説明し、焼き印も入れて貰っている。


 ()()()()()()()()っていったし、飾るだけなら別のものでも性能がほぼ同じならかまわないってジークドラムスも言ってくれたし、審査員たちがガーディアンアーマーの噂を触れ回る事がなければ大丈夫だろうって言ってた。

 

 さすがに審査員の自分たちが捕まったりしたし、不祥事が余分にでかくなるから他言無用になっている。


 もちろん酒の容器と瓶も新しいのは作っておいた。

預けているとなると貯蔵の時間ももったいないからな。

できばえも2回目となると良くなっている。


「最近なんか誰かに見られている感じがあるのだ」


ルシファーが少し不機嫌に伝えてくる。


「見られているか⋯⋯本部で優秀作も発表されたし噂を聞き付けて見に来る人も増えたけどな」


「確かに増えましたね。工房所属の方や商人の方も⋯⋯」


「グルル⋯⋯」


ルシファーが首を横にふりながら口にする


「違うのだ。我輩の『気配探知』にうっすら反応があるのだが、近づいて来ないからしばらく放っておいたのだ⋯⋯ただ探られてるのがわかったから、そろそろ捕まえたいのだ」


 ん?気配探知が効かないのに探られてるってなんでわかったんだ?


「探られてるってどうしてわかったんだ?」


「それは配下に調べさせたのだ」


「配下?」


「うむ。こうみえて我輩とても偉いのだ!なので我輩の配下を召喚し、放っておいたのだ」


そういえばルシファーのスキルに『配下召喚』ってあったな⋯⋯


「ちなみに何人呼んだんだ?」


「パイモンとバティンの2人なのだ」


 うーん⋯⋯配下ってどんな奴等なんだろ⋯⋯しかし、どんどん増えているのも困る気がするが⋯⋯


「レオナ⋯⋯こいつらは沢山増えると問題がないのか?」


「いままではあまり頻繁に出入りするようなことはなかったみたいです。


中央都市の真ん中に歴史資料館がありますのでそこでは昔の事など書いてあるはずですが⋯⋯

ランク的にはもう少し上がれば入れるようになると思います」


 ふむ⋯⋯時間ができたら調べてみてみるかな。


「とりあえず退路を塞ぐよう言ってあるのだ。なので仕掛けてきたら逃がさないようにしているのだ。餌を撒いていたのでじきに引っ掛かると思うのだ⋯⋯そこでマスター相談なんだが⋯⋯」


 餌を撒いた⋯⋯?なんだろ?


 そうして相談を『念話』で済まし相手が釣れるまで様子を見ることになった。



◇◆◇◆◇◆



「はぁ~今日も終わったな⋯⋯」


何時ものように工房ギルド支部から宿屋に向かう帰り道にそれは起こった


「如月夏樹で間違いないかしら⋯⋯此方に来てもらうわよ。貴君の存在は目に余るわ。自重してもらう必要があるの」


 狼を型どった仮面で顔を隠した女が背後から忍び寄ってきた。


「1人で来るとは余程の自信家なんだな」


 女は肩をすくめて両手をあげ呆れたようにため息をついた。


「わかってないわね。何人かで来るとそいつらが足手まといになるのよ」


 そういって右手には俺が腰に着けて持っていた魔法袋を握りしめている。


⋯⋯早いな。何時盗られたのかわからなかった。


「その風貌は⋯⋯如月さま!!その人物がランキングキラーです!」


 レオナが叫んで此方にむかってくる。


 「ようやく現れてくれたのだ。まずはコテンパンにして格の違いを解らせてやるのだ」


 ルシファーがコキコキ手を鳴らして近づこうとする。


「動かないで!少しでも動けばこの男を殺すわ」


 殺気を放ちながら手に小太刀を持ちそれを首筋に向けられ、すかさず、後ろ手に縛られ捕まり動けない状態にされた。


 ルシファーは『念話』でこちらに会話してくる。


『とりあえず魔法障壁を張ってるからマスターにもしもはないのだがやられっぱなしは腹がたつのだ。魔法袋もこんな時のために()()魔法袋を掴ませたのだ。まあ少しでも攻撃しようならガーディアンアーマーが先に攻撃するかも知れないのだ』


 ルシファーは『闇魔法』――<陰影>をガーディアンアーマーに新しく施し掛けている。


<陰影>は対象を見えなくする魔法だ。


 ガーディアンアーマーはそれで命令をすれば自ら闇魔法を纏い姿を見えなくする。


 話し合いの結果俺が1番狙われる確率が高いと判断され、ガーディアンアーマーを宿に帰るまでは着ることになっていた。


 倍速魔法袋には何個か光鉱石のエネルギーを圧縮し、振動を与えて取り出したら、光爆発をおこすスタングレネードなものを入れている。倍速だからいい感じに爆発するだろな。


 魔法袋を使ってる情報を確認してるから盗ったんだろうが中身を確認しようとしたら爆発するものが入ってるとは考えてないだろう。


 俺達がこれを処理する場合はルシファーが魔法障壁を張り風魔法で浮かして放つようにするつもりだ。


「じゃあこれでお別れね。ルシファーさんとレオナさん」


 ランキングキラーは煙幕を使い『影潜伏』を発動させる。


「うぬ~待つのだ~!!」


「如月さま~!? 」


 ランキングキラーと如月夏樹は姿を消しルシファーたちは帰り道にポツンと佇んでいた。



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