覇王・クライス 精鋭部隊の過酷な進軍
覇王・クライスがルシファーの噂を聞きつけ向かって来ているとルキフゲから連絡がはいった。
覇王・クライスはルシファーとは因縁がありルシファーと互角に戦える王である。
学問都市アルムガインの事が各地に話がでており、巨大な虫の群れの襲来に対してルシファーの仕業だと考えられ噂が飛び交いクライスが動くことを決めたらしい。
◇◆◇◆◇◆
覇王クライスは行動が早い。
ベルサイズ、グレート・エルドラードの話も聞きつけていた。
せっかちともいうのだろうか。
精鋭部隊は語る。
クライス様はいち早く出発された。
今回の出来事は精鋭部隊の身にもなってほしい。
クライス様が言うにはルシファーが破壊活動を再開したのだと言っていた。
我が国のオリンポスアヴァロンの管理はオットー・ニュルンベルグ様によって支えられているがクライス様は自由奔放なのが心配になってしまう。
王たる威厳をもって真っ先に行かれるがやはり大将たるものどんと構えていただきたいものだ。
海運ギルドによって製作された我が軍艦スティールビーストがあるというのにクライス様は海を走って行かれたのだ。
置いて行かれた我が軍勢は焦っている。
クライス様は強いがいくらなんでも敵陣に1人で行かれたら流石に危険を伴うのではないだろうか。
相手は過去に大都市グランドローズを半壊にした伝説の大悪魔なのだ。
大都市グランドローズはその影響で地形が変わり生態系がなおるまで250年の歳月がかかってしまったと記録に残っている。
ただ情報によるとこれから行く場所は魔物が強い危険地区に指定されている場所なのだ。
海を渡って行ってもそこには水棲魔物がうじゃうじゃいる場所でとてもじゃないが弾薬の消耗や体力の疲弊をする。
しかしそこには街が栄えていると会議にでていた。
なんと服はもちろん食材、ダンジョン、食事がそろっていると話がでている。武器も魔剣を持っている人物がいるというし、工房ギルドの人員や冒険者協会など人材も移動したりしているというではないか。
冒険者協会が地域政策とり管理者を移設し、その報告書の内容に噂が尾ひれをついているのかもしれん。
災害級の魔物の狩りをしているとの話もでているのだ。
ランキングキラーの存在も侮ってはいけない。
どうやって彼の者を引き入れたのだろう。
スカウトのパールセウスの声にヘラルド軍隊長が反応する。
「ヘラルド軍隊長!敵襲です!」
そうこう考えているうちにまたもや水棲魔物の襲撃がくる。
シービックリザードとクリムゾンロブスターが戦艦にむかって攻撃を続ける。
「くそー雑魚でも数が多くて息つくひまがないぜ」
やっとのことで魔物を追い返して、交代し、ラム酒を飲む。
クリムゾンロブスターのせいで持ってきた剣がはこぼれしている。
せっかく新調したのに武器が持たんぞ。
防具もボロボロである。
どうかクライス様ご無事でいてください。
クライスに思いを馳せ遠くを見つめて戦いに備えるのだった。
◇◆◇◆◇◆
「ルキフゲ戻ったよ」
「おお夏樹にルシファー様お帰りをお待ちしておりました。
現在あと1時間後に覇王・クライスは到着するようです」
「なあルシファー、クライスはどういう人物なんだ?」
「やつは武力で力いっぱい統治してきた奴なのだ。あの時も確か勘違いから攻撃をしてきて楽しかったから、よかったが強すぎる正義感で我輩とは真逆の存在かも知れないのだ」
よく確認もしないで攻撃をしてきたのか。
街が危ないかも知れない。
「では中継拠点を設置し、そこで対応しますか」
ルキフゲの話に乗りクライスの行動の出方を確認しようか
◇◆◇◆◇◆
1時間後ーーー
皆には心配をかけているがルシファーとルキフゲ、夏樹の3人で対応にあたることにした。
設備拠点は皆でやったため30分かからなくできた。ルキフゲは皆を指示してから来るとのことだ。
「ルシファー!!」
クライスが見えてきた。跳躍し、ものすごいスピードで剣を構えている。
おいおい話をしないのか?
これはかなりヤバイ奴だ。
「とりあえず冷静にできないか」
夏樹の問いに返答を返してはくれるが冷静ではないようだ。
「黙れ!悪魔達と話すことなどない!お前らは皆を奴隷のようにしているのだろう!解放したらわかるだけだ」
クライスが剣を構えて振りかぶる。
「ライジングインパクト!!!」
夏樹は創造魔法とルシファーの魔法障壁を組み合わせる
「魔昌の結界 第6天魔 月食」
「ふん。その程度」
数発におよぶ攻撃で結界の外はクレーターができてしまう。
ルシファーが結界から飛び出し応戦しようとしたとき転移ゲートからルキフゲとミコトが現れる。
「なんだと!」
クライスが思わず手を止め剣を地面に落としてしまう。
クライスの動きが止まったのを確認しルシファーも地面に降りる
「初めまして覇王クライス殿、妾はルキフゲ・ロフォカレなるものだ。隣のは付いてきただけじゃがの」
「ひどーい!覇王くらいなら私の天敵をみつけれると思ったんだもん。!あたしはミラン・フォル・コルートよ!混沌を司る迅雷のいにしえの大魔獣!魔獣界の頂点に君臨するカリスマとはあたし!偉大なるミラン・フォル・コルートに崇めなさい」
びしっと覇王・クライスに指さしている。
「なんか覇王クライスの顔が赤いぞ」
うん。
ルキフゲとミコトをひとめ見てから覇王クライスの様子がおかしい。
それもそのはず覇王クライスはめったに人と会わない。
もちろん王同士の会話はあるが顔を合わせず書面で終わる。
会うのは精鋭部隊とオットーニュルンベルグだけなのだ。
ちなみに会う人が全て男なのだ。
ミコトとルキフゲは美人?である。人ではないが…もちろん香りも良いにおいがしたのだろう。
そんな相手が自分に話かけてくるのだ。
イチコロである。
クライスはチョロかった。動悸をおさえながらクライスはいままでにないくらい動揺している。
「なななんだ。お前たちもルシファーにたぶらかされたのか」
「おいなにをいっておるのだ。妾はこっちじゃ」
木に向かって話しかけている覇王・クライス
「ちょっとーこっち向きなさいよ」
ミコトがクライスの顔をぐいっと引っ張ってこちらにむけさすとクライスは緊張のあまり気絶してしまった。
「おいっ」
しょうがないから街につれていこうか
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